GTM戦略の立案と実行、改善の好サイクルをタッグで実現 ―広く、入り組んだ自動車業界でプロダクトのさらなる利用拡大を図る
現在、当社がプロダクトの導入拡大に向けて積極的にアプローチしている領域の1つに自動車業界があります。その特徴や攻略の面白さ・難しさについて、Bizdev/SalesとPMM/CSとして営業組織をリードする2名の社員(写真左:小寺 佑磨、写真右:瀬口 比呂)にインタビュー。どんな人材と協働したいかについてもコメントが寄せられました。
プロダクト導入前と導入後を各自が主導。密に情報共有を行い、共にマーケット戦略を練る
―最初に自己紹介をお願いします。
小寺 2023年11月にResilireにジョインし、現在、自動車業界のお客様を対象としたセールスやBizdevを担っています。
前職ではリーガルテックのスタートアップであるLegalOnTechnologiesに在籍し、セールス責任者としてマーケティングからカスタマーサクセスまで横断してマネジメントするほか、新規事業の開発などに携わっていました。
瀬口 私は2024年8月にResilireにジョイン。これまでのキャリアでは、建設(アンドパッド)と物流(ロジレス)の各業界のスタートアップで、新規プロダクトをマーケットインする際の要件を考えるPMMの役割を担っていました。
Resilireでは、自動車業界攻略に向けてマーケット側の課題を整理しています。PMMとカスタマーサクセスを兼任する形で、既存顧客の課題感がどこに集中しているか、またセグメントごとの市場規模を踏まえ、どこから事業攻略していくかを、小寺さんと二人三脚で模索しているところです。
―お二人は主に自動車業界を対象に活動されていますが、役割分担や連携はどのように行っているのでしょうか。
小寺 お客様にアプローチする段階では、自分が拡販戦略の全体像を描いてお客様の課題や当社の提供価値を明確化し、商談も主導します。ここで瀬口さんが担当されるのはマーケット分析とプリセールス面です。獲得を見込める案件に同行し、プロダクトに対する質問や相談があった場合に対応してもらっています。そのほか、自動車業界のマーケット状況を踏まえた見込み顧客リストの分析やアプローチ戦略の提案なども行ってくれています。
瀬口 小寺さんが獲得した顧客のその後の対応については基本的に自分が主導します。導入顧客の課題を定例会議などでフィードバックして共有し、この層であればこういった課題が出てくる可能性があるといった新規獲得に向けた情報も連携します。
入社後、自動車業界と求められるプロダクト価値についての知識がなかったため、セールスの上流を担当している小寺さんに対し、自分は下流に相当するカスタマーサクセスを担当したいと手を挙げました。過去の建設SaaS・物流SaaS時代の経験からも、ここを担当することで、当社がターゲットとしているお客様に対してプロダクトのどの要素が刺さっているか、またどんな機能を追加するべきかが把握できるだろうと考えたためです。
小寺 プロダクトをまだ利用していないお客様については自分、すでに利用している顧客については瀬口さんがインサイトを収集して情報共有し、解像度を上げつつマーケット戦略を一緒に練りながら動いている状況です。密に連携することで互いの仕事の精度を高める、良いサイクルが回っていると感じています。
プロダクトが「刺さる」インダストリーを特定し、効果的なアプローチを展開。リスク管理の質向上に関心の高い自動車業界もターゲットに
―現在、セールスやカスタマーサクセスについてインダストリーカットの体制を構築していますが、なぜそういった体制を採るに至ったのでしょうか。
小寺 当社の営業組織では現在、プロダクトが特にマッチする業界を分析・特定して2~3のインダストリーに区分し、業界ごとにマーケティングとセールス、インサイドセールスが連携して動いています。
けれどこの体制になったのは最近の話。自分の入社時はインダストリーカットやお客様のセグメンテーションを行っておらず、当時のセールス担当2名が多種多様な業界を担当していました。
しかし前職までの自分の経験からも言えることですが、顧客像が具体的に見えており、その顧客に対して何を提供できるか、何が他社プロダクトにはない優位性なのかといった自社の独自性と便益を明確にした方が事業開発を効果的に展開できます。
セグメンテーションには様々な考え方がありますが、Resilireについては、お客様が作っているものと作り方に注目してインダストリーで分け、マーケット状況や課題、リスク管理に対するニーズを把握するのがベストなのではないかと考え、現在の体制を採用するに至りました。
―小寺さん・瀬口さんが担当している自動車業界と、他のインダストリーを比較して、どのような違いを感じますか?
小寺 例えば、当社が現在注力しているもう1つのインダストリーである医薬業界と自動車業界とを比較すると、もののつくり方とサプライチェーンの在り方に違いを感じます。
医薬品は原材料を調達し、ラインに乗せて混ぜたり捏ねたりして最終製品が出来上がります。一方、自動車は、部品だけでなく製造工程もサプライヤーに委託し、調達した部品を人が組み立てて最終製品が出来上がる仕組みです。調達品の数も違うし、サプライチェーンの深さや幅の広さも異なります。
また、医薬品のメーカーはその分野の製品しかつくっていないことが多くサプライチェーンも医薬品業界内に閉じた状態ですが、自動車の場合、例えば搭載される半導体やスピーカーといった部品は他業界でも使用されるなど、サプライチェーンは業界をまたいで広がります。
したがって、サプライヤーとの関係性や、取引先に対して安定供給責任を負ううえでのリスク管理のプライオリティも異なるし、サプライチェーンがグローバルに広がっているか、これまでに調達の寸断リスクを経験したことがあるか、といった点も状況が異なると考えています。
―そうした違いがある中で、お二人が自動車業界のお客様にアプローチを行い、その反応からどのような可能性を見出しているのでしょうか。
瀬口 Resilireは自動車業界でも大きな価値を感じてもらっていると捉えています。
他のSaaSやパッケージソフトを利用している企業では、完成車メーカーやメガサプライヤーが主導して上流情報を収集しソフトに登録していますが、その保守運用が行き届いていないことが多い印象です。現在、導入を進めているある部品メーカーについては、データはあるのでそれを移行しようという話でしたが、蓋を開けてみるとデータの整理がなされておらず、また何が正しい内容かは各部品の調達部門に確認を取らないとわからない状況でした。
Resilireはサプライヤーを巻き込んでアカウントを付与することにより、バイヤーとサプライヤーが協働でデータベースやツリーを構築し、実態に沿ったサプライチェーン情報を整備できます。サプライヤー側にとっても、インシデント発生や被災時に自分たちの拠点や供給品に受ける影響を把握できることもResilire導入のメリットの1つとなっています。
サプライチェーン情報は従来、バイヤー依存でつくられるケースが多かったのですが、バイヤーのメリットだけを考えた運用では限界があります。Resilireに切り替えるとサプライチェーン情報の管理がスムーズになりサプライヤー側にも大きなメリットがあることが自動車業界のお客様に刺さるポイントだと、現在取り組んでいる事例からも感じています。
小寺 自動車業界のお客様はリスク管理について前向きに反応されることが多いです。新規のお客様にResilireの紹介をすると、ほぼ100%「良い」と評価していただけます。さらに、「実はこういうことにも困っている」とか「こんな機能があると助かる」といったインサイトがお客様側から積極的に上がってきます。
初めてアプローチしたお客様からも要望や相談が寄せられたりプロダクトの未来への期待感を抱いていただけることは、自動車業界でResilire利用の拡大を図るうえで非常に良い兆候だと思っています。
そういったインサイトをプロダクトにどう落とし込むか、または果たしてプロダクトだけでで解決すべき課題なのかといったことも瀬口さんと一緒に整理していって、自動車産業をターゲットとしたビジネスロードマップのベストなカタチを見つけていきたいと考えています。
―自動車業界が当社にとって非常に有望であることがとてもよくわかりました。それでは導入に際して、この業界ならではの難しさにはどのようなものがあるのでしょうか。
小寺 新規開拓も担当する自分の目線でお話すると、自動車業界独自のサプライチェーンが出来上がっており、かつ完成車メーカーの力が強いため、「あの会社が導入するのであればうちも導入する」といった、業界全体のネットワークが強いと感じています。こうしたマーケット特有のネットワーク構造が、業界においてResilire導入を拡大するうえで難しい点の1つです。
また、自動車業界におけるリスク管理の取り組みについては、ややレガシーなオペレーションが業界全体に広まっている印象を受けています。それは例えば、いろいろな完成車メーカーからバケツリレー式にサプライチェーン情報開示用のExcelのフォーマットが送られてきて、サプライヤーはその都度自分たちの情報を入力する、さらにその更新作業が毎年発生する、といったものです。こういった「古いオペレーショナルエクセレンス」を刷新し、いかにResilireの機能を使って自動車業界全体にイノベーションを起こせるかどうかが勝負で、その入口や切り口をつかむことが今一番の課題だと思っています。
―現状の業務フローに即しながらもいかにResilireを当てはめていくかが、難しさであり面白いところでもあるわけですね。
小寺 これまでのオペレーションを変えることによって、費用以外にもスイッチングコストがかかります。導入によってリスク管理のオペレーションがどのようにスムーズになっていくかを合理的にお伝えすることがなかなか難しいです。
瀬口 受注後を担当している自分の場合、登録品目数の膨大さに課題を感じています。現在、導入支援で対応している顧客の場合、途中過程の現状で約40万品目にも及びます。さらに、各品をどの拠点で生産しているのかの情報を紐づけたデータをResilire上に再現するために、品目と拠点とのリレーションを持ったデータをちゃんとインポートしていかなければなりません。
これを1点1点やっていくと当方もない手間と時間がかかるので、どのような仕組み化を行うか検討するとともに、その課題を解決するためのResilireのアップデートについて開発チームと一緒に取り組んでいるところです。
2025年度に大型リリースを予定。顧客が重視する「サプライヤーの使いやすさ」をさらに向上
―導入前と導入後、双方に難しさがあることはよくわかります。課題の改善に向けた取り組みや新たな方法の模索を行われていると思いますが、自動車業界攻略を進める上で何が必要とお考えでしょうか。
小寺 プロダクトの機能については、2025年度に予定されている大型のリリースが、自動車業界のお客様から大きな反響をいただける手応えがあって待ちわびています。その機能が、今、私がアプローチしているお客様のビジネスにフィットしたものになるよう、開発との橋渡し役も担っている瀬口さんにコントロールしてほしいと思っています。
しかし、機能ができてもお客様にデリバリーできないと意味がありませんから、セールス自体も新しい手法をどんどん考えていかなければなりません。例えば、どの企業の契約を獲得するとより最短で業界全体にResilireが広まっていくかや、業界団体へのアプローチなどについて検討していきたい。せっかくインダストリーカットでアプローチしているので、その業界でしかできないような営業手法をどんどん試していきたいですね。
瀬口 今、話に出た2025年度に控えている開発について、目玉は2つあります。
1つは、バイヤー・サプライヤーごとにスペースを用意するというもの。従来はいろいろなバイヤーと取引のあるサプライヤーが特定のバイヤーからツリーをつくってほしいと依頼された場合、それに対応するためのアカウントを個別に用意してつくっていかなければならず、取引バイヤー数と比例してサプライヤー側の作業が煩雑になっていました。しかし今回の開発により、サプライヤーは1つのアカウントで複数の取引先に向けてツリーを用意し、この情報はA社、また別の情報はB社、と対象を限定して開示することが可能になります。これにより、より効率的かつ密にツリー構造をつくる環境を確立できます。
もう1つは、業界特有の事情にフィットしたアンケートをバイヤー・サプライヤー間でやり取りできる機能が追加されることです。昨今、自動車業界でもサステナブル調達が重要なテーマの一つで、バイヤー・サプライヤーともに持続可能な経済や社会の実現が求められています。取引される生産拠点で強制労働が行われていたり、納品品目の原料の中に紛争鉱物が含有されていると、国際社会での輸出入が制限されるなど企業経営において日に日に重要度が増しています。Resilire上に取り込んだサプライチェーン情報と連動しこれらの調査をワンストップに行えようになると、Resilireならではの提供価値が増え、自動車業界の中での導入率・利用率も上がってくるのでは、と予想しています。
―バイヤーの視点だけではなくサプライヤーが使いやすいことが、自動車業界を攻めるにはかなり重要なのだと、お二人の話を伺っていて感じます。
小寺 とにかくこれ以上サプライヤーに負担をかけたくないと、どのお客様もおっしゃいます。そういったバイヤーの気持ち、かつサプライヤーの作業の煩雑さに寄り添い続けて、導入企業だけではなくそのサプライヤーにもフィットする機能を開発することが、自動車業界攻略のポイントだと思っています。
自動車業界や他業界の知見を持つ人材、考える力と行動力を兼ね備えた人材とさらにビジネスのフィールドを広げたい
―日本の主要産業であり企業数も多い自動車業界を攻略していくにあたって、これからも仲間を増やしていきたいと思います。どんな人材を期待しているか、それぞれの観点でぜひお聞かせください。
瀬口 小寺さん、時に津田さん(当社CEO)にも入ってもらって攻略に向けたディスカッションをしていて、自動車業界に効果的にアプローチするための知見を持った人物が当社にまだいないことを感じています。
新卒時でもいいしキャリアの一時期でもいいので自動車業界で調達などに携わった経験を持ち、業界特有の構造への理解をベースに、「ここが業界内のネットワークを持っていてこういうアプローチを行う導入と浸透が進みやすい」や「業界慣習による運用ネックがあってこれをシステムの力で変革していきたい」といった知見と思いを持っている人が来てくれると、いろんな打ち手がもっと出てくるのではないかと期待しています。
小寺 「企画」と「遂行」の両方をできる人に来ていただけたらうれしいですね。
セールスにおける能力は大きく分けてこの2つに分けられると思うのですが、双方を同時に発揮できる人は非常に少ないと感じています。
現在、当社の営業組織はインダストリーカットで動いており1つの業界に割り振れるリソースは限られるため、この時期は企画を考えてこの時期は遂行するといったように、時期によってやることにバラつきが出てきます。したがって、企画も遂行もできる、つまり考えてそれを一定期間実行し続けられる人と一緒に働きたいという気持ちが非常にあります。特に、自分は遂行に課題を感じているため(笑)、そこが強い人だととてもうれしいですね。
―お二人の話を通して自動車業界のポテンシャルを実感しました。当社にできることは、これからもたくさんありますね。
小寺 自動車業界について熱く語ってきましたが、実は他にも攻めたいところがたくさんあるんです。例えば、1業界にカテゴライズできないようなコングロマリットな企業。多様な事業を展開している企業には、また別の課題があると思います。
また、現在のところインダストリーカットしていない業界についてもアグレッシブにアプローチしていきたいですね。
瀬口 先ほど「自動車業界に知見のある人を歓迎したい」とは言いましたが、他の業界に詳しい方も入ってくると掛け算的に当社のビジネスのさらなる広がりを見いだせるだろうと感じています。
まだまだ開拓できていない業界も多いですが、それは逆に言うと「チャンスが豊富にある」ということ。それを「面白い」と捉え、モチベーションを感じる方にぜひ来ていただきたいです。
最後に
Resilireでは、特定のインダストリー攻略を推進してくれるセールスやカスタマーサクセス、Bizdevを積極的に探しています。
GTM戦略の立案から遂行まで大きな裁量を持ち、優秀なメンバーと一緒に事業を推進したい方がいましたら、ぜひお話しさせてください。
◼️カジュアル面談一覧
◼️採用サイト
◼️求人一覧