ポジティブ心理学の歴史とこれから
「幸福とは何か?」
この普遍的な問いに科学的な答えを求める学問、それがポジティブ心理学です。
ここでは、ポジティブ心理学がどのように生まれ、発展してきたのか、その歴史を振り返ります。
1.誕生の背景:従来の心理学への批判
20世紀前半、心理学の主流は、精神疾患や問題行動の治療に焦点を当てていました。フロイトや行動主義心理学の研究は「何が人を苦しめるのか」を探るもので、ポジティブな側面にはあまり目を向けていませんでした。
しかし、人間には問題を乗り越え、幸福を追求する力があります。その可能性を研究しようという声が少しずつ高まりました。
2.ポジティブ心理学の誕生:1998年
ポジティブ心理学という分野が正式に始まったのは、1998年。アメリカ心理学会(APA)の会長だったマーティン・セリグマンが、「心理学は人間の欠陥だけでなく、強みや可能性を探求すべきだ」と提唱したのがきっかけです。
セリグマンは、「幸福」や「レジリエンス(回復力)」「感謝」など、ポジティブな経験や性質を科学的に研究する必要性を訴えました。
3.初期の発展:研究の基盤構築
ポジティブ心理学は、人間の幸福感や満足感を定量的に測定するための枠組みを築きました。この分野の基礎となる概念やモデルが次々に登場しました。
フロー理論(ミハイ・チクセントミハイ)
楽しさや集中力が最高潮に達した「フロー状態」を研究。仕事や趣味での幸福感に重要な要素です。
PERMAモデル(セリグマン)
幸福を5つの要素(ポジティブ感情、没頭、良好な人間関係、意義、達成)に分け、それぞれが幸福感にどう貢献するかを示しました。
4.現在の発展:応用と拡張
ポジティブ心理学は、教育、職場、医療など多くの分野で応用されています。例えば:
教育分野:レジリエンスを高めるプログラム(例:Penn Resiliency Program)
医療分野:「感謝を数えるワーク」や「3つのいいこと」など(詳細は後日改めて解説します)
ビジネス分野:コーチングやフロー状態を誘発できるような職場デザインなど(詳細は後日以下略)
5.未来への展望
ポジティブ心理学は、幸福や人間の強みに関する知見を科学的に広げながら、「私たちはどうすればよりよく生きられるか」という根本的な問いに挑み続けています。
私たちの日常の中にある「小さな幸せ」を科学の力で照らし出し、だれもがより良い人生を歩めるよう貢献する。そんな研究ができるよう僕も日々頑張っていきます!
あなたの幸せを科学するポジティブ心理学の世界に、一緒に踏み出してみませんか?
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では、また次の記事でお会いしましょう!