見出し画像

Transformational and Transactional Leadership Behaviors and Ethical Perceptions: The Effects of Sensory Processing Sensitivity

Stenmark, Cheryl K.
The Journal of management development, 2024-02, Vol.43 (1), p.1-12

このnoteの目的と著者の自己紹介はこちら



要約

この論文では、「感覚処理感受性(Sensory Processing Sensitivity, SPS)」という個人特性が、リーダーシップスタイル(トランスフォーメーショナルおよびトランザクショナル)と部下の倫理的認識や判断にどのように影響するかを検証しています。トランスフォーメーショナルリーダーシップは、部下の可能性を引き出し、倫理的認識を向上させるのに有効とされ、一方でトランザクショナルリーダーシップは、感受性が高い部下にとって不利な結果をもたらすことが示されました。

研究では、大学生を対象にリーダーシップの違いを示すシナリオを用いて倫理的な問題解決を問う実験が行われました。その結果、SPSが高い部下はトランスフォーメーショナルリーダーの下でより高い倫理的認識を示しましたが、トランザクショナルリーダーの下では低下する傾向が見られました。一方、SPSが低い部下にはリーダーシップスタイルの影響がそれほど顕著ではありませんでした。


要約のまとめ

この研究は、リーダーシップスタイルと部下の感受性が組織内の倫理的意思決定にどのように影響を与えるかを探るもので、特にトランスフォーメーショナルリーダーシップの重要性を強調しています。また、部下の感受性を理解し、それに応じてリーダーシップスタイルを調整する必要性を示唆しています。


大事なポイント

  1. 感覚処理感受性(SPS)

    • SPSが高い部下は、トランスフォーメーショナルリーダーの下で倫理的判断が向上する。

    • トランザクショナルリーダーシップはSPSが高い部下の倫理的認識を低下させる可能性がある。

  2. リーダーシップスタイルの影響

    • トランスフォーメーショナルリーダーシップは、部下の倫理的認識を全般的に向上させる。

    • トランザクショナルリーダーシップは、タスク志向であるため、倫理的側面への影響が限定的。

  3. 実務への示唆

    • リーダーシップトレーニングにおいて、部下の感受性に基づいてスタイルを適応させる方法を含めるべき。

    • 組織における倫理的認識を向上させるためには、トランスフォーメーショナルリーダーシップを推奨する。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集