鯖バーガーいぶりがっこマヨソース サルディーニャの島ワインの潮香
近所のスーパーでとろさば照り焼き(ノルウェー産、二切れ386円)、秋田の郷土料理いぶりがっこ、イングリッシュマフィン(Pasco)を購入。これで鯖バーガーを作る。
残り物のキャベツを千切りにして台座に、そのうえにサバの照り焼き、イブリガッコのみじん切りをマヨネーズに和えて載せる。あれば大葉を適宜。食パンでもバンズでも良いが、こじゃれたイングリッシュマフィンで挟んでみた。これに豪快にかぶりついて白ワインをキメる。
照り焼きダレのしょうゆとみりんで引き立つとろさばのリッチでジューシーな脂に、いぶりがっこのスモーキーな香りと酸味、マヨネーズのクリーミーな食感が色彩を重ねる。キャベツのシャキシャキの食感楽しく、大葉の香りが鼻腔を抜けて爽やかにまとめる。ほぼ挟むだけだが我ながらなかなかの出来栄えと思っていると、妻からもお店で出せるよ、とお褒めの言葉。鯖バーガー&島ワイン専門レストラン。老後に週末のランチタイム限定、湘南あたりでオープンしてみようか、などと妄想w。
合わせたのはイタリアのサルディーニャ島のヴェルメンティーノ品種(白ワイン)、スペインのメンシア品種(赤ワイン)。潮香るヴェルメンティーノは魚に自信をもって合わせられる、私のセラーに常備のワイン。メンシア品種は過去にブリ大根、鮭の塩焼、ハリッさばとも相性良く、きっとサバの照り焼きにも相性良いはずと期待。
実食の結果、サルディーニャ島のワインが鯖バーガーと極上の相性。いぶりがっこのスモーキーな香りと酸味が鯖のジューシーな脂とマヨネーズに濃密に絡む。いぶりがっこはもともと、大根を囲炉裏に吊るして燻製乾燥させて作られるらしい。漬物にスモーキーな香り、味覚に楽しく新鮮な刺激。これらが渾然一体となって島のワインに包まれる。
さて、鯖バーガーとそれぞれのワインの相性について。
パーラ, ソプラソーレ, ヴェルメンティーノ, イタリア, サルディーニャ, 2021, 13.5%, 2,376円
Pala, Soprasole, Vermentino di Sardegna DOC
1950年創業。1990年に全てのブドウ樹をサルデーニャの地ブドウ品種に植え替え。このワインには標高150~180mに位置する畑から、樹齢平均35年のブドウを使用。ステンレスタンク発酵。
香りにはフレッシュな青リンゴ、グレープフルーツに微かにライチと白桃、セルフィーユのハーブ香やフラワー香。海岸の潮風や貝殻の香り。フレッシュで軽快ながら個性が凝縮。
味わいには瑞々しくもグリップのある果実味が伸びやか。こぎみよい酸味と塩味、中盤からほろ苦さ。余韻はフレッシュで爽やかながらヴェルメンティーノ品種の楽しみが凝縮。
鯖バーガーにワインを合わせる。鯖のジューシーな脂とマヨネーズのクリーミーでリッチな風味に、ワインの潮の香りと甲高い柑橘の果実味が心地よく引き締める。いぶりがっことワインは酸味、発酵の香りの共通の要素をもち、意外なほど調和する部分が多い。相性: ★★★★☆
ボデガス・イ・ビニュドス・ゴデリア, スペイン, カスティーリャ・イ・レオン州, ビエルソ, 2020, 14%, 1,782円
Bodegas y Vinedos Godelia, Viernes, Bierzo, Spain
山あいのビエルソで地葡萄のゴデーリョ品種、メンシア品種からワインを造る。ビエルソのメンシアはブルゴーニュのピノ・ノワールに例えられることもあるエレガントな味わい。
香りにはカシスリキュール、ブルーベリージャムの濃密な果実香。シソエキスも。アルコールと塩気で鼻が乾くよう。植物、ハーブの心地よい引き締め。よく馴染んだ樽香、
風味には力強くも明るい酸味を伴う甲高く陽気な果実味。しっとり舌に残るタンニンは持続的。ファーストアタックが強いが、奥行きや複雑さにはやや欠けるか。それでも驚異的なコストパフォーマンス。
まずはとろサバの照り焼きをそのまま合わせてみた。甘辛の照り焼きダレとの相性が良いが、ワインに反応して微かに生臭み立つか。過去に合わせたメンシア品種のワインに比べると凝縮感が軽めで果実味の甲高いトーンが、サバの脂への繋がりを不安定に。相性: ★★★☆☆
続いて鯖バーガーに。いぶりがっこ、マヨネーズの仲介でサバ単体で食べるよりも重なりよくなるが、いまひとつ高め合いに欠ける。ワインにもう少し力強さがあれば相性良くなりそう。相性: ★★★☆☆