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牡蠣のベーコン巻きとレモンパスタ 熟成ボルドーのほぐれた果実味が包み込む牡蠣のほろ苦
スーパーで生牡蠣を2パック購入、カキフィーバーの夕飯。以前読んだ本『ソムリエが出会った16の極上ペアリング』(石田博さん著)のなかで、ボルドー市内での夕食の際、世界一ソムリエの田﨑真也さんから、『生牡蠣とグリルソーセージを一緒に食べると、ボルドー赤ワインと合うから』と薦められたシーンが印象的。石田さんが半信半疑で食べると、衝撃的な素晴らしい相性で、牡蠣→ソーセージ→赤ワインがエンドレスに進んだと書かれている。
これは真似してみたい!と思っていたところ、冷蔵庫に賞味期限が少々過ぎてしまったベーコンが残っていたので、ソーセージをベーコンに代用してチャレンジ。牡蠣をさっと湯通し。それをベーコンで一つ一つ包んでいく。
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あとはフライパンで焼いて、、、
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仕上げに黒コショウを振って完成!
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合わせたのはもちろんボルドーの赤ワイン。しかも15年熟成のもの。それでいてこちらは3,000円ほどとお買い得!
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牡蠣のクリーミーな食感とほろ苦さにベーコンの脂と塩気が合わさり、味覚が多面的に刺激される素晴らしい一品!(我ながら上出来の料理)
余韻にボルドーの赤ワインを合わせると、熟成によりほどけた果実味が牡蠣のほろ苦さに絶妙な調和。ベーコンのスモーキーなフレーバーにもワインの熟成香の重なりがたまらない。まさに極上のペアリング!
さらにセラーに眠っていたレアなヨルダンワイン(カベルネソーヴィニョン品種、2015ヴィンテージ)に合わせてみたが、こちらは凝縮感が軽快で果実味がやや甲高い。そこが牡蠣のほろ苦さとの相性が良い。ヨルダンには多様な国際品種で個性的、神秘的で魅力のあるワインがあるが、残念ながら日本では流通していない。
もう一品。オリーブオイルで唐辛子とニンニクを炒め、牡蠣を投入。豪快にレモン汁をかけて、冷蔵庫に残っていたパスタに絡める。黒コショウを少々。
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こちらはイタリアの白ワイン(ソアーヴェ。ガルガーネガ品種)に。牡蠣の海の風味、レモンの酸味、ニンニク、唐辛子、コショウのスパイスに、ワインの統合された果実味、ほろ苦さやミネラル、酸味、塩気が口内で心地よいシンフォニー。
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さて、料理とそれぞれのワインの相性について詳しく。
シャトー・ペイラボン, オー・メドック, クリュ・ブルジョワ3,069円
Chateau Peyrabon, Haut-Medoc, Cru Bourgeois, 2008, 13.5%,
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1766年にギュイエンヌ地方を描いた地図にはすでにその名が記されるシャトー。19世紀の終わりにこのシャトーで開かれたコンサートには、当時のオーナーの友人でもあるヴィクトリア女王も訪問。1998年からはボルドーの大手ネゴシアン、ミレジマが所有。カべルネ ソーヴィニヨン 72% メルロー 24% プティ ヴェルド 4%。
香りにはカシスリキュール、プルーン。カカオ、チョコレート、鉛筆の芯にトースト香。野太いクラシックなボルドーお手本の香り。メントール、森の下草などニュアンスに富む。
味わいにはパワフルさを強く感じるが口当たりは滑らか。じっとりと舌に残るタンニン。塩味のニュアンスも。カベルネ優位で骨格が野太いワインがキレイな熟成の入り口に。
牡蠣のベーコン巻きにワインを合わせる。クリーミーな牡蠣、ベーコンの脂、塩気のコンビネーションに、熟成ボルドーの角の取れた果実味、ドライフルーツ、深みが調和。ベーコンのスモーキーなフレーバーにもワインの熟成香の重なりがたまらない。オリーブオイルで炒めたが、カベルネ優位のリッチなワインの風味にはバターだった。バターだったならきっと五つ星。相性: ★★★★☆
ハダ―ド・エステート・アンド¥ヴィンヤーズ, ジョーダン・リバー, カベルネ・ソーヴィニョン, 2015, 13.5%Haddad Estate & Vineyards, Jordan River, Reserve, Cabernet Sauvignon, Mafraq , Jordan, 2015, 13.5%
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国名にもなっているヨルダン川は、古代から周辺の砂漠地帯の重要な水源。そのヨルダン川がワイン名に。ヨルダンも他の中東の国々と同じく、ブドウ栽培とワイン醸造には長い歴史があり、ワイン造りは2000年以上前から行われていた。現在、ヨルダンでは2つのワイナリーのみでワインが生産されている(Jordan River、Saint Georgeの2ブランド)。生産量は年間約100万本、ほとんどが国内消費向け。
香りにはラズベリーなど赤い果実が黄色い花とともに華やかに。ドライフルーツも。漢方薬やシソエキスのツンとしていて深みのあるオリエンタルな香り。よく馴染んだ樽香。
味わいは力強さありながらもスムーズな口あたりの果実味、密度あり緻密な質感。タンニンは舌に渇きを覚えるように力強い、それでいて滋味や旨味が余韻に絡む。
牡蠣のベーコン巻きに。少し甲高く軽快な果実味が牡蠣のほろ苦さにちょうど良い。バターで炒めたらボルドー赤の方が相性良さそうだが、オリーブオイルで炒めた今回はこちらのワインの方が相性良い。果実味の甲高さがポイント。五つ星手前。相性: ★★★★☆
ジーニ, ソアーヴェ・クラシコDOC, イタリア, ヴェネト, 2021, 2,920円
Gini, Soave Classico DOC, Italy, 12%,
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1700年代からブドウ栽培農家としてガルガーネガ種を栽培してきた歴史ある造り手。最高のソアーヴェのひとつとして広く知られる。
香りは軽快で爽やかなグレープフルーツの柑橘香に花梨、ほのかに白い花。微かに潮の香りや干しワラやハーブのニュアンスも入りバランスよくきれいに纏まり上品。
味わいは瑞々しい果実味にキュッと舌を引き締める酸味、軽快でフレッシュ。果実味と他の要素の統合が素晴らしく上品、中盤から余韻に塩味のニュアンスや硬質でスーッと冷ややかなミネラルのほろ苦さもあり、ソアーヴェ・クラシコの魅力をギュッと上品に凝縮。
牡蠣のレモンパスタに。こんがりとした牡蠣のクリーミーな食感とほろ苦さ、レモンの酸味、ガーリック、唐辛子、黒コショウのスパイスに、ワインの統合された果実味、ミネラル、酸味、塩味がふわりと包む贅沢なシンフォニー。相性: ★★★★☆