マガジンのカバー画像

ゲッター中心ダイナミック関連

28
漫画版中心にゲッターロボの資料とか感想まとめ。 ダイナミック作品についてもこっちに。
運営しているクリエイター

記事一覧

巷での石川賢作品イメージに対する私見

石川賢作品、何故か漫画を読んでいるという人間でも私からすればどうしたらそう読めるのかレベルで意味のわからない解釈をぶちあげたり変な広め方が散見される。
なんだかなあとなってしまうのが正直なところで、この数年モヤモヤと溜め込んできたがいい加減黙ってるのも限界だし、私見ながらよく聞くものでこれは誤解じゃないかとか齟齬が生まれがちだと思うってものを自分の心の整理のために軽くまとめておく。

セックスドラ

もっとみる
漫画版「ゲッターロボサーガ」+「ゲッターロボアーク」年表

漫画版「ゲッターロボサーガ」+「ゲッターロボアーク」年表

実は漫画版「ゲッターロボサーガ」と「アーク」は年代に関しては相当整合性が取れている。
のだが、どうもやはり派生作品(主にアニメ版アーク)のせいでその辺ぐちゃぐちゃになってると勘違いされがちな様子(解説資料としてはまだマシな「ゲッターロボ全書」の漫画版年表すら意図的にそうしているのかかなりふわふわ)のため、本編から根拠を提示しつつ整理する。

この記事はこの辺をまとめる予定である。
長くなるから結果

もっとみる
グレンダイザーの血筋の話~マジンガーシリーズの養子となったゲッターロボの子

グレンダイザーの血筋の話~マジンガーシリーズの養子となったゲッターロボの子


そもそものはじまり~「ゲッターロボ」さて、ことの始まりは1974年、ということにしておこう。
この年、ダイナミックプロは「デビルマン」「マジンガーZ」に引き続き、東映と共に企画を立て、テレビまんがの放映と漫画連載を平行して行った。
「マジンガーZ」の続編、「グレートマジンガー」と平行して製作、放映されたその作品「ゲッターロボ」。
マジンガーシリーズとは異なるスタッフにより製作されたこのロボットア

もっとみる

ここが変だよ川越ゲッター(とダイナミックプロ未監修派生作品群)~論理筋ツッコミまとめメモ


一行まとめ長くなるんで結論から言うんだけど、多分そもそも川越ゲッターやダイナミックプロ未監修派生作品群は客観的、科学的な論理筋や整合性ぶん投げてる。

「社会進化論(というか、進化を進歩と捉える誤解釈=ダーウィン以前の進化論。自種族こそが進歩的存在である→選民思想や優生思想、植民地支配や人種主義の根拠ともされた。現在では科学ではないとされているイデオロギー)」と「同調性」をベースに『超存在に選ば

もっとみる
ダイナミック漫画作品読む上で誤解してた言葉とか知識メモ~協調性と同調性の違い、ダーウィンの進化論など誤解の多い基礎知識編

ダイナミック漫画作品読む上で誤解してた言葉とか知識メモ~協調性と同調性の違い、ダーウィンの進化論など誤解の多い基礎知識編


ずっと根っこにありそうな知識理性とは

ここにおける「人間に関する古典的定義」も非常に重要。
明確になったのはデビルマンからだが、基本的に永井先生や石川先生の作品はこれを基本的な部分に置いていると思われる。

根本的な取り違えや勘違いが起きやすい言葉個人主義

❌自己の利益の追求、自分さえ良ければいい=利己主義、自己中心性、エゴイズム(個人主義のうちに包括されるものではあるらしいが、これはダイナ

もっとみる

「原作改変」に伴うダイナミックプロ作品と石川賢作品に関する誤解について


石川先生は原作クラッシャーなのか?「漫画が原作である」という誤解と、原作から大幅な変更がない石川作品について

根本的な話なのですが、まず
「ゲッターロボ」や「バトルホーク」、「アステカイザー」などのダイナミック企画が東映やテレビ局と企画を起こし、テレビ放映と同時に連載されていた作品については「漫画が原作ではありません」。

ダイナミック企画と東映やテレビ局などの関係者で、共に作り上げた「企画書

もっとみる
トキワ荘にスーパーロボットを見に行った日記~デビルマン×マジンガーZ展(マジンガーZ編)

トキワ荘にスーパーロボットを見に行った日記~デビルマン×マジンガーZ展(マジンガーZ編)

デビルマン展の日記書いたのでメモ的に残しておこうかと。前回の日記はこちら↓

7月27日(木)であった。
長らく続いたこの展示も30日には終わってしまうということで、デビルマン行ったしマジンガーZも読んでいたことだし折角だから見に行こうと私は再びトキワ荘に足を運んだ。
前回と違い良く晴れた日であった。正直めっちゃ暑かった。仮面ライダーブラックRXの人工太陽より世界が暑くなるとか聞いてない。恐竜帝国

もっとみる
トキワ荘に地獄の扉を開けに行った日記~デビルマン×マジンガーZ展(デビルマン編)

トキワ荘に地獄の扉を開けに行った日記~デビルマン×マジンガーZ展(デビルマン編)

5月19日(金)、ド平日の朝10時。片道一時間半ほどかけて大江戸線落合南長崎駅についたのはそんな時間だった。しかも雨が降っていた。

石川漫画ゲッターからデビルマンを履修してダイナミック作品まで手を伸ばした私がこの展示の話を聞いたのはひと月ほど前。
「なにそれ、私も地獄の扉開けたい!!(真っ先に死ぬ)」
と、まったく大人げないワクワク感でもって友人を誘ってこの日を迎えたのであった。

「トキワ荘」

もっとみる

「新ゲッターロボとは「ゲッター」に抗う話である」へのお返事

新ゲッターロボはアンチゲッターロボであること、せめて全然違う話なのをきちんと記載してくださいとコメントしたところ(こちらとしては嘘ばかり並び立てる界隈に呆れての行動でした。あれが一番原作に近いなど真っ赤な嘘を並び立てるのをまずやめてほしかったのです)このような熱意ある記事を長々書いていただいたようですが、お返事が長くなりますのでこちらに見解を書かせていただきます。

なにからつっこめばいいのかなぁ

もっとみる
漫画版「ゲッターロボサーガ」の核心考察~もうひとつの「デビルマン」

漫画版「ゲッターロボサーガ」の核心考察~もうひとつの「デビルマン」


【東映版と共通する部分について】「最初から理性のない世界」ガクエン退屈男
「途中から理性が失われてしまった世界」デビルマン
「最後まで理性のある世界」ゲッターロボ

企画(少なくとも決定稿)段階からこういった区分であったために、「ゲッターロボ」は一種の「反転デビルマン」の要素を持ったという仮説で話を進める。

漫画版「デビルマン」については「激マン! デビルマン編」などで、その根底のイメージにあ

もっとみる
ダイナミック作品における「リョウ(竜馬)の法則」と「ゲッターロボの血脈」

ダイナミック作品における「リョウ(竜馬)の法則」と「ゲッターロボの血脈」


【最初の違和感の裏付け】ゲッターの企画は73年末、大急ぎで膨らませたものだとは各所のインタビューから読み取れる。漫画版デビルマンの連載が終了、単行本が発売されたのは同年であった。
漫画版デビルマンは後年追加エピソードや続編も描かれていったが、私が読んだ限りの最初の本編(電子書籍版)だけであれば、最後までの内容を踏まえて冒頭を説明するなら
「飛鳥了(リョウ)が無自覚に友を愛していたがために、同じ地

もっとみる
漫画版「ゲッターロボサーガ」考察~「理性」の結晶たる「真の愛」の物語

漫画版「ゲッターロボサーガ」考察~「理性」の結晶たる「真の愛」の物語


【はじめに~ありがちな誤解と真に描きたかった対象】「ゲッターロボ」というと「ゲッター線」に注目されがちであるが、実の所「ゲッター線」は東映版はおろか漫画版においてすらも大きくなってしまった「舞台装置」にすぎない。

最初から設定として存在したものの、クローズアップされるのは漫画版では號も終盤以降となることに顕著で、最初から重要視されていた訳では全くない。
東映版においても一話から「恐竜帝国は当然

もっとみる
隠された東映版「ゲッターロボ」の話筋考察~早すぎた「少年愛」の萌芽

隠された東映版「ゲッターロボ」の話筋考察~早すぎた「少年愛」の萌芽


【東映版「ゲッターロボ」表の話筋簡易まとめ】「ゲッターロボ」の基本、核は「三つの心」である。
「後のないシビアな戦場で、共に死ぬことをも覚悟した三人の若者たちが、ひとつの変形合体ロボットで戦う」事を軸に、侵略への抵抗という「戦争」の中での人間ドラマや、自立した女性たるミチルをも含めての性差にとらわれない個性の描写、その反発と協和などを一貫して描き、正しい意味での「個人主義」=自分と他者を尊重する

もっとみる
「真!!ゲッターロボ 地球最後の日(チェンゲ)」考察用メモ

「真!!ゲッターロボ 地球最後の日(チェンゲ)」考察用メモ


【チェンゲ考察のための前提条件】チェンゲの考察と解読のためには、まず「ゲッターロボ」の構成成分を理解する必要がある。
今川監督は原作クラッシャーとして有名だが、実は今川監督がその作品にいれた要素というのは「その作品に関係があるもの」で概ね統一されている。
少なくともGガンダムとマジンガーはそうであった。そして、ゲッターロボもそうであろう。
石川作品の基本傾向としても、作品内でオマージュされている

もっとみる