チェスのレシピ

「折々のチェスのレシピ」を書き継いでいます。それまでの「チェスのレシピ」や「新・チェスのレシピ」を大体読んだよという人向けになります。chess.comでスコア1300点〜1500点で恒常的に指したい人やそれ以上を目指す人に。

チェスのレシピ

「折々のチェスのレシピ」を書き継いでいます。それまでの「チェスのレシピ」や「新・チェスのレシピ」を大体読んだよという人向けになります。chess.comでスコア1300点〜1500点で恒常的に指したい人やそれ以上を目指す人に。

マガジン

  • 少しだけ高度な知識をあなたに(折々のチェスのレシピ)

    chess.comで1500以上のスコアを目指すのであればどうしても知っておきたい知識やテクニックを紹介。

  • 折々のチェスのレシピ

    「チェスのレシピ」と「新・チェスのレシピ」でご紹介したレベルの知識がある人向けになりますが、必ずしも飛び抜けて高度な内容ではなく、日々のチェスライフにおいて役立つ手筋や知識を折に触れご紹介しています。とはいいながら、chess.comで1500点以上のスコアを目指す人にも有益であろう内容になっています。時折は復習もあったりします。

  • ダニッシュ・ギャンビット(折々のチェスのレシピ)

    かなりマイナーな序盤定跡であるダニッシュ・ギャンビットの分析を通じて定跡全般の評価の仕方や採用の可否などを検討します。マイナー定跡はあまり使われないだけの理由があると同時に、対応を知らないプレイヤーも多く、使い方次第では勝てる定跡にもなり得ます。

ストア

  • 商品の画像

    「oh comely Issue 14」

    feb/mar 2013, London 女性向けカルチャー誌(ファッション、フード、レシピ、カルチャー、アート、音楽など) 約27 x 21センチ 128ページ 少イタミ薄ヤケ
    2,800円
    古書つくし
  • 商品の画像

    「SICKY Magazine」Issue 2, Fall・Winter 2014/15

    約29.5 x 23センチ(大判厚冊のファッションアート誌) 268ページ 英文 少イタミ表紙に値ラベル
    12,800円
    古書つくし
  • 商品の画像

    「oh comely Issue 14」

    feb/mar 2013, London 女性向けカルチャー誌(ファッション、フード、レシピ、カルチャー、アート、音楽など) 約27 x 21センチ 128ページ 少イタミ薄ヤケ
    2,800円
    古書つくし
  • 商品の画像

    「SICKY Magazine」Issue 2, Fall・Winter 2014/15

    約29.5 x 23センチ(大判厚冊のファッションアート誌) 268ページ 英文 少イタミ表紙に値ラベル
    12,800円
    古書つくし
  • 商品の画像

    「I Love You」magazine Issue No.04 SUPERWOMAN

    Spring/Summer 2010 約33.5 x 24センチ 99ページ 英文 少スレシミイタミ表紙に値ラベル
    3,600円
    古書つくし
  • もっとみる

最近の記事

折々のチェスのレシピ(533)少しだけ高度な知識をあなたに

まだ形勢は互角です。 ただし、この局面で白を持ちたいかと問われた時、「いいえ」と答える人のほうが多いはずです。 白はこの局面でキャスリングをするかあるいはc6の地点で駒を捌き合うかの選択ぐらいしかありませんが、キャスリングをしたとしても黒もキャスリングに備えてBe7としてくるでしょう。 c6の地点で駒を捌き合ったとしても、 このような局面となってしまい、黒の緊密な駒組みを崩していくのはかなり大変です。一体白はここからなにをしたらいいのかやや途方に暮れるでしょう。 と

    • 折々のチェスのレシピ(532)少しだけ高度な知識をあなたに

      これは白が仕掛けた罠とまでは言えないのですが・・・、 黒としてはつい指してしまいたくなる手があります。 ナイトがクイーンで狙われているので直前に出てきた白のルークにこれ幸とナイトを当てる手ですが、これが敗着級の手になります。 数手後に必至が掛かります。 もし第1図でナイトをe5としなければ黒はクイーンの筋がd6に効いており、まだかろうじて粘ることができたかもしれません。つまり黒は、クイーンの効き筋を自分のナイトで塞いでしまったことになります。 駒を取り合って駒が減っ

      • 折々のチェスのレシピ(531)少しだけ高度な知識をあなたに

        白がキャスリングに備えた局面です。 この時に急戦を仕掛けるチャンスがあるかもしれないとご紹介しましたが、この局面ではどう考えてもありません。そうなるとこの対局はもう持久戦の様相を帯びてきます。よって黒はそれに備えます。 黒もキングサイドにキャスリングをした際の安全策を取ります。 その後、白がキャスリングをしてきたら、黒としてはこれといった有効な指し手がないため、上のように手待ち(自分が不利にならないように相手に手を渡す)をすることになります。 ここから先の展開はそれこ

        • 折々のチェスのレシピ(530)少しだけ高度な知識をあなたに

          黒が白のミスを誘うような手を指してきました。見破れないと相当まずいです。 このままだとビショップがタダで取られてしまいます。よって、ビショップに紐づけるかビショップを逃さないといけません。 白がクイーンで紐づけてくるのが黒の狙いです。 そうすると黒はナイトでビショップを取ってきます。これを取り返すと、 ゲームオーバーです。ということで、白はビショップを逃すしかありませんが、それでもBd4が白にとってはきつい手になります。 ビショップを逃した時の進行例です↓ 白が手

        マガジン

        • 少しだけ高度な知識をあなたに(折々のチェスのレシピ)
          176本
        • 折々のチェスのレシピ
          535本
        • ダニッシュ・ギャンビット(折々のチェスのレシピ)
          26本
        • 半自伝的エッセイ
          49本
        • 中盤戦(折々のチェスのレシピ)
          18本
        • キャスリング考(折々のチェスのレシピ)
          21本

        記事

          折々のチェスのレシピ(529)少しだけ高度な知識をあなたに

          駒の損得はありません。 白はキングをキャスリングできなかった代償として、黒がキャスリングをした右辺にポーンで攻勢をかけましたが受けられてしまっています。これを崩すことを考えながら白は手を作っていく必要がありますが、どんな手がありうるでしょうか。 かなり難しいです。上の局面が白にとってどれだけ苦しいかと言われると、形勢はまだ互角の範囲ではあります。ただ、この局面から白が黒にプレッシャーを与えるだけの手を作るにはかなりの手数が必要です。 白としては、次にb5とされてしまって

          折々のチェスのレシピ(529)少しだけ高度な知識をあなたに

          折々のチェスのレシピ(528)少しだけ高度な知識をあなたに

          このぐらい指せるようになったら自信を持ってください、というほどに黒の会心譜と言える対局です。 黒はほとんど最善手しか指していません。 11手目、 ぐらいまではすでに定跡化されており黒優勢です。ここで黒はNf5とするかNxb5とするかの岐路となります。Nf5とすれば本譜のように相手のミスを誘いやすく、Nxb5とすれば、 白はまた受けなくてはいけなくなります。よって、どちらも可能です。 せめてこのぐらいまでは事前に研究をしておかないと早指し(ブリッツなど)は少々きついと

          折々のチェスのレシピ(528)少しだけ高度な知識をあなたに

          折々のチェスのレシピ(527)少しだけ高度な知識をあなたに

          闇雲に駒を動かしているだけに見える白対しっかり読みを入れた手をつなげている黒の対局です(実戦例から採録)。 その場その場で成り行きに任せて駒を動かすだけでは(白)、たまたま勝つことはできるでしょうが、すぐに馬脚を現すこととなり、上達することはないだろうなと思われます。 今回の例では黒の受けと攻めのバランスが実にいいのでとても参考になります。このぐらい指せるとひとつの作品と言ってもいいかもしれません。短編映画でも観るようにご覧ください。

          折々のチェスのレシピ(527)少しだけ高度な知識をあなたに

          折々のチェスのレシピ(526)少しだけ高度な知識をあなたに

          ぱっと見てどちらの形勢がいいのかすぐにわかるかと思います。 もちろん黒が指しやすい形になっています。 理由はいくつかあります。まず、白はセンターポーンを失ってしまっています。また、相手陣に接近してこそ仕事ができるナイトが二枚とも自陣深くに位置しており、黒にとってなんのプレッシャーにもなっていません。 このたった二つのことを憶えておくだけで、どんな序盤定跡を採用したとしても、この例のような駒組みをしないですみます。 さらに言えば、白は早い段階でビショップをg5と繰り出し

          折々のチェスのレシピ(526)少しだけ高度な知識をあなたに

          折々のチェスのレシピ(525)少しだけ高度な知識をあなたに

          下の局面図からはさまざまなことが読み取れます。 白はナイトをサクリファイスして強引に黒の左辺を開けにいきました。それによって黒はキャスリングができなくなりましたが、ここで白の攻めは頓挫します。 一応チェックは掛かります。ただ、黒のキングが逃げて、クイーンを交換したとしても、白は駒損がかなり痛いです(駒損をしたとしてもその代償を得られればいいのですがそれもありません)。 加えて、駒組みが悪すぎます。eファイル以外のポーンを動かしていないことからわかるように、黒は早々にマイ

          折々のチェスのレシピ(525)少しだけ高度な知識をあなたに

          折々のチェスのレシピ(524)少しだけ高度な知識をあなたに

          下の局面はどちらがより良く指しているでしょうか? センターポーンを残した黒が有利に見えます。が、 ここでa3と受けられてしまうと、黒はたちまち手詰まりになってしまいます。 しばらく進むと、 黒がどんな手を指したとしても白はかなりかっちりとした(そしていつでも攻撃に移れる)駒組みが可能になります。 dファイルのポーンは初形からクイーンに紐づいていて強いポーンでだと何度も説明してきましたが、こうして前進を阻まれるような形に組まれてしまうとその優位性が(全的にとは言えない

          折々のチェスのレシピ(524)少しだけ高度な知識をあなたに

          折々のチェスのレシピ(523)少しだけ高度な知識をあなたに

          相手のクイーンが出てきた局面です。相手のクイーンが前線に出てきた瞬間には色々な手筋が発生します。 よく知られているのは、 もし黒のクイーンがb2のポーンを取ってきた時に浮き駒になってしまうナイトをクイーンに当てる手筋です。今回はそれとは別の手筋をご紹介します。 ナイトでクイーンの効きを蓋してしまいます。これに対して、黒がe3で駒を捌き合う選択をするかもしれません。 少し怖い形に見えるかもしれませんが、次に白からはNc7があります。それに備えようと、 クイーンを戻すと

          折々のチェスのレシピ(523)少しだけ高度な知識をあなたに

          折々のチェスのレシピ(522)少しだけ高度な知識をあなたに

          やや白は局面を悲観しているのかもしれません。 なんとか打開できないかとナイトを繰り出していった局面です。おそらく、f6のビショップを取って黒の守りを弱体化させたいと思っての手だと思われますが、これはかなりの悪手です。 まず、直接的にチェックが掛かってしまいます。 あるいは、これも白にとっては嫌な手のひとつです。 さらには、まさかナイトをルークで取ってこないだろうと白は思っていたと思いますが、これでも黒が勝勢です。 つまり白は、黒が何をどうやっても勝勢になる手を指して

          折々のチェスのレシピ(522)少しだけ高度な知識をあなたに

          折々のチェスのレシピ(521)少しだけ高度な知識をあなたに

          初手からいきなり直線的にフィアンケットを組むのは難しいということは何度かお伝えしました。 では、どんな時であればフィアンケットが可能なのか? 例えば、 こうした局面であればフィアンケットが有効な駒組みになってくれるはずです。 フィアンケットが可能(有効)なのは、こうした一瞬の隙だったりします。今後白がフィアンケットに組むか否かは相手次第ですが、黒のg4のビショップが仕事をしていないうちに、 d5のナイトの動きを牽制しながら、白はだいぶ手を進めることが可能になります。

          折々のチェスのレシピ(521)少しだけ高度な知識をあなたに

          折々のチェスのレシピ(520)少しだけ高度な知識をあなたに

          下の局面で黒は何を考えているでしょうか? 白のナイトにプレッシャーを掛けています。これによって白がc6のポーンを取ってくれないかなと考えています。 タダで落ちていて、しかもクイーン取りが掛かるc6の地点は白からするとたしかに魅力的です。しかし、取ってしまうと、 この手がかなり激痛です。ナイトの逃げ場所はあります(e5)が、次にBxf2とされてしまいます。 第1図に戻ります。 普通はタダで取られてしまう駒を放置することはありません(この例ではc6のポーン)。序盤にはこ

          折々のチェスのレシピ(520)少しだけ高度な知識をあなたに

          折々のチェスのレシピ(519)少しだけ高度な知識をあなたに

          相手がキャスリングに備えたちょうどその時にチャンスが巡ってくるということがしばしばあります。 ここで黒からは、 もしキングサイドにキャスリングをしたらそちらから攻めていくからねという姿勢を見せることができます。これを見せられてあえてキングサイドにキャスリングするプレイヤーは少ないとは思いますが、もうしそうしてきたら、 黒からは有効な攻めが続く可能性が高いです。 この例に限らず、相手がキャスリングに備えた局面はどこかに弱みを抱えていることがよくあります。

          折々のチェスのレシピ(519)少しだけ高度な知識をあなたに

          折々のチェスのレシピ(518)少しだけ高度な知識をあなたに

          黒がビショップ取りを掛けてきました。 引きたくなるのが人情かもしれませんが、黒の駒の配置をよくよく見てみましょう。黒はまだbファイルのナイトを動かしておらず、ルークが下段に通っていない状態です。これは攻めに対して脆弱なことを意味します。 ということで、ここは白は攻めを優先したい局面です。 黒にはいくつかの対応がありますが、どこにクイーンを逃しても白が勝勢です。相手の手が遅れている時は攻め手を作るチャンスがあるはずだとまずはそれを検討してみてください。序盤で相手の手を遅ら

          折々のチェスのレシピ(518)少しだけ高度な知識をあなたに