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蟹のトマトクリームパスタにクミンの爽やかな香味 シチリア島のミネラル感豊かな赤ワイン

ふるさと納税で届いた蟹を使ってトマトクリームパスタに。
蟹は足と爪に分かれてパックされていて、部位ごとに料理に使い分けられる。

先日は足の部分を蟹スキにして芳醇なソアーヴェとのパーフェクトな相性を楽しんだ。

蟹のトマトクリームパスタは過去に神戸のレストランで、またセブンイレブンで買ったものにワインを合わせていた。特に相性が良かったのはフランス アルザスのリースリング。

渡り蟹のトマトクリームパスタ@神戸

金の蟹トマトクリームパスタ(セブンイレブン)

今回は妻がこれでもかと蟹の爪を贅沢に使って、風味豊かに料理を仕上げてくれた。上述のパスタよりも蟹爪がたっぷり。

冷凍庫の一角をしばらく陣取っていた爪が一掃され、満足げでもある。

合わせたのはオーストラリアのスパークリングワイン(シャルドネ品種主体)、フランス ローヌの白ワイン(マルサンヌ品種)に加え、イタリア シチリアの赤ワイン(地場品種ネレッロ・マスカレーゼ)。
蟹の爪は足の部分に比べて、挟むという筋肉を使うためか筋繊維が発達していて食感に弾力が強い。
また、殻に当たる部分に付いている赤色をしたフレーバーの強い部分が、足に比べるとその割合が少ない。
そのため、爪からは蟹の白い身の風味がパワフルに口内に広がる。そして爪痕のごとく、グリップ感のある風味が力強く余韻に残る。
これが風味ボリュームの強いトマトクリームとよくバランスした。
ワインに合わせるとローヌの白ワインとシチリアの赤ワインとの相性が特に素晴らしかった。
料理をした妻には失敬して、最後のひと口にクミンを少し振って味に変化を加えたところ、シチリアの赤ワインとの相性が最高潮に達した。

さて、料理とそれぞれのワインの相性について。


デ・ボルトリ, ラ ボエム キュヴェ ブラン, ヤラ・ヴァレー, オーストラリア, 2,586円
De Bortoli, La Boheme Cuvee Blanc, Yarra Valley, Australia

1924年にヴィットリオ・デ・ボルトリは北イタリアからオーストラリアに移住。それから100年。
コストパフォーマンスの高い魅力的なワインを世に送り出している。
オーストラリア出身のソプラノ歌手「ネリー・メルバ」をリスペクし、代表作である4幕からなるオペラ「ラ・ボエム」をイメージして造られたワイン。
シャルドネ93%、ピノ ノワール7%。
香りにはリンゴジャム、リンゴのコンポートの厚みのある果実香にカスタードクリーム、レモンカードのまったりとした香り、バニラ香も、微かに黄色い花、アカシアハチミツも。
味わいにはフレッシュさがややしっかりとしつつ心地よい複雑さと奥行き、シャープな酸味、ゆったりと中庸からやや長めの余韻、鼻腔を微かに柑橘果皮や植物的なタッチが抜けて爽やか。

蟹のトマトクリームパスタにワインを合わせる。
ワインのシャルドネ由来の柑橘風味と酸味が蟹の旨みを引き立て、黒ブドウのピノ・ノワールのグリップはトマトソースの風味にバランス。相性: ★★★☆☆


M.シャプティエ クローズ エルミタージュ ブラン レ メゾニエ ビオ 2019, 3,051円
M.Chapoutier, Crozes Hermitage, Blanc, Les Meysonniers BIO

ワインの撮影を失念したのでエチケット写真

M.シャプティエは、1808年に創業してから7代目ミシェル・シャプティエに至るまで一貫して家族経営。畑を守りテロワールを尊重。
ワイン名のレ・メゾニエは、この畑の最初のオーナーに由来。樹齢20~40年のマルサンヌを有機栽培。
香りには花梨、洋梨、リンゴジャム、黄色い花のフラワリーなフレーバー、軽快にバニラ香、様々な要素ありつつ香りのバランスが素晴らしい。
味わいにはピュアで透明感のある果実味、繊細さとほんの少しの緊張感。酸味は中庸で的確、ひとひらの蜜のように高貴で上品な果実味の甘さのあと、余韻に心地よいほろ苦さやミネラルのタッチ。開栓後、数日にわたり風味が発展していった。

蟹のトマトクリームパスタに。
ワインに用いられるマルサンヌ品種の魅力、力のある果実味やグリップ感は蟹の爪のパワフルな風味に調和。
ワインに精密なバランスで折り込まれている心地よい酸味はトマトの酸味に調和しつつ、クリームソースの余韻を爽やかにリフレッシュする。
爪に付いている量は少しだが、蟹の殻に近い赤色部分の複雑なフレーバーとワインが素晴らしい調和。相性: ★★★★☆


クズマーノ, アルタモーラ, エトナ ロッソ, シチリア, イタリア, 2019, 2,464円
Cusumano, Alta Mora, Etna Rosso DOC,

こちらもワイン写真の撮影を失念。。。

創業以前はバルクワインを生産していたが2000年に元詰めに参入。
その品質とコストパフォーマンスの高さでも人気。
このワインはヨーロッパ最大の活火山であるエトナ山の北斜面の畑で栽培されたブドウから造られる。海と山のミネラルの恵みを感じたい。
香りにはよく熟したプラム、快活なベリー果実香、バラやラベンダーの微かにハーブや潮の香り。微かにスモーキーなニュアンスも。
味わいには完熟、充実の風味ながら抜け方は軽快で上品さすら感じる抑制のきいた果実味。こぎみよいメリハリを与える酸味、ほのかに塩気。タンニンは穏やかで絶妙な抽出の塩梅。南イタリアの牧歌的なワインとは一線を画す、クリーンで正確な醸造によるフォーカスの合ったワイン。

蟹のトマトクリームパスタに。
トマトソースにワインのプラムや軽快なベリー果実味がぴたりと重なる。
ワインに含まれるスパイシーなヒントが、トマトクリームのまったりとした味わいに心地よいアクセント。
蟹の磯の香りを帯びたリッチなフレーバーに、ワインに含まれるほんのりとしたミネラルのニュアンスが同調。相性: ★★★★☆

最後のひと口にクミンを少々振ってパスタにスパイシーを追加。
クミンの甲高い香味をまとったトマトクリームソースに、ワインに含まれるスパイシーなノートが絶妙に繋がり無双状態に。
舞台が整ったところに、筋繊維の豊かな蟹の爪の強い風味に、ワインのミネラル感が重なり極上の余韻に。相性: ★★★★★

南イタリアのスパイシーなノートを持つ黒ブドウ品種を使ったワインに、クミンなどのスパイスの効いた料理をいろいろ合わせてみたい。スパイスとワインの相性も奥深い。

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