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月次レポートの進化で、株式投資、投資信託への社会からの「信用」を高めて欲しい!
本日のスープ~株式投資をめぐる三重奏~ の104皿目です。
https://pixy10.org/archives/post-6580.html
投資信託を考えるに当たり「信用」というのは非常に大事なポイントです。なんせ「信」託ですからね。
そんな折も折、セゾン投信がこんなデータを公表しました。
https://www.saison-am.co.jp/guide/fiduciary/saison_kpi.html
投信協会のデータ を使って私も確認してみました。
株式投信の全社計です。但し、これはETFを含んでいます。
毎月末の純資産総額 を その月の解約額で割り、さらにそれを12で割った数字を算出しています。この数字を保有期間と表現するべきかどうかは微妙なところもありますが。
「解約」というのは信用が離れていることを示している面はあると思います。(もちろん信用はしているけれど換金の必要性があって、ということもあるので、解約=信用の剥落 と捉えるべきではないでしょう)
直近12ヶ月の移動平均を見ていると、全社計でも少しずつ期間が延びてきているのは見てとれます。
さて、セゾン投信も調べてみました。
投資信託にとって「信用」をどう築くか、それはその仕組みからして最も大事なテーマであることは間違いありません。
「投資家に私たちの投資を理解してもらう」ことが大事なのではないでしょうか。投資哲学に共感してもらい、投資先企業の状況やファンドとしての判断を丁寧にレポートしていれば、マーケット状況がしんどいときでも、「まあこういう時だから、仕方ないよね」と理解してくださる。
なぜ日本だけ、バフェットのような長期投資の大成功者がいないのか
農林中金バリューインベストメンツの奥野一成さんのコメントです。どんな投資をしてもらうかをファンドマネジャーにお任せするアクティブファンドの場合、定期的なレポートはとても大事です。成果はもちろんですが、その成果を生み出すためにどんな行動を行ったかを丁寧に伝えようとすること、それは投資家から託されたお金をどんな風に取り扱っていたかを示す何よりの証拠です。
Shimoyamaさんのブログです。
https://www.shimoshun.com/entry/nvic-usstock-report
月次レポートや運用報告書は、単にパフォーマンスを示すだけでなく、掲げている運用哲学と実際の運用プロセス(企業選びや投資行動)がきちんとリンクしているのかを伝える役割があると思います。パフォーマンスは結果にすぎません。
しかし、多くの投信会社のレポートは、基準価額の変動がどうだったとか、ありきたりな相場の解説に終始し、この大事な役割を放棄してしまっています。投資家から預かったお金を長期的に育てるためにどんな仕事をしているのか、という肝心な部分をもっと伝えるべきです。
投信会社が発信する定期的なレポートは、投信会社にとっては「信用」を地道に積み上げるための、投資家にとっては「信用」をさらに深めても良いのかどうか判断するための、双方にとって非常に貴重な接点です。この面での進歩が投資信託全体に対する社会の「信用」が高まるはずだと私は思います。株式投資に対する偏見は非常に根深いものがあるので、そうそう簡単にいくとは思いませんが、ここに真摯に、真正面から取り組むことが出来れば、そんな投信会社が1社ずつでも増えていけば、必ず進歩できるはずです。
既に素晴らしい月次レポートを発信できている投信会社はそれに磨きをかけ、まだまだこれからの投信会社は先行している会社を目標にして、切磋琢磨してもらえたらなあ、と切に思います。
で、ちょっと最近の気づきなんですが。
投資信託の保有って実は「サブスク」なんですよね。
毎日、毎日、自分のお金、資産を預かってくれている、守ったり育てたりしてくれている投信会社に報酬を支払っているわけですから。
いかにより良い顧客体験価値を提供し、ファンになってもらい継続的に利用してもらうかを考えると、一時的にLTVの短い顧客が増えたとしてもあまり意味がない
こちらのノートでご指摘されていました。
https://note.mu/miux25/n/ne8da638dfbf7
投資信託という商品の性格上、顧客体験を左右するのはその成績であることは間違いないでしょう。しかし、その成績は株式市況の影響を大きく受けるという宿命を持っています。ただ、株式市況が奮わない、しんどい時期にこそ、どんな顧客体験を提供できるか、が大事になってくるものと考えられます。その顧客体験の一つとしてレポートが大きな役割を果たせるのではないでしょうか。