ブリのハーブオイルマリネ ボルドーの樽熟成白ワインのまったり
未利用魚を活用したフィシュルのお魚ミールパック。生食用と加熱用があり、最近届いたブリのハーブオイルマリネは生食用。
流水で10分ほど解凍しお皿に載せるだけで、ちょっと嬉しくなる酒のアテが完成。
絵面が寂しいかなと思ったので、ハーブ入りオリーブを周囲に飾ってみる。洋風居酒屋のこじゃれたアペタイザーになった。
合わせた白ワインは、ワインにハーブ香が含まれるソーヴィニョン・ブラン品種のものを2種類。ボルドーのもの(ソーヴィニョン・ブラン主体、セミヨン品種ブレンド)と長野県塩尻のもの。いずれも期待通り、料理とワインのハーブ香が調和してくれたが、さらにブリの力強い脂にまで繋がりが広がったのはボルドーのもの。樽熟成によるワインの奥行き、そしてワインのどこかクリーミーなタッチが、ブリのワイルドな脂をしっかりと飼い馴らしてくれた。
塩尻のベリービーズワイナリーはエチケットが素敵。ブリのハーブマリネとの相性ではボルドー白ワインの方が良かったものの、素敵なエチケットをこの記事のトップ写真としました。
さて、ブリのハーブオイルマリネとそれぞれのワインの相性について。
シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン, ブラン, フランス, ボルドー, 2018, 14%, 5,170円
Château Larrivet Haut-Brion, Pessac-Leognan, 2018, 14%
ボルドー地方のグラーヴ地域のなか、ぺサック・レオニャン地区の中心部に位置するシャトー。シャトーの歴史は14世紀まで遡る。1996年からは著名な醸造家ミシェル・ロラン氏をコンサルタントに起用。ソーヴィニヨン・ブラン75%、セミヨン25%。
香りにはピンクグレープフルーツ、オレンジの快活且つ熟度高い果実香。グリーンペッパー、レモングラスのハーブ香。よく溶け込んだ樽香、若さも残り熟成ポテンシャル高そう。
風味には力強い果実味、引き締まる酸味。鼻腔を抜けるリッチな樽香とヴェジェタルな芳香がバランス良い。噛めるような緻密で重量感ある質感。余韻はクリーミーでまったり。
ブリのハーブオイルマリネにワインを合わせる。入り口から料理とワインのハーブ香どうしが重なり合う。セミヨン品種の個性と樽の香りによるワインのまったり感、クリーミーな質感は香草が絡むオリーブオイルとの調和が素晴らしい。ブリの力強い脂、磯の香りにも負けない、むしろやや圧倒するワインの果実味の力強さと樽香をまとった奥行きが好ましい。相性: ★★★★☆
ベリービーズワイナリー, Zephyr, Sauvignon Blanc, 長野県塩尻市(ブドウは安曇野産), 2020, 12%, 2,420円
日本のおへそ(belly)に位置する塩尻から、輝くビーズの輪のように、ぶどうやワインを介して人をつなげていきたい、との思いが込められたベリービーズワイナリー。2018年創業。エチケットがスタイリッシュでおしゃれ。品種ごとにイラストを使い分ける。実際のお味も素晴らしいクオリティのソーヴィニョン・ブラン。
香りにはカボス、スダチ、ライム。柑橘の果皮。穏やかで繊細、微かに白桃や梨。セルフィーユ系の明瞭なハーブ香。フレッシュでピュア、コンパクトに涼やかに品種個性を凝縮。
風味はみずみずしい口当たり、明瞭な酸味、前半からビターネスが広がり一貫してドライでフレッシュ。前菜の葉物系のサラダメニューにぴったりのスターターワイン。
ブリのハーブオイルマリネに。ハーブとの繋がりは絶妙。ブリの脂とややワイルドな磯の香りには歯が立たない。ブリのハーブ。ワインの爽やかなハーブが料理のハーブに調和するも、ブリの磯の香りや脂への同調が期待未満か。相性: ★★★☆☆