【聴くクラシック音楽入門】🎵Vol.9バロック音楽~最古のオペラ~
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いよいよ一般的に「クラシック音楽」と呼ばれる時代に入ります。バロック音楽です。
バロック音楽は、劇音楽(後のオペラ)が誕生した1600年から、大バッハ(J. S. バッハ)の亡くなる1750年までの約150年間の時代の事です。
バロック音楽の特徴をあげると2つあります。1つは劇音楽、2つめは本格的な器楽の発達です。
今回は1つ目の劇音楽についてお話しようと思います。
最古のオペラ~劇音楽の成り立ち~
16世紀の末頃、イタリアのフィレンツェに、カメラータとよばれる、トスカーナ大国のジョバンニ・デ・バルディ伯爵を中心とした文化人グループがありました。
有名な天文学者の父で音楽家であったヴィンチェンツォ・ガリレイや作曲家のカッチーニ、メディチ家の宮廷楽長だったペーリ、オラトリオの創始者として知られるカヴァリエリ、それに詩人のリヌッチーニなどがそのメンバーでした。
このカメラータは、それまでのルネサンス音楽でのポリフォニーの技法に反発して、感情と結びついた音楽表現を探求し、ギリシャ悲劇にその理想を求め、音楽の劇的表現というものを目指しました。
劇的表現とはどのようなものかというと、歌と話し言葉の中間をいくような旋律で歌って、それを和音的に支える伴奏を楽器で行うという形でした。いいかえれば、「詩のリズム」と「内容」が、「音楽」より優位に立つという形式です。
彼らはこの新しい技法を使った曲を次々と書いていきます。1597年には、リヌッチーニの台詞にペーリが作曲した最初の劇音楽《ダフネ》、1600年に《エウリディーチェ》が書かれました。ダフネは、台詞は現存していますが、音楽が一部しか残っていません。音楽史も「歴史」であり、歴史は文献重視な為、台詞も音楽も現存するエウリディーチェが最古のオペラとも言われています。
この「エウリディーチェ」は、日本神話でもおなじみの、黄泉(よみ)の国に行く話。この話はこの後も幾つかの作曲家たちによって作られていきます。19世紀後半のパリの作曲家オッフェンバックのオペラ「天国と地獄」はこれをパロディにした作品です。また、フランス国王アンリ4世とメディチ家のマリア姫の結婚を祝して,フィレンツェで上演されました。悲劇ではありますが、祝宴の場なので、ハッピーエンドに変えて。
ペーリのエウリディーチェ プロローグ。
オペラという言葉はバロック音楽ではまだ使われておりませんでした。当時は〈音楽のための劇〉といっていました。また、カッチーニの独唱曲集に《新音楽》と題されたことから、この時代の音楽、特にカメラータによる作風を新音楽と呼ぶこともあります。
フィレンツェに起こったこの新様式の音楽は、イタリア全土へと広まっていきました。
特にヴェネツィアに現れたモンテヴェルディによって、さらに進展します。モンテヴェルディには《オルフェウス》をはじめ、いくつもの歌劇作品があります。現在でもよく上演されています。彼はそれらの作曲を通して、今までの様式と融合し、台詞のような独唱をより旋律的なものにしました。それらの表現内容をさらに深めて、劇的な要素を盛り上げ、作られた当時の単純な音楽劇を一歩先に行く歌劇的なものへ進めました。また、当時使用されていたさまざまな楽器を一堂に集めて、合奏形態による伴奏も初めて取り入れて、これが後のオーケストラへと発展していきます。弦楽器のトレモロやピッツィカート等の奏法を初めて用いたのもモンテヴェルディだといわれています。
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