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【簡単あらすじ】優しい死神の飼い方(微ネタバレ)【知念実希人/光文社文庫】

ある霊的存在(人間は彼らを「死神」と呼んだりもする)は、「上司」や「我が主様」からの命令で、見た目はゴールデンレトリーバーとして、人間界に降臨した。

しかし、夏毛を纏っていたことも影響し、降臨した雪山で凍死寸前の状況に追い込まれてしまう。
間一髪のところで、ホスピス勤務の看護師・朝比奈菜穂に拾われ・救われた流れで、ホスピスのマスコットとして住み込むことになる。

レオと名付けられた霊的存在は、上司や我が主様からの「亡くなった人間を地縛霊にしてはいけない」という使命を果たすために、死期が近いのにも関わらず大きな未練を持っている人間たち(=腐臭のする人間たち)を、その未練から解き放つために行動する。



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『はじめに』
今年は暖冬と言われていますが、突然雪が降ったりポカポカ陽気になったりと、体調を崩しやすい日が続いております。しかし、部屋で読書に勤しむことはそういった外の気候が全く関係ありませんので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

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仕事が忙しくちょっと疲れを感じている状態でしたので、少し柔らかめな・優しいミステリを読もう!と考えて購入した作品です。

特に購入する作品を決めていたわけでは無く、地元の書店を一時間程度歩き回り・物色しながら、表紙のイメージで購入したのですが、購入して正解と言える作品でした。

自分でもビックリですが、なんと、読み終わった後には自然と涙が出ていました。

私にもまだまだ純粋な心は残っている!と気づかせられた作品です笑

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レオが飼われることになったホスピスは、患者が数人いるものの、病室が余っている状態でした。

しかし、新しく患者を受け入れるような感じも無い、という少々変わったホスピスです。

そこに入院している

1.南竜夫・元警察官

第二次世界大戦終戦直前に、幼馴染・葉子との駆け落ちを約束するが、それを達成することが出来ず、さらに葉子を死なせてしまった。

2.孫潔・元宝石商?

商売で失敗し背負った莫大な借金を何とかするために、ある屋敷に潜入し宝石を盗む計画を立て実行したが、その際に屋敷に住む家族を殺してしまった。

3.内海直樹・元画家

東京の美大を卒業後、若い画家を対象としたそれなりに名のある公募展で大賞を受賞し、画家として順調な日々を送っていたが、ある親子が内海の絵を購入したところから様々な問題が発生し、現在は絵が描けなくなっている。

これら三人の患者など、ホスピスに関連する多くの方々が、現状大きな未練を抱えている状態です。

多くの登場人物はこのまま死んでしまうと地縛霊になってしまうことは確実で、地縛霊が増えてしまうとレオは上司などからの信頼を失ってしまうため、レオは自身の能力を利用しながら、そして作品の後半は周りの人間の力も借りながら、皆が未練から解き放たれるよう行動します。

その未練の解き方が、ミステリ要素を含んでいるという作品です。

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作品のテーマにもなっていますので、人の生死やちょっとした血なまぐさい描写もありますが、作品全体として「とても優しい」雰囲気が崩れることはありませんでした

かなり気に入った作品であり、既に続編も購入しております。

可愛い犬が活躍し・作品の進行や雰囲気がゆったりとしたハートフルミステリを堪能しては如何でしょうか?

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