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ベンゾジアゼピンの離脱症状_03_起立性調節障害様の症状_自律神経に関連する症状02

(この記事の内容は、私の知識と経験に基づく個人的な考察と症状の記録であり、何らかの実験・研究・論文等に基づくものではありません。ベンゾジアゼピンの離脱症状を理解するための参考としてご覧いただけましたら幸いです。)

自律神経は、体の姿勢や運動などに合わせて、血管の収縮を調節したり、上記のように心臓に働きかけたりすることで血圧を一定に保ち、必要な時に必要な場所に必要な量の血液を送るように調節を行っています。
特に脳はとてもたくさんの血液を必要とする臓器であるため、血流が低下するとその機能が障害されて様々な症状が起こります。一方で、脳は人間の一番高い部位に位置するため、重力に逆らって血液を送る必要がある臓器でもあります。その脳に十分な血液を供給することを可能にしているのが、この自律神経による血流の調節機能です。
自律神経の血流調節機能が障害されると、体の中の血液の分布を適切に調節することができず、脳に流れる血液を一定に保つことができなくなります。
横になっている状態やしゃがんでいる状態から立ち上がった時には、重力によって下半身に血液が集まります。自律神経が正常に働いている状態であれば、心拍数を増やしたり脚の血管を収縮させることで血液を押し上げ、上半身側に十分な血液が流れるようにすることができます。しかし、自律神経が障害されていると、この調節が上手くいかないため、急に立ち上がった際などに上半身を流れる血液が不足してしまい、脳に届く血液も少なくなります。この結果、急に目の前が暗くなり気が遠くなるような感覚などが起こります。
このように、自律神経のバランスが崩れていることに起因して、起立した姿勢の時の血流の調節がうまくいかず様々な症状が出る状態を起立性調節障害といいます。

起立性調節障害の症状として、起立時の気分不良や失神、朝起きられず特に午前中に体調が悪い、立ち眩み、めまい、食欲不振、頭痛や腹痛、動悸、息切れ、倦怠感などがあげられます。

起立性調節障害は、自律神経が発達過程にある中学生前後の思春期に、自律神経のバランスが崩れることで主に生じる疾患であるとされていますが、ベンゾジアゼピンが自律神経に影響を及ぼし、そのバランスが崩れることで、同様の症状を呈することはあり得ると考えられます。

私は日々、この起立性調節障害に類似した症状を様々に経験しています。
(起立性調節障害自体は、血圧などの診断基準に基づいて診断されるものであり、私はそのような検査を受けたことはありませんので、ここでは起立性調節障害様の症状、起立性調節障害に類似した症状と呼ぶことにします。)
この起立性調節障害様の症状は、前回の記事に書いたベンゾジアゼピン性自律神経発作(パニック発作様の発作)と類似する点も多く、どちらにも分類できるような症状が起こることもあります。

起立性調節障害の中で比較的多いのは、起立直後性低血圧と言われるような、急に立ち上がった直後に脳の血流が低下してしまうケースのようです。私も急に立ち上がった時に症状が起こる事があるので、動作をゆっくり行うように心がけています。

一方、立った直後が大丈夫だったとしても、立ったままの姿勢や、椅子に座った姿勢でしばらくじっとしていると気分が悪くなったり自律神経発作が起こったりすることもあり、こちらの方がむしろ頻度が高いようにも思います。
これは、起立性調節障害の中の遷延性起立性低血圧と分類されている症状に類似するかと思います。(私の場合には、筋力低下など筋肉の離脱症状の影響も同時にあると思います。)
私は、立位の時のみならず椅子に座った姿勢でも下腿が体より下に位置することで同じ症状が起こってしまうので、座る時は座椅子か座布団に座るようにしています。

この遷延性起立性低血圧様の症状が外出を困難にする一つの大きな理由になっています。
外出時には、公共交通機関・駅・お店・病院など、ほとんどすべての場所で立位か椅子に座った姿勢でいる必要があります。座椅子や座布団に座れるのは一部の和食のお店ぐらいだと思います。
じっと立ち続けたり座り続けるているよりも歩き続けている方が症状が起こりにくいのですが、乗り物やお店、病院の中でずっと歩き続けると周囲の人の迷惑になりますし、私の体力ももちません。
一度症状が起こってしまうと横にならないとどんどん悪化していくのですが、公共の場所で地面に寝るわけにもいきません。
結果的には、どこにも外出できないという結論になってしまいます。

ベンゾジアゼピンを内服していた頃、私は朝の方が夕方よりも体調の良い日が多かったのですが、ベンゾジアゼピンを断薬してからは、朝に体調の悪い日が多くなりました。
私の場合、ベンゾジアゼピンを睡眠薬として内服していたので、朝はベンゾジアゼピンの血中濃度が比較的高く、夜にかけて低下していくという日内変動がありました。内服中は、この血中濃度の変化に伴った体調の変化が毎日起こっている状態だったと思われます。すなわち、ベンゾジアゼピンの血中濃度が低くなればなるほど離脱症状が大きくなり、体調が悪くなるという現象が起こっていたと考えます。
断薬後は、このベンゾジアゼピンの血中濃度の日内変動が無くなったため、自律神経の乱れによる起立性調節障害様の症状が前面に出るようになり、午前中の方が体調が悪く、夕方ごろから少し動けるようになるようなリズムに変化したと考えています。

特に朝と夜の違いが顕著なのが食事です。
私はもともと朝食を食べないと眼が覚めないような、体が動き出さないような感じがする体質で、必ず朝食を食べる生活をしていました。また、朝からとんかつやステーキを食べても大丈夫なほど、しっかりと食べられる体質でもありましたし、朝食をたくさん食べないとお腹が空いて昼まで持ちませんでした。
ベンゾジアゼピンの内服中も、体調が悪い日でなければ朝ごはんを食べていたのですが、断薬してからは、朝はほとんど食べられなくなりました。
体調が悪い時期には、朝に水を一口飲み込んだだけで猛烈な吐き気が起こり、自律神経発作に発展して、そのまま次の日の朝まで続き、結局24時間以上飲食できないという日すらあります。
ですので、本当に体調が悪い時期には、昼頃までは飲み物も含めて一切何も口にしないようにしています。
体調が良い時でも、午前中に食べられるのは、ヨーグルトなど限られたものだけで、それも何時間もかけてゆっくり食べます。お昼ごろからスープなどを少し食べられるようになる日もありますが、たくさんの量は食べられません、
だいたい夕方4時ごろから、固形物を食べても吐き気が出にくくなります。ですので、今は食事と言えるような物を食べられるのは夕食だけになっています。
午前中からお腹は普通に空くので、朝が食べられなくなってからは、体も頭も毎日フラフラしながら生きています。
空腹によって大きな自律神経発作が起こる時期もあったのですが、最近それは起こりにくくなっているのが幸いだなと思います。

起立性調節障害には他に、体位性頻脈症候群、過剰反応型と分類されるような、血圧は下がらないものの脈が速くなったり、一時的に血圧が上昇するタイプもあるそうです。こういったタイプに近いのかなと思うような症状の時もあります。

起立性調節障害の患者さんは普通、どれか一つのタイプに当てはまるのだと思いますが、ベンゾジアゼピンの離脱やそこからの回復過程によって自律神経の状態が様々に変化するベンゾジアゼピン離脱症候群では、私のように、いくつものタイプに当てはまるような障害が同時に、あるいは次々と起こる事もあり得るのだろうと考えています。

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