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僕が"ゲームクリエイター"になった瞬間。


僕が天職だと感じた瞬間は、僕が"クリエイター"になった瞬間だ。


前提として、僕は自己紹介記事でも書いている通り、ゲーム会社で企画職として勤務しているサラリーマンクリエイターだ。会社に入って1年目の冬、僕は"ゲームクリエイター"になったと嚙み締められる出来事があった。今回は、その話をする。

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新卒1年目の冬。僕にある一つの仕事が任された。詳しくは言えないが、ゲーム序盤の最も見せ場のシーンの仕事だ。まだまだゲームクリエイターとは口が裂けても言えない。まだ半人前のゲームクリエイターだった僕にとって、その仕事はタフな仕事だった。

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方針確認。アウトプット物のすり合わせ。様々なセクションとの折衝。わからないことを質問しに行く日々。世界観の勉強。資料作成ととにかく、任されたそのシーンだけは絶対に期日中に納品し、何としてもユーザーに楽しいと思ってもらえるシーンにする。その意気込みだけが強くあった。

だが、ディレクター(ゲーム業界ではディレクターが監督としてすべてのクリエイティブの品質を担保する)から幾度となくくるFBや叱責の嵐。

「本気で仕事してる?」

「この仕事なめてる?」

「頭使った?」

楽しいことより、悔しいことが多かった。そんな1年目の冬だった。

が、今ではディレクターに感謝している。誰か一人でも甘えたアウトプットを出してしまったら、その甘えはゲームをプレイするユーザーに分かってしまう。ゲームは総合芸術だからこそ、各シーンの出来は高い水準に保たないといけない。どこかだけ低クオリティ、もしくはバグがある。そんな愚行をユーザーは許してはくれない。2022年の夏にリリースされた『鋼の錬金術師 モバイル』でも、技中にエドワードエルリックの顔がとれるバグが発見されると、すぐにネタゲーとしてTwitterに拡散され、笑いものになった。

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だから、新卒だろうと、作品を作るということに妥協することは許されない。そんな作品作りの基本のキを教えてくださったディレクターには、感謝をしている。

結果的に7度のFBを受け、僕の担当シーンは納品となり、ゲームはリリースされた。

ここで、僕が天職だと感じた瞬間。僕が”ゲームクリエイター”になった瞬間がやってくる。


いつも通り僕が次の企画の仕事をしていると、僕の名前を大きな声で呼ぶ人がいた。ディレクターである。

「ちょっといいか!」

何のことだろうか。また何かやらかしたのか、と気が気じゃない状態で、ディレクターの席の近くに寄った。

「なんでしょう?」

「ああ、この前のゲーム、レビューみたか?」

「いえ、見ていません」

「ユーザーが良かったってさ、お前の作ったシーン」

「えっ」

ディレクターが僕にパソコンの画面を向けてきた。そこには、この前リリースしたゲームのレビューがバーッと書かれたスプレッドシートが表示されていた。その中に、

≪〇〇のシーンの、世界観がよく表現されていた≫

≪世界観が良くできたシーンで、遊んでいて楽しかった≫

僕が担当したシーンに関する好意的な声が沢山見られたのだ。僕はユーザーが求めるものを提供できた。ユーザーがそれによって満足してくれた。楽しんでくれた。それは僕にとって、この上ない喜びだった。

「これからもがんばれよ」

「はい」

ディレクターに激励されても、飄々とした態度は崩さなかったが、内心では飛び上がるほどうれしかった。席に戻る途中、小さくガッツポーズをした。

あの瞬間。ユーザーの求めるものを提供でき、ユーザーが僕が作ったもので楽しんでくれたと分かったあの瞬間。

僕は本当の意味で、"ゲームクリエイター"になったのである。


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