『ゆっくり、いそげ』の影山知明さんと遂にお会いできた話
『ゆっくり、いそげ』
大好きな本です。この本についてつくった記事は多数ありますが、たとえばこの記事です。
m@さんのこの記事をきっかけに本と出会ったのは2015年でした。
コロナとか色々あったわけですが、一度も直にお目にかかることが無かったのですが、昨夜遂にお会いすることができました!
国分寺の #胡桃堂喫茶店 のイベント「2023年に出会った10の言葉」に参加しました。影山さんは胡桃堂喫茶店の店主、経営者。
その影山さんがお一人で2時間かけてお話しされるトークライブ(オンライン配信あり)。
ご自身が出会った10の言葉(実際にはプラスアルファあり)を、カウントダウン形式でご紹介されました。
前回の様子はYoutubeにありました。
印象に残った言葉を書き留めておきます。
自律性
第3位で紹介された言葉に含まれていたのが「自律性」です。今回のイベントでは何度となく”能”が取り上げられました。
クルミド大学で能にガッツリ取り組まれたから、だと理解しました。僕はイベントで初めてクルミド大学の存在を知りました。
恥ずかしながら僕は能は未体験です(狂言はあるかしら?)。影山さんのご説明によると、能とは、自らそれに手を伸ばす姿勢=自律性が無いと理解すること、楽しむことが難しいエンターテインメントだ、と。
今、世間に溢れるエンターテインメントのほぼ全てが、作り手の思惑や狙い、仕掛けのせいで、自ら手を伸ばすことなく楽しめるもの。これは言い換えれば、コントロールを他人に委ねている、つまり、他律性と。
能は、演者とそれに対峙する鑑賞者が、それぞれの自律性があるからこそお互いが魅了し合い「花」が生まれる。
株式投資にも当てはまるのではないか、そんなことを思いました。ここでクドクドと書いたりしませんが、他律性とパッシブ運用がピッタリ重なる気がしました。
ファンタジーの重なるところ
第4位で紹介された言葉の一部が ファンタジー
影山さんは、ファンタジーを創造性ある想像力と定義されました。そして、そのファンタジーは、個々人がそれぞれ持っているもの。
クルミドコーヒー、胡桃堂喫茶店。影山さんの経営される事業には、「事業体としての」理念、ミッション、ビジョン、バリューは無い。そう説明されました。
もちろん、影山さん個人としては理念、ミッション、ビジョン、バリューは持っている。それはお店で働くスタッフそれぞれ個人も持っている。
そうした理念は個々人のファンタジーに支えられている。
そのファンタジーが重なったところから、お店が出来る。コーヒーやお料理、雰囲気。ファンタジーの重なりを見つけること。重ならないところはなぜ重ならないのか知ること。そうしたプロセスを重ねることでお店に「幹」が出来てくる、息の長い大木に育つ。
こんな風に受け取りました。
ファンタジーを育てる、アップデートするにも、誰かのそれとの重なりを探るにも、自律性は必須なのかな、と感じました。
「ゆっくり、いそげ」の表紙のイラスト
イベントの冒頭、最初に紹介された言葉は「第10位」ではなく”次点”。
「強い」「弱い」は言葉にもある、と。弱い言葉、強い言葉。ハッキリと断言する言葉は強い。2つの対概念があった場合、どちらもANDを感じられる言葉は弱い。「ゆっくり、いそげ」も言葉としては弱いと思う。そう影山さんはおっしゃっていました。どっちなんだ?って。
しかしだからといって、弱いからといってそれが小さなもので終わるとは限らない、と。弱いからこそ大きくなることもいくらだってある、そんなお話しだと理解しました。
「ゆっくり、いそげ」の表紙のイラストを描いたのは、お店で働くスタッフの方だったそうです。そのエピソードがとても印象的でした。
職業ではなく「生き方」
第6位で、能楽師の川口晃平さんの言葉、エピソードが紹介されました。
この話の流れで、影山さんが「強い言葉」でおっしゃいました。
カフェ店主は職業ではない、生き方だ
昨日の僕にとって最も印象的なシーンでした。
僕自身、この1年で「投資家のrennyです」と自己紹介することが増えました。先日のポッドキャストウィークエンドでも何度もそんな場面がありました。
そうすると、多くの方は専業投資家として認識されるんです。
そこで
いやいや違うんです。普段は、職業は会社員です、
と説明を加えます。
僕にとって、会社員は職業であり、投資家は生き方。
それに気づかせてもらえました。
影山さんと同じ空間、時間を過ごすことが出来て素晴らしい夜になりました。
影山さん、会場にご参加の皆さん、関係者のみなさん、誠にありがとうございました。深く感謝しています。
当日の動画、こちらで配信されています。ご興味をお持ちになったらぜひ!
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