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酸味のキュッと効いた酢牡蠣 地中海の三つの島のワインのミネラルと多様なシンクロ

酢牡蠣を作ってみる。生食用の広島産牡蠣をきれいに洗い、お酢と醤油に麺つゆを少し混ぜた合わせダレに小一時間漬ける。その後、引き揚げてお酢をたっぷりかける。大根をすりおろし、一味唐辛子を混ぜてもみじおろしにしようと思ったが、あいにく切らしていて七味唐辛子で代用。このため色合いがやや地味だが、一味に比べてスパイスの多面的なフレーバー。

合わせたのは地中海の3つの島のワイン。サルデーニャ島、シチリア島、サントリーニ島のスパークリングワインと白ワイン。それぞれブドウ品種はヴェルメンティーノ、ジビッボ、アシルティコ。いずれも海の近くで栽培されるシーフード向け品種。いずれもミネラル感豊かなワインできっとどれかが酢牡蠣にハマるはずだと予想。

まずはサルデーニャ島のスパークリングワインから。

ピエロ・マンチーニ, ヴェルメンティーノ・ディ ・ガッルーラ, スプマンテ, 11.5%, 1,707円
PIERO MANCINI, VERMENTINO DI GALLURA DOCG, SPUMANTE

微かにグリーンがかった中庸の色調、翌日には泡はかなり穏やかに。
香りにはなんといっても艶やかでフレッシュな青リンゴ、リンゴ蜜、熟した洋梨。そこに混じる爽やかなハーブ、フラワリーなフレーバー。微かにワラのようなスパイシーなニュアンスにほんのり潮香。
味わいはみずみずしくジューシーな果実味は余韻に甲高さもあり、好意的な範囲で垢抜けなさも。塩味、ミネラル、ゆるゆるとほろ苦さあり海のワイン感たっぷり。中庸からやや穏やかな酸味。
(89/100)(12月10日)

酢牡蠣にワインを合わせる。お酢の酸味ともみじおろしに混ぜた七味の刺激に牡蠣の風味が目覚める。漲る磯の香り、ミルキーなコクにほろ苦さ。磯臭さをキレイにマスキングしつつもしっかりと磯の香りは広がる。ワインが入ると牡蠣の風味を穏やかに立ち上げ、泡、塩味と柑橘香が爽やかに牡蠣を包む。相性: ★★★★☆

続いてシチリア島に移動。ビオディナミを取り入れた生産を行う農業組合で、エチケットにはUNESCOの無形文化財に登録されているシチリアの伝統劇が描かれる。

ルナガイア, ジビッボ, マガンザ, シチリア, 2022, 13%, 約2,100円
Lunagaia, Maganza, Zibibbo, Sicilia

ほんの微かにグリーンがかった中庸から淡めの色調。
香りには爽やかにアプリコット、青リンゴ、白桃、ライチ、そこに強くハーブと潮香、ヨードの香りがたっぷり、フラワリーなニュアンスもありめくるめくフレーバー。
味わいには清々しく滑らかな果実味、塩味の効いたミネラルたっぷりの味わい、ほろ苦さがおおらかにじっくりと広がる。非常にクセが強くゆったりと一つずつ理解しながら飲みたい通向けのワイン。
(89.5/100)(12月3日)

酢牡蠣に。牡蠣の風味をたっぷりと立ち上げて包む。南国果実を伴いながらここまでハマるのは圧倒的なミネラルとヨード香。これらは七味のスパイスにも高いシンクロ率。相性: ★★★★☆

最後はサントリーニ島へ。

ドメーヌ・シガラス, ギリシャ, サントリーニ, アシルティコ, 2022, 14.5%, 4,326円
DOMAINE SIGALAS, SANTORINI Assyrtiko

微かにグリーンがかった淡い色調。
香りには爽やかに青リンゴ、白桃、グレープフルーツやレモンの柑橘香も、白い花のフラワリーなニュアンス、潮風の香り。
味わいにはハリのある果実味、鼻腔を柑橘果皮のほろ苦い香りが抜ける、塩味とミネラルたっぷり、ミネラルは硬質でほんのり舌が乾くよう。これぞ海のワイン。それでいてクリーンで洗練されている。
(90/100)(12月15日)

酢牡蠣に。ワインの硬質なミネラル、洗練されたクリーン、ピュアな果実味と潮香に牡蠣がスーッと吸着、同質化。継ぎ目のない驚異的なシンクロ。相性: ★★★★☆

サルデーニャ、シチリア、サントリーニと3つの島を自宅でワイントリップ。それぞれが酢牡蠣の異なる個性を引き立ててくれる。ミネラル漲るサルデーニャ、ミネラルを立ち上げはシチリア、ミネラルに同化するサントリーニ。うーん、それぞれに素晴らしいシンクロを魅せてくれ甲乙つけがたし!

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