スーパーで半額の熟成赤イカとマダイで刺身宴 山梨の甲州ブドウの清らかな柑橘香
仕事あがりにスーパーの鮮魚コーナーで。夕飯を過ぎた時間帯で、鮮度が命のお刺身には半額シールが貼られていた。〆鯖は鮮度良いものがいいなとスキップ。赤イカはむしろ熟成されてまったりとした甘みが増幅されているのではないか。バリューアップしてプライスダウンの沖縄産の熟成赤イカ、迷わずゲット。お隣に愛媛県産八幡鯛。マダイは鮮度が勝負だよねとは思いつつ、半額だしフードロス回避に貢献とばかりに購入。
帰り道に鮮魚コーナーで思わぬ時間を費やしてしまったが、赤イカ169円、マダイ238円の戦果。
さて、自宅でお刺身をお皿に乗せる。パックに入っていたワサビを添えて。
赤イカのねっとりとした食感。賞味期限間近とあって、よい意味で熟成していてねっとり感とそこから溢れる甘みが増幅!ぶ厚い切り方がステキ。自然と口内滞在時間が長くなり、噛み締めていくと歯にこびりつく粘性、甘み。これはクセになりそう。
続いてマダイ。バネの強い筋繊維を噛んでいくとジンワリと広がる上品な脂と繊細な甘み。それでも芯のある力強い風味、そして微かに磯の香りを感じる。皮に近いところに血合いの鉄分系フレーバーがほんのり。
合わせたのは山梨の白ワイン(甲州品種)。スーパーで愛媛と沖縄で獲れたお魚をつまみに買い、自宅で冷えた山梨の白ワインに合わせる。これぞ幸せのひととき。お刺身二つで約400円、ワインはグラスに軽く一杯なら400円ほど、合計800円ほどで一日の疲れを癒す刺身宴。
さらに最近、鮎の塩焼とも素晴らしい相性をみせたハンガリーの湖のほとりの白ワイン(3品種のブレンド)も合わせてみた。
先ずは山梨県の白ワインから。
丸藤葡萄酒工業, ルバイヤート甲州シュールリー, 山梨県甲州市勝沼町, 2020, 12.5%, 2,420円
ワインについては先日のNoteに。
香りには和柑橘の繊細でハリのある果実香。瑞々しく軽快でフレッシュ、穏やかで染み込むような果実味。余韻にほろ苦さが軽快にドライなフィニッシュ。シュール・リー製法は発酵後の酵母などの澱を除去せず敢えてそのままにし、ワインに深みと同時にフレッシュさを与える手法。シュール・リーはフランス語で“澱の上”という意味。こちらから購入可能。
赤イカの刺身にワインを合わせる。イカのねっとりとした甘みにシュールリー製法のワインの旨み、フレッシュな柑橘香が絶妙な調和。五つ星か迷うほどの好相性。熟成イカに極上のペアリング!相性: ★★★★☆
マダイの刺身に。純白な身の部分には甲州の爽やかで涼やかな柑橘香が抜群に合うが、血合いを含んだ皮目にはどこか噛み合わない。賞味期限間近という鮮度も影響したか、余韻に若干の臭み。先日訪問した御徒町の吉池食堂の皮目の残し方ならクセが減り、相性はもう少しアップしそう。相性: ★★★☆☆
続いてハンガリーの白ワインに。
パーツァイ, アグネシュ, ハンガリー, バラトン, バダチョニ, 12.5%, 2,574円
Patzay, Agnes, Badacsony, Balaton, Hungary,
ワインについては先日のNoteに。
バラトン湖近くで、3種のブドウをブレンドして造られる(スルケバラート34%、ヴェルシュリースリング 42%、リースリング 24%)。
スルケバラートはピノ・グリの別名。ヴェルシュリースリングは、イタリア北部が原産とされ(現地での一般的な呼び方はリースリング・イタリコ)、ハンガリー(同オラスリズリング)、スロベニア(同ラシュキ・リースリング)、クロアチア(同グラシェヴィーナ)でも栽培される。
香りには花梨蜜や黄色い花、貝殻などの硬質なミネラルのニュアンス。キュッと詰まった酒質、やや酸化的ニュアンスを好意的に伴いまったりした印象。開栓から1週間ほどたつが、風味は発展を続けている。じっくり楽しみたいワイン。こちらより購入可能。
赤イカの刺身に。イカの甘みを包み込むワインの滋味深い果実味。アユの塩焼のみならずイカの刺身までも守備範囲内。ここまで懐広いとは!相性: ★★★★☆
マダイの刺身に。ワインの個性が血合にぶつかり余韻に若干の生臭みが立つ。イカとは相性良かったのだが、マダイは皮目の血合いの部分を削いで合わせたい。相性: ★★☆☆☆