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【簡単あらすじ】育休刑事(微ネタバレ)【似鳥鶏/角川文庫】


『 あええええええ 』


県警本部捜査一課・第七強硬犯に所属する、秋月春風巡査部長。
妻・沙樹は、警察キャリア組であり捜査一課の課長。
姉・吉野涼子は、某大学の准教授であり法医学教室所属であり、そのため警察の検視も度々手伝う。
息子・は、人見知りしないムチムチボディの赤ん坊。

というバラエティ豊かな家族構成の秋月夫妻は、県警本部捜査一課という特殊な職場であっても、普通の公務員が出来るような育休を取得し、普通の公務員が出来るように育休後に職場に戻ることを目指している。

しかし、トラブルを招く体質の姉のせいか、それとも「昼飯にも手錠と警棒を持っていき」、「365日24時間働く」ほどの仕事人間である直属の上司・石蕗係長に呼び出されるためか、世間一般的な「育休」とは違った日常を送ることになる。



『はじめに』
夏も(暦の上では)終わりが近づいてきていますが、それに全く伴わない気温が続いており、最高気温は30度どころか35度を超えることが増えています。
私は暑さに弱いため不要不急の外出は減らしている時期ですが、エアコンを起動し、自室で飲み物を飲みながら読書をするという、絶好のシチュエーションを得られる時期が到来したとも言えます。ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

本作は、育休をとっている(はずの)春風が、何故か息子の蓮とともに事件を捜査し、解決するという三編の短編集です。

1.人質は寝返りをする

秋月春風は、姉の涼子に「他大学所属の研究者からの求愛の品を売りたい」と誘われ、息子の蓮とともに地元の質屋を訪ねた。

その最中、目だし帽を被り銃を持った二人の男が、その質屋を襲う。

仲間割れの結果か犯人の一人が殺され、春風ら客の安全は確保されたのだが、店の周りを固めていた警察官の目を盗み、もう一人の犯人は煙となったようにどこかに消えてしまった…

2.瞬間移動のはずがない

秋月一家四人が乗った車が、高速道路で渋滞に巻き込まれる。常に近くにいた車はICを降りてすぐの会社の社用車だった。

後日、ある傷害事件が発生し、その犯人として考えられている男は、その社用車に乗っていたという鉄壁のアリバイを主張する。

3.お外に出たらご挨拶

秋月沙樹は、県警本部庁舎の課長室で仕事後に部屋を出ようとすると、入口に「強力な毒をもった蛇の入った箱」が置かれていた。

それは以前沙樹が逮捕し、恨みをかった赤蛇からの罠と分かる。

しかし赤蛇は、その罠だけでは終わらずに、雑貨屋と呼ばれる男が作った爆弾を使い、沙樹を狙うということを突き止めた。

犯人と狙いは分かったが、爆弾を使われると市民に被害が出てしまう危険性を考え、沙樹は自分が囮になることを決意する。

沙樹と市民の安全は守られるのか…

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私は、ある業務で社長宅を訪問し「これからの会社運営をどうするか(結構重要でシリアスな内容)」を話し合っていた時に、お子さんが泣いたので、少し休憩をとったことがあります。

その時に、社長自らおむつを変えたり・ミルクを飲ませたりしたのですが、その後は何となくほんわかした感じで会話が続くことになり、そして緊張が緩んだためか、良い解決案も浮かんだ次第です。

基本的に、私も赤ちゃん・子どもは好きで、赤ちゃん連れの家族を電車のホームや食事の際に見たときには、ちょっと気持ちがゆったりしますし、赤ちゃんにはそういう効果があるんでしょうね。

最後の事件の解決方法は、通常の刑事小説ではあまりない形だと思いますが、私自身は気に入っているオチです。

警察官だって万能ではないですよ…


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