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「深さ」について

建築家・青木淳氏による都営交通考察の第二回が公開されていた.

今回は大江戸線「六本木」駅,その「深さ」について考察している.場所によってはビルの10階分に相当する42.3mの深さを下りることになる「六本木」駅は地下深いことで有名な大江戸線の中でも特に深い駅だそうだ.その「深さ」を感じさせないために六本木駅ではシークエンスのデザインに技巧が凝らされている,とのことだが,詳細については是非記事の方を読まれるといいだろう.


さて,「深さ」についてだが,東京を歩いていると,自然と視線は見上げる方に働く(お上りさんだからじゃないですよ).そこは「地上」でありながら,人のいる空間はもっと上に上に存在している.そんなあり様は割と地下にいる時の感覚と変わらないのではないだろうか.

東京は巨大な地下都市である

と考えると,個別の建物であったはずのビル群がある統一的な意思によって生まれてきたものの様に見えてくる.そして,そこで起きる上下運動はもっとドラマチックに捉えていいものだと思えてくる.

「踊り場」というスペースがある.明治時代になって現れたこの空間はまさしく踊りを踊る場所として生まれたからこの名になったとか.今では安全防止策のひとつとしてしか捉えられていないこの「踊り場」を今一度移動や滞留を楽しむ場所として捉え直せば,この巨大な地下都市である東京の「深さ」をより楽しむことができるであろう.東京で一番高い建物を地上と考えるなら東京は「深さ」700m以上にも及ぶ巨大な地下都市なのだ.

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