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#建築 まとめマガジン

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note上の建築系記事をまとめていきます。 #建築 をつけて投稿しよう!
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#日記

NYの(新しい)ホイットニー美術館

建築家にとっての「花形」なるビルディングタイプがあったとすれば、それが「美術館」であったことは間違いない。20世紀の巨匠にしても、現在活躍するスター建築家にしても、やはり大体みんな美術館を手がけている。大学の建築学科でも、「ミュージアム」といえば定番の課題だし、私の通っていたところも例にもれず、【3年次の第一設計課題はミュージアム!】と、それこそ何十年も相場が決まっていた。要は、建築家にとって美術館を手掛けることはスターの条件みたいなものだったし、美術品を所有・展示する側とし

シカゴにミースの建築を見に行く (クラウンホール)

私の通っていた大学にはいくつかのキャンパスがあって、建築学科の属する理工学部は、にぎやかな文系学部からは隔離されたところにあった。構造体むき出しの校舎はなぜかギラギラと銀色に塗装されていて、同じようなプランの建物がグリッドに沿って何棟も並んでいた。 贅肉ひとつ認めません、と言わんばかりの質実剛健な佇まいは個人的には好きだったのだけれども、あまりに他と雰囲気が違うので、学生たちは揶揄の気持ちを存分に込めて、このキャンパスのことを「〇〇〇大学 理工学部」とは呼ばず、「△△△工科

建築目線からシカゴのApple Storeを見に行く

これが正しいことなのか、いささか自信がないのだけれど、設計者の端くれとして建築を見に行くとき、どうしても建物によって2通りの見方を使い分けてしまう。 ひとつは分かりやすくて、歴史的評価の定まった「名作」を見に行くとき。この時は、我ながらそれなりに純粋で謙虚な気持ちで見学していると思う。時代の到達点に感心し、卓越した空間や造形に息を飲む。本当に凄い建物のときは、気が済むまで佇んだりする。 もうひとつは、所謂「新作・話題作」を見に行くとき。このパターンになると、一転して大体い

LINEスタンプ制作記

ワイがスタンプをつくりはじめてから、早数週間。 ついにスタンプ申請ができたで。 記念に制作過程を備忘録としてあげるで。 みんな、参考ならへんけど、みてなぁ。 目次 1、イラストを自由に描いてみる、スタディやで 2、プロポーションの検討 3、シチュエーション別の系統にわける 4、清書やで 5、クリエイターズマーケットへ申請 ✴︎✴︎✴︎✴︎ 1、イラストを自由に描いてみる、スタディやでLINEスタンプは静止画1セット、8個から手軽に選べて販売できんで。 ワイの場合

ワイがレッドオーシャンのLINEスタンプを作成するわけ!!

ワイはペリカン建築家やけどスタンプつくることにしたで。 一般的にスタンプをつくる理由は大きく3つに大別されると思うで。 ①クリエイターとして名をはせたい(名誉) ②企業の広告としての側面(広告) ③お金を稼ぐ(金銭) ワイの場合は、どれにも該当しないで!! せっかくやから、説明していくで。 ✴︎✴︎✴︎✴︎ ①クリエイターとして名をはせたい(名誉) ワイは建築家を応援するペリカン建築家やから、クリエイターじゃないで。そもそもワイは建築家を応援することが使命やから

駄目さも愛せるように

とにかく人前に出ることが苦手だった。 授業中、先生にあてられて、みんなの前で発言をすることも、ままならないで赤面してしまう少年時代。 バスケットボール部では練習中は上手なのでレギュラーになるものの、試合では失敗したくないので、パスがきてもすぐに返してしまう壁のような選手の中学時代。 そんな僕が変われたきっかけは、なぜ緊張するのか?について考えてみた事によって、僕の人生は大きく方向転換をすることになったのでした。 まずは緊張の理由を見つけるために、自分自身を観察したところ、緊

コシツのコシツー5号室の場合

こんにちは、「北大路ハウス」での日々の暮らしやイベント企画のようすをお届けする「住人エッセイ」です。 毎回テーマを決めて、6人の住人+管理人の計7人が交代で執筆していきます。 今回のテーマも前回に引き続き個室についてです! 【コシツのコシツ】北大路ハウスの個室は3畳程度の狭さで、形もそれぞれ異なっている。建築学生たちはこのクセの強い個室にどんなこだわり(=固執)を閉じ込めるのか?(個室についてもっと知りたい方はこちら) 【登場人物】 5号室 ひとみ(B3):人見文弥

完成の行方はいかに

建築の特集から、住まいの特集へ。 雑誌を客観的に見ていると、以前は建築を取り上げる記事が多かったものが、最近では住まい手も含めた、住まいの記事になっていることがわかる。 それは観る側との距離感の問題もあるし、よりスタイルに寄った個性に焦点が向けられているようにも見える。 あの建築はいまどうなっているのだろうか? そんな思いをPENさんが叶えてくれた。 僕たちが設計した住宅の竣工後、数年を経過したものを取材して頂いた! 僕は建築に完成はないと思っている。 建築は住まい手と共に

そもそも学校とはなんなのか?

本を読むことが嫌いな僕が、学校をつくるためなら本を、自ら能動的に読んだ。 やりたいからやる!とても簡単な事だけど、世の中はやらなければならないで埋め尽くされている。 だとしたら、なおさらやらなければならないを、やりたくてやる!に、変えていくだけでどんなに毎日が楽しくなるだろう。 それは、わがままなわけではなく、心持ちの問題であって、行きたくない打合せだって、打合せという旅に出るんだ!と、自分に言い聞かせれば、旅のトラブルほど人生における宝物になる確立が髙いのだから、少なからず

沢マン絵本制作レポートを始めます。

こんにちは。学芸出版社編集部の岩切です。 突然ですが現在、高知県にある沢田マンションの絵本『(仮)手づくりマンション』をつくろうという企画を進めています。 屋上まで続く迷路のようなスロープ車路、スケルトンのエレベーター、クレーンが吊られた現在進行形の増築(もとい改修)基地としての屋上工場、一つとして同じ間取りがない住戸。まるで“絵本から飛び出したような”建築・沢田マンションは、形態のインパクトだけでなく、すべては沢田夫婦が手作りでつくりあげた驚異の巨大DIY建築です。

触れられる、紙の未来を考える

6月1日(金)、バタバタと仕事や用事を片付け、夕方で混み始めた地下鉄に乗って表参道に。 表参道駅の、何度行っても慣れない改札と出口を時計を気にして小走りになりながら向かったのは、今日からはじまったtakeo paper show 2018「precision」。 特殊紙と呼ばれる、色や意匠、手触り風合い豊かな”ファインペーパー”を販売する紙屋さん・竹尾さんが開催する紙の展示会が今日から3日間開催されているのです。 (同じく紙屋さんの平和紙業さんでは”ファンシーペーパー”

そして「白」問題/白い壁紙の選び方

壁紙を選ぶことが多く、「色」好きな私ですが、いつもカラフルな壁紙ばかりを選んでいるわけでもありません。 「白い」壁紙を選ぶこと。 これも実はとても奥深い!「白」問題。みなさんの考える「白い壁紙」ってどんなですか?どんな「白具合」でしょうか?それぞれに思い描く「白」色って、実は結構違うんですよね。一見同じように見えていても、微妙にベースの色が違っていて、大きくは「ベージュ系ベースの白色」と「グレー系ベースの白色」。 全体の色味のバランスの中で方向性が決まることもあれば、ク

「深さ」について

建築家・青木淳氏による都営交通考察の第二回が公開されていた. 今回は大江戸線「六本木」駅,その「深さ」について考察している.場所によってはビルの10階分に相当する42.3mの深さを下りることになる「六本木」駅は地下深いことで有名な大江戸線の中でも特に深い駅だそうだ.その「深さ」を感じさせないために六本木駅ではシークエンスのデザインに技巧が凝らされている,とのことだが,詳細については是非記事の方を読まれるといいだろう. さて,「深さ」についてだが,東京を歩いていると,自然と