企業価値向上のための資本コスト経営 (編・日本証券アナリスト協会)
読み終えたばかりの一冊です。
先日ご紹介したこちらの本でもそのベースにある概念です。
この本はかなりプロ向きの一冊という印象でしたが、資本コストが実際の上場会社でどう意識されているか、事業の経営に関わっているか、また、投資家との「対話」でどの程度活用されているのか、具体的な事例が載せられています。具体的な事例を見ると、資本コストが「対話」で果たす役割の可能性を感じることが出来ると思います。
の事例紹介に続いて、
NVIC・奥野さんと #丸井グループ 青井さんとの対話、同じく、奥野さんと #味の素 栃尾さんとの対話。
この2つの対話は、その現場で使われていた資料も交えながらライブ感ある対談形式で、非常に読み応えがありました。
資本コストがいくらなのか? ということを追求する(正解なんて無いはず)のではなく、それを使って、資本コストを上回る経済的価値を、どうやって持続的に生み出していくのか。事業体全体を見渡して、経営者が考え抜く、また、会社と投資家が意見をぶつけ合う。そうした場面が積み重なっていくことで、強い会社が増えるのでは、と期待します。
この表彰制度、ご存知でしょうか。
資本コストをはじめとする投資者の視点を強く意識した経営を実践し、高い企業価値の向上を実現している会社を表彰(2012年度創設)
表彰を通じ、ベストプラクティスを提示することで、上場会社には企業価値向上経営の必要性とその参考事例を、投資家には東証市場における株主価値の創造を目指す企業の存在を発信
塩野義製薬、資生堂、ダイキン工業はこの表彰で大賞を受賞しています。
2020年度は表彰を見送るそうですが、この表彰が果たしている役割は大きいと感じます。来年度は必ず復活させて欲しいものです。
資本コストが経営にどう活かされているか、また、投資家との対話においてどんな役割を果たしているのか、これについても発信が積み重ねられると良いのでは、と感じました。
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