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複業(副業)から広がる、人生の可能性 第2回=個人編(後編・とりまく環境変化)

皆様、いつもご覧頂きまして、ありがとうございます。一般社団法人REIONEの河西です。

さて、前回は「キャリアの拡張」というテーマで、個人として活躍する為の第一歩をどう踏み出していくか、について書かせて頂きました。

今日は、続編として、個人が活動を始めるにあたって、とりまく”環境面”の最近の変化について述べていきたいと思います。

”個”の働き方を大局で捉える

まず、環境という観点において、大局を捉えたいと思います。個としての働き方として「フリーランス・個人事業主」という労働形態が存在します。ランサーズ フリーランス実態調査(2020年度)によりますと、現在、フリーランスとして1034万人の方が活躍されているそうです。日本の労働力人口が、約6600万人であったとすると、ざっと6人に1人が ”個人” としても活動しているという事が分かります。

この約1000万人というフリーランス人口は、ここ数年、横ばいではあるものの、50歳以上のフリーランサーが減少し、50歳以下のフリーランサーが増加しており、フリーランス人口の約1000万人の内訳には変化がみられているとされています。フリーランスには、エンジニアやクリエイター、コンサルタントだけでなく、個人商店なども含まれます。

そして気になる「副業」については、そのうち409万人を占めており、半数に迫る勢いです。働き方改革により、副業解禁の流れが更に加速する事を考えると、新たな働き方としてなお一層、存在感を増すのではないかと考えられます。


「個で働く」という選択

先日、エンジニアの採用支援をされている人材会社の役員の方とお話しする機会があり、新たな潮流について伺う事が出来ました。その中で驚いたのは次の一言でした。

「最近、エンジニア志望の大学生が、就職活動をせず最初のキャリアをフリーランスとして踏み出すケースが増えてきた。」

私たち2000年代に大学生活を送っていた頃は、多くの学生が3年生になりますと「就職活動」を行い、企業に就職する選択が一般的でした。当時の私はアントレプレナーシップの欠片もなく、就職が出来なかったら、社会から烙印を押されてしまうのではないかという、焦燥感さえありました。

しかし、昨今では、「何のために働くのか?」という本質と真剣に向き合う学生さんがいらっしゃるのだなと、認識致しました。加えて、そのような方々が思い描く、一歩目を踏み出しやすい環境にもなってきたという背景もあるように思います。前出の人材会社の役員の方はよく、このような相談を受けるそうです。

「企業に就職すると、昇進などの為に注意を払って働く事になりそうで、自身のスキルアップに直結しない事に、時間を割かなくてはいけないのではないか?」

なるほど…と唸りたくなるフレーズです。特に「昇進の為に」という部分には非常に深いインサイトを感じます。少し前であれば「昇進」は、人生の安定、更にはそれ以上の価値をもたらす象徴的なイベントであったと思います。しかし、現在、企業はその価値を約束できなくなってきたという現実を、”個”が理解してきたという構図になってきている事を示唆しています。「昇進」に限らず、「報酬」という手段で企業と個人と繋がってきた関係性に、新しい風がふいている事実は間違いないと言えるでしょう。

そしてもう一つは「DX」の潮流も、実は企業だけでなく個人での活動の幅を広げているように感じます。

私自身も、個人として営業、バックオフィスにSaaSのサービスを活用し、深い知識、大きな労力・時間を割かなくても、日々、事業が進められています。開業時の書類作成もパソコン1台で完結が出来るほど、様々な恩恵を社会から受ける事が出来ています。DXというと、企業の効率化に目が向きがちですが、その恩恵は個人に対しても広まっていると感じています。


企業と従業員の関係性の変化はさらに進むのでは?

ここまで、個人が活動しやすくなると、企業が「従業員との関係」を従前の価値観に則って維持しようとした場合には、ひずみが出ると思います。

現在、REIONEが共催で関わらせて頂いているWork Switch Labの、ラボ長を務められている成瀬岳人さんも、企業の視点で自社の従業員の副業をどのように捉えるべきかを、こちらの記事で書かれておられます。

このトレンドの変化を企業は早々に認めるべきだと、私は考えます。なぜならば、従来の日本企業と従業員の「御恩と奉公」の関係に、崩壊の予兆があると考えるからです。

「御恩と奉公」の考え方は、日本の鎌倉時代以降に発生した、主従関係において、主と従の双方が利益を互恵的に生み出す概念でした。しかし、昨今のこのトレンドは「個人」に様々な選択肢を与えました。言い換えれば、企業は選ばれる時代になったわけです。鎌倉時代においても、もし幕府が無数に存在したのであれば、家来も自分にとって過ごしやすい主のいる場所を求めたに違いないでしょう。

そのような環境下において従業員と「より良い付き合い方」を模索していく為に、企業側が価値観をアップデートしていく必要もあると思います。これは、成瀬さんの記事で「攻めの視点」と書かれたものです。

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以前、ある上場企業の社長をご退任された大先輩の経営者の方に、このような質問をしたことがあります。「上場企業の経営者は、社員個々の能力の何%ずつを集めて経営をしておられますか?」と。

その際に頂いた回答はは次のようなものでした。

「残念ながら100%に満たないと思います。日本の経営者で、ここを100%だと答えられる人は少ないのではないでしょうか?」

というものでした。当然ながら組織である以上、完璧な人員配置というものは実現しえないのかもしれません。また社員の能力そのものを100%把握するという事が難しいのも理解できます。一方で、この副業時代の 「攻めの視点」を取り入れ、社外で得た知見、磨いて持ち帰ったスキルを企業が歓迎し、それらを借りて経営が出来れば、日本企業はこの100%の壁を、初めて超える事が出来るのではないでしょうか?

私たちREIONEは皆様の会社の精鋭部隊に、今、まさに社外で素晴らしいパワーを発揮していただいています。是非この取り組みや成果を、所属先企業の方にも目に留めて頂き、ポジティブな好循環を生み出していきたい!と決意を新たにする今日、この頃です。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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