47都道府県を巡る文学の旅:各県を舞台にした小説を紹介!【関東地方編】
こんにちは!
「noteの本屋さん」を目指している、おすすめの本を紹介しまくる人です!
前回の記事から、47都道府県それぞれを舞台にした小説を、それぞれひとつに厳選して紹介しています。昨日は北海道・東北地方編だったので、今日は関東編です!
見逃した方はこちらから。
前回同様、ここに挙げた作品以外にも多くの素晴らしい小説があること、そして「それってその都道府県じゃなくね?」みたいな本があるかもしれませんが、そこは多めに見てください!
ではいきましょう!
茨城県
恩田陸『夜のピクニック』
全校生徒が24時間かけて80kmを歩く高校の伝統行事「歩行祭」が舞台になっている小説。この小説、実は彼の母校である茨城県の水戸第一高校の「歩く会」がモデルになっています。
普段本を読む方は、たぶん全員読んでしまっているとは思いますが、もしまだ読んでいなかったら今すぐ買って読みましょう。必読です。青春というか、夜が好きな思春期というか、子どもに読ませたい本のひとつですね。
栃木県
宮部みゆき『火車』
栃木県の小説は、宮部みゆきの『火車』が有名です。宇都宮市銀杏坂町という架空の町を舞台に、あらゆるローン地獄が引き起こす戦慄のサスペンスが繰り広げられます。
幸福になろうとして多重債務に陥り、文字通り「火車」となった人間の戦慄や失踪劇を、妖怪の「火車」(かしゃ)になぞらえて展開する骨太のミステリーに仕上がっています。
群馬県
横山秀夫『クライマーズ・ハイ』
こちらの小説、群馬県の架空の地方新聞社を舞台になっています。登山サークルに加入している記者が、日航ジャンボ123便が墜落し、世界最大規模の航空事故が地元群馬で起っている事態に遭遇する物語。ちなみに記者は本当に日航機墜落のときの新聞記者でした。
ちなみに「クライマーズ・ハイ」とは、登山者の興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態のこと。
埼玉県
歌野晶午『世界の終わり、あるいは始まり』
埼玉県入間市に住む会社員が主人公となる小説。出てくる人物はみな埼玉県に住んで東京に仕事にいくという、まさに抜け殻のような埼玉県をうまく描いています。自殺とヤクザの県と言われる埼玉県をよく表現している物語。ちなみに、このほかにも埼玉県を題材とする小説もいくつかあるけれど、基本的に自殺かヤクザの物語です。それだけ問題が根深い県。住んじゃいけない。
千葉県
ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』
知る人ぞ知るカナダ人作家による小説。壮大なSF小説なのに、なんと舞台は千葉市。第一部が千葉市憂愁(チバ・シティ・ブルーズ)というもので、まじで面白いです。
サイバネティクステクノロジーとメガネットワークが地球を覆い尽くし、巨大企業が経済を牛耳る近未来を描いています。もう半分現実になっているのも恐ろしいところ。こちらの小説も必読です。
東京都
福井晴敏『平成関東大震災』
この東京を舞台にする小説を選ぶのに一日以上かかりました。熟考の末、東京を舞台にしていて、この記事を読んでいる人にもっとも有益な小説はこれではないか、という結論に至りました。
サブタイトルが「いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった」という秀逸なものであるとおり、東京で大地震(大震災)が発生したという設定の物語。
こういう天災系の小説は完成度がいまいちというか、あんまり満足しないことが多いのですが、この小説に関しては、著名な作者が書いており、しっかりとした読み応えあり。本当に起きてしまったとき、どうしたらいいか、今から必ずシミュレーションしなければなりません。
神奈川県
角田光代『紙の月』
やはり神奈川といえば角田光代の紙の月でしょう。日本と韓国でドラマ化されたので、知っている人も多いと思いますが、私は小説のほうをおすすめします。
結婚して主婦になって、銀行で営業のパートをしてた普通の主婦が、年下の大学生と過ごすうちに顧客の預金に手を染めていき、一億円の横領にまで発展する物語。
これを読むと、どんな人もいつ犯罪に走ってもおかしくないと思うし、恐ろしいと感じるでしょう。犯罪の予防接種として全人類がよむべき本です。
まとめ
前回も言及しましたが、ここで紹介した小説は、各都道府県の文学的な魅力を垣間見るための一つの入口に過ぎません。
各都道府県には、その土地の歴史や風土、人々の暮らしを鮮やかに映し出す小説が数多く眠っています。
ぜひ、この機会にあなたの興味を引く地域の作品を手に取り、新たな文学の世界へと足を踏み入れてみてください。
地元の書店や図書館を訪れるのも良いでしょうし、電子書籍リーダーを活用して気軽に読書を楽しむのもおすすめです。
小説を読むことで、まだ見ぬ土地の風景を思い描き、そこに生きる人々の心に寄り添い、そして自分自身の内面を見つめ直すことができると思います。
それは、日常を離れ、新たな発見と感動に満ちた、忘れられない旅となるはずです。
あなただけの文学の旅を始めましょう!
ページをめくるたびに広がる豊かな世界が、あなたを待っています。
追記
全都道府県完成しました!こちらのリンクから。
北海道・東北地方編、関東地方編、中部地方編、近畿地方編、中国・四国地方編、九州・沖縄地方編
【編集後記】
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