【新規事業へのチャレンジ】学校水泳の受託を一歩一歩進めてきた吉成太紀さんの歩み
こんにちは。ルネサンスnote編集チームです。
ルネサンスでは、学校水泳を取り巻く「プールの老朽化」や「教員の人手不足・授業への準備負担」などの解決に向けて水泳授業を受託しています。
過去のnoteでは、学校水泳の受託に取り組む理由や取組で強みとしていることについて、担当の吉成さんにインタビューしました。
今回のnoteでは、吉成さんが学校水泳の受託を事業として立ち上げ、形にしていくまでのチャレンジや想いについて伺いました。
学校水泳の受託に取り組むまでの背景
――ルネサンスの学校水泳の受託の取組は、2020年度から本格化しました。学校水泳の受託に取り組みたいと思ったきっかけを教えてください。
私は「より多くのお子さまに水泳を好きになってもらいたい」という想いと、「学校の現場が抱えている水泳指導の課題を解決したい」という気持ちから、学校水泳の受託に取り組みたいと思うようになりました。
もともと、大学生の頃から水泳指導のボランティアや、ゼミで学校水泳の研究をしていて、学校の現場には人手不足やプールの老朽化など、たくさんの課題があると感じていました。
ルネサンスに入社後も近隣の保育園や小中学校での水泳指導のサポートをするなかで、水泳授業を受託することによって学校や先生方が困っていることのお役に立ち、抱えている課題を解決したいと思うようになりました。
当時は、所属していた店舗の支配人と学校の授業へ行った帰りに、
「たくさんのお子さまに水泳を好きになってもらうことがコーチとしての本望だよね。水泳を始めてもらえるきっかけになるといいよね」
という話を、頻繁にしていたことが印象に残っています。
スポーツクラブの会員という狭い区分にとらわれず、地域全体のより多くのお子さまに水泳を好きになってもらいたい想いが強くなっていきました。
――実際に、新規事業として社内で提案することになった経緯を教えてください。
『ルネサンスチャレンジ(以下、略称「ルネチャレ」)』という社内の新規事業提案を公募する仕組みを活用して、学校水泳の受託を提案し、審査に通ったことをきっかけに取り組みを進めることになりました。
ルネチャレという制度は会社としての変革が問われる中で誕生した制度です。
その説明会に参加して、社長や事務局の「会社を成長させたい」という想いを感じ、改めて真剣にチャレンジしたいと思いました。
その後も、新規事業立案については、ルネチャレの事務局の皆さんからマンツーマンで必要な知識やノウハウを教えてもらい、より事業として具体的な提案ができるような準備を進めていきました。
事業を進めたことで得た成果ややりがい
――0からのチャレンジで苦悩や葛藤もあったのではないかと想像しています。どのようにして乗り越えてきたのでしょうか?
今振り返ると、事業を始める最初の一歩と、事業が動き出した時期が大変だったと感じています。
私は、無事ルネチャレの審査に通りましたが、新規事業に取り掛かろうとしたタイミングで新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令されたため、すぐに進めることはできませんでした。
この時期は、水泳授業を中止する学校が増えたのと同時に、お子さまの水難事故のニュースも増えていきました。
私は、やはりこの取り組みは大切なことだと思い、コロナ禍で水泳授業が行えなくても座学で水の安全について学べる教材の開発に取り組みました。
その結果、千葉市の公立学校が教材を採用してくださり、授業の提供を行うことができました。
スポーツクラブの現場で勤務をしながら、このような新規事業の取り組みを行った例は、社内でもほとんどありません。
店舗勤務と新規事業の立ち上げを両立することは難しくかつ困難でしたが、「率先して新しい働き方や立場を築いていきたい」という想いで取り組むことができました。
これから新しいことにチャレンジしたいという想いを持っているスタッフにとっての道しるべになりたいという気持ちもありました。
学校水泳の受託をさらに拡大していくにあたって、社内の体制整備に力をいれました。
社内の体制整備は、「営業体制」と「納品体制」の2軸で整備を行う必要があり、現場のスタッフはもちろんのこと、多くの人を巻き込む必要がありました。
納品体制は、自分から積極的に働きかけて、時にはヘルプで様々な店舗のレッスンに入るなどしながら、学校水泳の取組を「会社としてやる意義」と「メリット」を伝えて、徐々に仲間を増やしていきました。
営業体制も、地域の健康づくりを行う部署との仕事を兼務して、全国の自治体向けにオンライン説明会を開催し、自治体などへ具体的な提案を加速することができました。
取り組み始めて5年目の今は、ありがたいことに水泳授業に関する相談をいただく自治体や学校が増えており、2024年度の水泳授業の受託件数は、2024年7月末時点で70件となりました。
事業を進めるには、部署の垣根を越えて、様々な立場の方から協力を得ることが大切だと実感しました。
――大変な状況の中でも1歩1歩進めてきたのですね。吉成さんは、現在、学校水泳事業を通してどのようなやりがいを感じていますか?
学校の水泳授業をサポートするうえで、お子さまが水泳を好きになる瞬間や、先生からの感謝の言葉がやりがいとなっています。
例えば、生まれて初めて一人で(家族以外と)プールに入るお子さまが、最初は恐る恐るプールに入っていたものの、最終的には「見て!」と自分から潜ることができるようになったこと。
その変化を見ていた先生方から、
「これまでは水泳が苦手で途中でプールから上がる生徒が数名いましたが、整った環境の中、スモールステップで学習が進むので、今年はほぼ全員最後まで授業に参加できました。」
「コーチが一人ずつ丁寧に接してくださるので、お子さまも安心して練習していて、泳げるようになったと達成感を味わっていました。」
などと言っていただけたことが心に残っています。
吉成さんのさらなるチャレンジ
――今後、実現したいことや目標はありますか。
先日も痛ましい事故のニュースがありましたが、お子さまが安全に水と接するために、学校の水泳授業は必要だと考えています。
実は、学校プールの老朽化や教員への負担などの問題で、学校での水泳授業は存続の危機にあります。
引き続き、ルネサンスが学校や行政と深くかかわり、より安全で効果的な水泳授業をサポートすることで、水難事故を少しでも減らしていきたいです。
学校水泳の事業では、学校で抱える課題に対して、ルネサンスがスイミングスクール運営のノウハウを活用して課題解決に取り組んでいますが、他にもルネサンスが持つノウハウや強みを生かすことで解決できる社会課題がまだまだたくさんあると考えています。
「健康のソリューションカンパニー」の一員として、より多くの社会課題を解決できるよう取り組んでいきます。
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今後も、新たな取組にチャレンジするスタッフの様子もお届けしていきます。
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