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【簡単あらすじ】光る君と謎解きを(微ネタバレ)【日部星花/宝島社文庫】
『紫乃。ーーわたしは、源紫乃といいます』
就活中に地震に巻き込まれ、皇居のお濠に転落した紫乃。
目が覚めた紫乃は、何と、源氏物語の登場人物である若紫に転生していた…
若紫として生活を続ける紫乃が、身近で発生した様々な不思議な出来事を現代知識を利用して解決しようと尽力する物語。
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『はじめに』
酷かった花粉の飛散もようやく収まり、窓を開けると爽やかな風を感じ・ポカポカ陽気で何となく幸せも感じるという、絶好の読書シチュエーションを得られる時期が到来しました。ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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就活中に発生した地震が原因で、皇居のお濠にうっかり転落してしまった紫乃。
目が覚めると、なぜか源氏物語の若紫に転生していた。
転生先は平安時代。
さらにその中の源氏物語の世界であり、その中心人物である光源氏に不審がられ問い詰められたため全てを打ち明けた紫乃は、とりあえずは若紫として生活を続けることになる。
現代に戻るための、祈祷・祭・祓・修法は効果がなかったため、そのまま源氏物語の世界で暮らしていた紫乃だったが、身近で起こった「何かがオカシイ人形」「物の怪の仕業としか思えない事件」などの不思議な出来事を、現代の知識を利用して解決しようと尽力する。
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本作品は、源氏物語というテーマから、恐らく多くの方がイメージしたであろう、恋愛ものの作品ではありません(少なくとも恋愛が重要な伏線にはなっていません)。
また、恋愛だけでなく、全体の内容が一つのジャンルに偏り過ぎないちょうど良いバランスで進みますので、「歴史が苦手」だとしても、「源氏物語をきっちり読んだことが無い」としても、「転生ものが苦手」だとしても、「未来を知ってる俺つえーものが苦手」だとしても、「ガチのミステリーが苦手」だとしても、羅列したようなことが苦手でやったことが無い方でも、きっと楽しめる作品になっていると思います。
ですから、大河ドラマで「光る君へ」を見たから・本屋で源氏物語フェアを目にしたから、などの軽い気持ちで手に取って欲しい作品です。
画像を見ると一瞬で理解した方が多いと思いますが、私のようなおじさんにとっての最大の障壁は、手に取りにくい・レジに持っていきにくい装丁ですね笑
(※私はちょうど良いバランスと感じましたが、中途半端と感じる方もいるかもしれません。そこが作者・日部星花さんの作品を楽しめるかどうかの分水嶺だと思います。)
個人的には、最終行のまとめ方がとても私のお気に入りです。
本作よりもう少し存在感を出した光源氏を助手にした紫乃が、探偵稼業を行う次作が出ることを楽しみです。
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