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タコのマリネサラダ 地中海食材とワインの潮香の爽やかペアリング
先の週末、夕飯にたこ焼きを作ることになり材料の買い出しに。スーパーの鮮魚コーナーで見かけた茹でダコがあまりにもおいしそうで、たこ焼きに加えてマリネにして食べようと思い立つ。ちなみにモロッコ産。そのまま葉物を探しに野菜コーナーへ。最近、セロリが安いようだ。根元は1本で先が2、3本に枝分かれして葉がふさふさのもので130円ほど。茎の部分を乱切りにし、葉っぱは適当にむしってタコとオリーブの実を混ぜる。味付けはオリーブオイル、酢、レモン汁。
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オリーブの実はギリシャ産で、ハーブで味付けされたもの(種入りでサラダにはちょっと食べにくかった…)。マリネにハーブ香が加わる。
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タコのグリップのある食感。噛み進めていくと広がるその磯の香りと旨味。味付けのハーブやビネガーと絡み、鼻腔を抜けていくのはまさに地中海の風。合わせたのはチリのピノ・ノワール品種のスパークリング・ワイン、イタリア北部リグーリア州ヴェルメンティーノ品種、スペインの土着ビウラ品種主体のもの。計3種。海の風を感じる爽やかな前菜に、雰囲気的にはロゼ・スパークリングワインが完璧。
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実際の食べ合わせはリグーリア州のワインがブラボー。ビネガー、ハーブ、レモンをまとったタコが、ワインの潮の香りが加わることで更に活力を増した。地中海に面するギリシャ、モロッコの食材とイタリアのワインの爽やかな共演。
以前、スタンダード(村名級)のシャブリに同じくタコとセロリのマリネを合わせたが、これはワインの酸味やミネラル感と料理との繋がりが印象的。
さて、タコのマリネサラダとそれぞれのワインの相性について。たこ焼きは次回に。
ルナエ, エチケッタ ネーラ, コッリ・ディ・ルーニ, ヴェルメンティーノ, イタリア, 3,729円
LVNAE, Etichetta Nera, Colli di Luni Vermentino
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トスカーナ州とリグーリア州の境にワイナリーと畑をもつ。コッリ・ディ・ルーニは両州にまたがる産地の呼称。ワイナリー名のルナエの由来はラテン語の「Lunae(月)」。古代ローマ時代、ワイナリーの土地の近くに「Luna(イタリア語で月)」という名の町があり、高品質なワインを造っていたことにあやかった。
ブドウは9月半ばに手摘みで収穫。24-36時間コールドマセラシオンした後にプレス。
ステンレスタンクで定温下(15-17℃)で発酵。
香りにはフレッシュなグレープフルーツ、レモン、ライムの活力のある柑橘香が溢れる。軽快で繊細にハーブと潮の香りが絡みワインをエレガントの極みに。
味わいには瑞々しくのびやかな果実味。シャープでメリハリの効いた酸味、余韻にはグリップ感のあるほろ苦さが残り様々な表情がエレガントに。
タコのマリネサラダにワインを合わせる。ワインの潮の香り、快活な柑橘にタコの風味が活力を増す。セロリはワインのハーブ香にぴったりと吸着。相性: ★★★★☆
コノ・スル, スパークリング・ワイン, ロゼ, チリ, ビオ・ビオ・ヴァレー, 825円
Cono Sur, Sparkling Wine, Rose, Bio-Bio Valley, Chile
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Cono Sur とは「南向きの円錐」という意味。その地理的な場所を表すとともに、世界最南端の地で表現豊かで革新的なワインを造るという気概の表れ。1993年設立。
ピノ・ノワール100%で造られるワイン。オレンジが強く入ったサーモンピンク。持続的な泡立ち。
香りには快活なチェリー香。ビスケットや食パンの香ばしさやイースト香はどこか上級のロゼ・シャンパンを思わせる。が、余韻の奥に少々甲高い植物的なニュアンスあり。
味わいは瑞々しく伸びやか、快活でチャーミングな果実味。的確にワインを引き締める酸味。余韻にはビターネスとこうばしさが続き充実のフィニッシュ。若干抽出が多い印象だが素晴らしいコスパ。
タコのマリネサラダに。タコ、セロリ、ハーブの余韻が織りなす地中海の風に、ロゼ・スパークリングは雰囲気の相性絶妙ながら、タコの磯の香りとの繋がりには今一つか。相性: ★★★☆☆
タコのマリネサラダにパプリカパウダーを振って合わせてみる。料理にスパイス感が加わり、ボリューム、グリップ感が増す。これによりロゼ・スパークリングワインの風味のボリューム感との釣り合いが良くなる。相性: ★★★★☆
カンピーリョ, ブランコ・フェルメンタード・エン バリーカ, 2019, スペイ, リオハ DOCa, 1,936円
Campillo, Blanco Fermentado En Barrica, Rioja, Spain
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ワイナリーはバスク州アラバ県に位置するリオハ・アラベサ地区に。100%個人オーナーの企業としてはスペイン最大手のひとつ、ファウスティーノグループが所有。ビウラ75%、シャルドネ25%。
香りにはリンゴのコンポートやジャムの厚みのある果実香。樽由来のココナッツ、バニラ香豊か。焼いたコーン、酵母のブリオッシュ。柑橘果皮やセルフィーユの軽快なハーブ香。
味わいは果実味の熟度高くパワフルながら瑞々しく、ミネラルや潮も感じられニュアンスに富む。第一印象から余韻まで力強い飲みごたえ。持続力ある余韻、充実のフィニッシュ。
タコのマリネサラダに。ワインの充実のリッチな果実味が、セロリの爽やかさに乗ったタコの旨味をしっかり包容。ただ、せっかくのワインのイースト香や樽のふくよかな香りの繋がり場所がなく、それはもったいないか。相性: ★★★☆☆