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創作意欲が高いと、読書量が増える。
ーー忙しない日々を過ごしていますが、最近は隙間時間を見つけて本も読んでいるんです。ということで、今日はここ最近読んだ本を簡単に紹介します。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「創作意欲が高いと、読書量も増える。」というテーマで話していこうと思います。
🏨創作意欲と読書量
僕は今、泊まれる謎解き『花火の幽霊~木の家ゲストハウスからの脱出~』というイベントを運営しています。僕の職場の木の家ゲストハウスという宿泊施設を舞台に、謎解きと物語を体験できるコンテンツをつくっているんです。
物語のあらすじはこんな感じです。
――ひとりで花火をしていると現れるらしいよ。
「初めまして、花火の幽霊です」
木の家ゲストハウスで開催された謎解きサークルの合宿中、突然現れたのは、姿のない、声だけの幽霊。
彼女には、生前、どうしても叶えたい夢があった。
メンバーのひとりである「あなた」は、木の家ゲストハウスに仕掛けられた謎を解いて、花火の幽霊の未練を解くことができるのか?
夏の夜に恋と謎が弾ける、青春ラブミステリー。
詳しくは以下の記事をご覧ください。絶賛参加者募集中です!
「作家」と名乗っておきながら、最近までがっつり創作と向き合うことをしていませんでした。大学3年生の頃に『Message』という本を出したんですが、あの頃以来、丁寧に物語をつくることがありませんでした。
noteの記事は毎日書いてきたし、それを作家の活動のひとつとして捉えていたけれど、作家やってますと全力で胸を張ることはできずにいました。ただ、最近の僕はちゃんと作家をやっています(笑)
ゲストハウスのマネージャーとしての仕事の時間以外は基本的に『花火の幽霊』と向き合っています。シナリオを磨き上げたり、イベントの発信をしたりしているんです。
これだけ創作と向き合っていると、煮詰まったときに刺激が欲しくなるんですよね。インプットをかねて、他のコンテンツに手を伸ばしがちなんです。
したがって、忙しない日々を過ごしていますが、最近は隙間時間を見つけて本も読んでいるんです。ということで、今日はここ最近読んだ本を簡単に紹介します。
🏨最近読んだ本たち
①『卒業のための犯罪プラン』(浅瀬明)
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お金のように使える「ポイント」のシステムを有する大学が舞台の話。「ポイント」があれば、単位を買うことだってできます。どうしてもあと半年で大学を卒業しなければならない事情ができた主人公が、不正に「ポイント」を稼ぐ者たちを摘発する「監査ゼミ」に入るところから物語が始まります。
設定もユニークで、テンポも良く、文体も読みやすい。コンゲームを素直に楽しめたけれど、正直、ビジネス要素が強すぎて期待を超えるものはありませんでした。僕好みの「えもさ」みたいなものがあまり感じられなかったからかな。これに関してはまさに好みの話なので、人によっては特別気にならないと思います。
②『いまを生きる』(N・H・クラインバウム)
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群馬県高崎にある本屋「REVEL BOOKS」で購入した1冊。この本屋の看板に使われているイラストのモデルが、この『いまを生きる』のイラストだったんです。それがポップに書かれてあったので、思わず購入しました。
アメリカ版の『君たちはどう生きるか』とも称される青春小説。英語教師ジョン・キーティングの教えを受け、生徒たちがそれぞれの「今」をみつめ、本当に大切なことを学んでいきます。
個人的にはラストシーンが印象深く、胸にじんとくるものがありました。僕はどちらかといえば分かりやすく感動できる方が好きなんだけれど、涙も笑顔もつくらず、心だけを確かに動かしてくるラストシーンには惹かれました。
※高崎にいったときの記事↓↓↓
③『地雷グリコ』(青崎有吾)
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僕の好きな作家さんのひとり、青崎有吾さんの最新作。この本の存在を知ったときから絶対に読みたいと思っていた短編集です。案の定、めちゃくちゃ面白い本でした。
表題作の「地雷グリコ」は、みんな知っているあの「グリコ」というゲームにオリジナルのルールを反映させたもの。ゴールへと続く階段の段のなかからお互いに3つずつ選び、そこを「地雷」の段とするんです。ふたりあわせて、「地雷」の段は6つあることになります。
相手の「地雷」を踏んだら自分は10段下がらないといけないんです。このルールが使いされるだけで究極の頭脳戦になるんです。「地雷グリコ」に限った話ではありませんが、最後は爽快です。
ちなみに、僕がいちばん好きだったのは「自由律じゃんけん」でした。
④『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』(下村敦史)
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今朝読み終えたのが、この本です。これも、存在を知ってから絶対に読みたいと思っていた1冊でした。ビブリオバトル向きの本だと思ったからです。
僕は高校生のときからビブリオバトルの公式戦に出場してきて、これまでに全国大会の舞台に3度立ったことがありました。5分間で魅力的な本を紹介するためには、そもそもビブリオバトルに向いている魅力的な本を選ぶ必要があります。
この『全員犯人、だけど被疑者、しかも探偵』は完全にビブリオバトル向きだと思いました。タイトルの時点で、もう勝ちです(笑)
もし今年僕がビブリオバトルの大会に出場するなら、絶対にこの本を相棒にするってくらい可能性を秘めている本です。
中身も普通に面白かったです。
とある事件の関係者たちが廃墟に集められ、デスゲームが展開されるんですが、ゲームマスターから「犯人だけは命を救ってやる」といわれるんです。そこからはもうカオス。関係者たちがしきりに自白合戦を始めるんです。
「俺が犯人だ! なぜならば……」
「いいえ、それはおかしい。なぜならば……」
誰かが自白しては、誰かがそれを論破して、論破した人が自白しては、また他の誰かが論破して……を繰り返していくんです。今までにない設定だし、最後にはどんでん返しが待っているし、申し分ありません。
『地雷グリコ』もビブリオ向きだとは思うけれど、『全員被害者~』には及ばない気がします(笑) 是非、みなさんも読んでみてください。
明日からは『花火の幽霊』の演劇部分の稽古が始まります。より良いコンテンツに仕上げられるように尽力していきます。
もしご都合つく方は、答え合わせをしにイベントに参加してほしいな。必ず驚かせる、必ず心を動かしにいける。木の家ゲストハウスで待っています。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20240904 横山黎