いまD2C/DNVBが発信しているメッセージとは。Bellroyのキャンペーン「あなたのヒーローを推薦しよう」
おはようございます。今日も良い天気ですね!在宅が続いたり、明るいニュースよりも悲しいニュースが多かったり、緊張感と隣合わせの最近(緊急事態なので仕方がないのですが)、私のもっぱらの逃避行はInstagram。星野源さんの「うちで踊ろう」動画や美しい景色や動物、著名人、アーティストなどの投稿に癒やされています。
そんななか、ふと目に止まったのがオーストラリアのD2Cブランド「Bellroy」のこちらの投稿。これ何の投稿だと思いますか?
実はこれ、ブランドに関する投稿ではなく、自宅待機の人々に音楽を届けるために、はしご付消防車の上でトランペットを吹く消防士の動画です。このコロナ禍において、勇気や笑顔を与えてくれたヒーローを紹介するキャンペーンの一環の投稿です。
Bellroyとは「ふとした瞬間を快適に」を掲げるオーストラリア発のD2Cブランド
BellroyとはオーストラリアのD2Cブランド。ミニマルでシンプルなデザインでミレニアル世代のライフスタイルや労働環境にフィットする、機能性が高く、ストレスフリーな商品が多いブランドです。薄型お財布はYouTubeでレビュー動画がアップされていたりするので、ご存知の方も多いかもしれません。
↑お財布やカードケースの種類が豊富。Instagramの投稿も素敵。
また、Bellroyは商品の質だけでなく、環境負荷の低減など事業が社会におけるインパクトを重要視しています。
責任ある事業
良いことに貢献する事業を
Bellroy の存在により、世界がより良くなることを願っています。責任ある事業は、それが達成できると確信しています。Bellroy は環境、社会に配慮した事業活動を行うB Corp の一員であることに誇りを持っています。事業力を活かして環境や社会の問題を解決することを認められた企業団体です。
- Bellroyサイトから引用
私もBellroyが掲げる理念とブランドストーリーに惹かれたファンの一人。下の写真の左側のリュックは転職の記念に購入しました(写真だと汚れているけど)。ラップトップケースも持っていて、どちらもお気に入り。ガジェットポーチなど「これが欲しかったんだよね」という機能性と、主張しすぎないけど「それどこの?」と聞かれるデザイン性を兼ね備えた商品ばかり。ユニセックスなデザインもツボです。ぜひ見てみてください!
Bellroy「Everyday Heroes -あなたのヒーローを推薦しよう-」
はい、では冒頭の本題に話を戻します。冒頭で紹介した消防士の動画は Everyday Heroes - あなたのヒーローを推薦しよう - (CELEBRATING EVERYDAY HEROES)というキャンペーンのもの。
Instagramでもこのように複数画像でメッセージを発信しています。
企画概要
1.ここ最近で勇気ある行動をしてくれた人やあなたを守ってくれた人、笑顔をくれた人はいましたか?
2.その人を推薦
3.推薦の中から30日間毎日紹介、推薦者と推薦された人にBellroyの商品をプレゼント
視野が狭くなりがちな今、本当に大切なことに目を向けさせてくれるキャンペーン
このキャンペーンで興味深いなと思ったのが、キャンペーンページやInstagramの投稿のどこにも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への言及が一切ないことです。「人生をより良いものにしてくれる小さな喜びを祝おう、この困難な時を乗り切るために支えてくれている人たちがいるんだ、人に感謝の気持ちを伝えよう」というメッセージがメインです。もしかして、このキャンペーンは前々から企画していたものなのかもしれないですが、キャンペーン告知日は4/3と最近なので、恐らくブランドしてもコロナ禍を意識して企画したのではないでしょうか。現にBellroyがピックアップしたヒーローたちは、近隣住人に拍手される医療従事者や、ガラスドア越しに生徒に授業する先生と思われる男性などです。では仮にもし自分がキャンペーンの担当者だったら、どんな内容にしていただろうか、そんなことが思い浮かびました。直球な発想だと「コロナ禍で頑張っている医療従事者やXXXXを応援しよう」と事象・対象について言及し、焦点を絞ってしまうのではないでしょうか。なぜBellroyは「コロナ」という言葉を一切使わなかったのか。私なりの解釈ですが、Bellroyがこのキャンペーンで一番伝えたかったことは、混沌とした状況のなか大切なものは何か、それは他者に目を向け感謝し、気持ちを伝えること。そのために敢えて余計な情報を盛り込まなかったのではないでしょうか。
DNVBらしい商品のプロモーション
キャンペーン以外の投稿で目に留まったのがこれ。日本で言う”Zoom飲み”のようなリモートでディナーを楽しむイラストの中に、一つだけ自社の商品(手前の実写のスマホケース)を掲載して紹介したりと、商売っ気が強くなく、かつデジタルネイティブに向けた情報発信が上手な印象でした。
このBellroyのキャンペーンをきっかけに、他のD2C/DNVBがコロナ禍でどんなメッセージを発信しているのかが気になり調べてみたので、それはまた明日noteに書きたいと思います。
調べたブランド
Bellroy、Glossier、 Allbirds、Cuyana、Warby Parker、Everlane