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アジ連撃(南蛮漬け&フライ) 山梨の清々しい甲州ワインとハンガリーの滋味深い湖ワイン

吉池食堂で極上のアジフライを食べてから、アジが頭を離れない。

日を置かずして、近所のスーパーでアジの南蛮漬け(323円)、アジフライ(215円)を購入。

アジフライはスタンダードなものが120円くらいで売られていたが、その隣に並んでいた“脂ののった特大あじフライ”というネーミングのジャンボサイズのものを購入。吉池食堂のアジフライを食べた直後でもありジャンボと脂、熱烈歓迎。

スーパーのお惣菜なのでさすがに吉池レベルとはいかないが期待通り、いや期待超え。脂が豊かで、余韻にはまるでチーズのようなまったりとしたニュアンスが残る。アジにこんな表情あったっけ。アジは大ぶりのものほど脂が豊かなのだろうか。ネット情報では大きいと大味とあったり、大きいほど脂が乗っているとあったり、アジの種類にもよるとあったり・・・。なかなか奥深い。

フライの前の前菜としてアジの南蛮漬け。タマネギ、ニンジン、水菜のシャキシャキとした食感。揚がったアジはたっぷりとお酢を吸い込んでいる。お酢の酸味、タマネギの香味が効いていて、それらをくぐって味覚に強く訴えるのは、アジのなかの強い風味の要素。繊細な要素を楽しむお刺身も良いが、これはこれで楽しい。

アジの南蛮漬けとアジフライに合わせたワインは、山梨県の白ワイン(甲州品種)とハンガリーの白ワイン(地場品種などの3種ブレンド)。

丸藤葡萄酒工業, ルバイヤート甲州シュールリー, 山梨県甲州市勝沼町, 2020, 12.5%, 2,420円

ワインについては先日のNoteに。こちらから購入可能。
香りには和柑橘の繊細でハリのある果実香。瑞々しく軽快でフレッシュ、穏やかで染み込むような果実味。余韻にほろ苦さが軽快にドライなフィニッシュ。

アジの南蛮漬けにワインを合わせる。清らかな甲州の風味はきっと良い相性と期待するが、思いのほかアジの生臭みがたってしまう。揚がってギュッと詰まったアジの風味。お酢の強めの酸味にも負けない風味の広がり。繊細な甲州の魅力は、穏やかな風味の要素たちを際立たせてくれるが、ビネガーの関門を通り抜けてやってくる料理の中の強い風味要素にはチューニングしづらいか。お刺身に合わせたい。相性: ★★☆☆☆

アジフライに。カリッと揚がった衣の香ばしさとアジのリッチな脂が閉じ込められた魅力の塊に、甲州の和柑橘のほろ苦い香りと酸っぱい香りが調和。期待通り。相性: ★★★☆☆
マヨネーズを付けてみると、マヨのクリーミーでリッチな風味、コクにはどこかワインのリズムが合いづらい。相性: ★★★☆☆
ブルーチーズソースを付けてみると、チーズの持つ発酵の香りに、ワインの持つどこか醸造香のようなニュアンスが意外な形で繋がる。相性アップ。相性: ★★★★☆

左がブルーチーズソース

パーツァイ, アグネシュ, ハンガリー, バラトン, バダチョニ, 12.5%, 2,574円
Patzay, Agnes, Badacsony, Balaton, Hungary,

ワインについては先日のNoteに。こちらより購入可能。
バラトン湖近くで、3種のブドウをブレンドして造られる(スルケバラート34%、ヴェルシュリースリング 42%、リースリング 24%)。
スルケバラートはピノ・グリの別名。1300年頃にフランス ブルゴーニュ地方からハンガリーに伝来。
ヴェルシュリースリングは、イタリア北部が原産とされる(現地での一般的な呼び方はリースリング・イタリコ)。ハンガリー(同オラスリズリング)、スロベニア(同ラシュキ・リースリング)、クロアチア(同グラシェヴィーナ)でも栽培される。

香りには花梨蜜や黄色い花、貝殻などの硬質なミネラルのニュアンス。キュッと詰まった酒質、やや酸化的ニュアンスを好意的に伴いまったりした印象。開栓から1週間ほどたつが、風味は発展を続けている。じっくり楽しみたいワイン。

アジの南蛮漬けに。ワインの含むシュナンブラン的な、蜜のニュアンスを含むジューシーな果実味が酢漬けの味わいにちょうど良い。また自然派の造りか、ほのかに好意的な酸化的ニュアンス、シェリー的ニュアンスもあり、料理の酸味の強さとワインの酸味、滋味、コクが素晴らしい調和。相性: ★★★☆☆

アジフライに。ワインのリッチな果実味と酸化的なニュアンスを伴うボリュームが、アジの脂に調和。ワインの滋味は魚の磯の香りをも包み込む懐の広さ。相性: ★★★★☆
続いてマヨネーズを付けて。マヨのどぎついアタックに、ワインの滋味が重なりづらいか。相性: ★★★☆☆
さらにブルーチーズソースを試すが。こちらも平凡で、ソース無しの相性が良かった。相性: ★★★☆☆

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