【簡単あらすじ】ドS刑事/二度あることは三度ある殺人事件(微ネタバレ)【七尾与史/幻冬舎文庫】
オズさんと名のる人物が、
「これから殺戮ゲームを開始します。これは挑戦状です。捜査一課三係の黒井マヤさん。警視庁随一の名探偵であるあなたなら、私を捕まえられるはずだ」
という内容の配信を投稿する。
発言の通り、殺人動画は次々と配信されるが、かつてない劇場型犯罪に捜査は難航してしまう。
追い詰められたマヤは、東京拘置所を訪れ、“師匠”と呼ぶイケメンシリアルキラーの協力を仰ぐ。
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「オズさん」と名のる人物は、七人の若い女性をターゲットに定め、各女性を一人ずつ殺害した後、SNS上にその殺害現場をUPする。そしてそこで次の殺人予告をする。ということを繰り返します。
この殺人配信は、誰もが簡単に殺害現場・殺人予告を確認出来るように投稿されているため、それを見た人々がパニックを起こしてしまいます。
そのことで、オズさんに名指しされた黒井マヤだけでなく、警察組織全体に人々のヘイトが集まってしまいます。
さらに、殺人配信から情報は集めることは出来るものの、次の殺害対象の女性を特定するところまでは絞り込むことは難しく、オズさんの逮捕やターゲットの殺害阻止についての捜査は難航します。
そこで、黒井は東京拘置所に収監中のイケメンシリアルキラー・杏野雲の協力を仰ぐことになります。
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杏野雲は、
・某難関私大犯罪研究学科の准教授であり、
・犯罪研究分野の第一人者であり、
・ゾディアック事件の研究で日本一である、
という人物ですが、子供の頃から殺人を繰り返し、父親を殺害した事件で当時捜査一課に配属されたばかりの新人刑事・黒井に逮捕された過去があります。
拘置所内で面会し協力を求められた杏野は、黒井に「ある条件」を出し協力することになります。
杏野の知識やオズさんの殺人配信などから、黒井巡査部長・代官山巡査・浜田警部補のいつメンがオズさんを追い詰めますが…
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1.なぜ、7人もの若い女性が殺害される必要性があったのか。
2.わざわざ殺人配信内で「黒井マヤ」を名指しし、SNSを利用して人々の注意や恐怖を煽り、事件の注目度を上げたのか。
といったことに対して、「犯人にはゾディアックが発現しているから」といった漠然とした理由だけでなく、きちんとした合理的な理由があり、納得の読了感です。
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このシリーズは、毎回「題名」に様々な要素を入れてくるところがとても好きです。
今回の「二度あることは三度ある」
これについても「一体誰が、何が、どこで」など、読了することで様々なことが絡んでいることに気づき、とても面白かったです。
主人公の代官山巡査とヒロインの黒井巡査部長の仲の進展にもつながりそうな人物、今回初登場・杏野雲の次作以降の活躍にも注目です。
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