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リーキーガットについて(2022.9.19)

 今回はリーキーガットについて解説していきたいと思います。

リーキーガットとは

 リーキーガットとは、腸が持っているバリア機能が弱くなって、栄養だけでなく毒素も一緒に体内に取り込んでしまう状態のことです。
 その結果、通常なら体に入ってこない毒素が体内で悪さをして、さまざまな不調を起こしてしまいます。
 日本語では「腸管壁浸漏症候群」と言いますが、文字の通り腸の壁から毒素が漏れているという状態ですね。

 仕組みを少し詳しく説明すると、腸の壁(以下腸壁と言います)の細胞はひとつひとつくっついています。その細胞同士の小さな隙間から栄養を吸収しているわけですが、リーキーガットの状態になるとその隙間が大きくなって、毒素も通り抜けられるようになってしまうという仕組みになっています。

リーキーガットが引き起こす症状

・遅延型アレルギー

 遅延型アレルギーとは、アレルゲンを体内に入れた後しばらくしてから発症するアレルギーの事です。発症までの時間差があるため、原因の特定が困難である事が多いのですが、その原因の一つとしてリーキーガットがあります。
 リーキーガットになると、毒素だけでなく、消化しきれていない食べ物も体内に入ってきてしまいます。普通なら十分に消化されていない食べ物が体内に入ってくる事はないので、体が食べ物を異物と判断した結果、アレルギー反応を起こします。

・副腎疲労

 リーキーガットによって大量に毒素が体内に入ってこられるようになってしまい、その毒素の全てをを副腎が処理することになるため、副腎が疲れてしまいます。
 具体的には、慢性的に炎症が続くことで炎症を抑えるためのコルチゾールというホルモンが出っ放しになってしまいます。
 このコルチゾールは副腎というところから分泌されるので、副腎疲労になってしまいます。
 (副腎疲労のデメリットについてはまた別のトピックで紹介します。)

・炎症性腸疾患(IBD)

 腸のバリア機能が低下することにより、体内に毒素が入り、過剰な免疫反応が炎症を引き起こします。その結果、炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎等)を発症します。

・リーキーブレインを引き起こす

 脳には脳を有害物質から守るためのブラッド・ブレイン・バリアーというものがあります。
 ところが、後述する「ゾヌリン」がこのブラッド・ブレイン・バリアーを弱らせる効果を持っているため、脳に有害物質が入りやすくなってしまい、認知症や頭がぼんやりするといった症状が出てしまいます。

原因

・グルテン

 まず知っておいて頂きたいのは、グルテンに弱い人でなければ問題ないんじゃないかという説もあります。この事は予め念頭に置いておいてください。
 しかし、グルテンが腸に働きかけて「ゾヌリン」というタンパク質の分泌を促すことがわかっています。このゾヌリンは腸壁の細胞同士の密着を緩くしてしまう効果があるので、リーキーガットにつながると考えられています。

・腸内細菌のバランス悪化

 腸内細菌が腸内環境に対して非常に重要なのはご存知かと思いますが、腸内細菌のバランス悪化がリーキーガットにもつながるのです。
 腸内細菌や腸内環境については、また別のトピックで説明したいと思いますが、ざっくり言うと、善玉菌の働きが弱くなったり悪玉菌が多くなりすぎてしまうとバランスが崩れ、腸壁に傷が付きリーキーガットにつながってしまうのです。

・長時間のランニング

 長時間の有酸素運動で腸に炎症が起きる事がわかっており、ちょっとキツめの有酸素運動を20分実施しただけでも腸の炎症が確認されたそうです。

対策

・グルテンフリーにする

 先述したとおり、グルテンが原因になっている可能性もあるので、グルテンフリーの食生活を試してみる。

・ジャンクフードをやめる

 脂肪の摂りすぎや栄養不足はリーキーガットの原因として
 ジャンクフードはリーキーガットに限らず、健康には害しかないのでやめることをお勧めします。

・野菜を増やす

 ブロッコリー、キャベツ、サツマイモ、等は食物繊維や腸内細菌が多く腸内環境の改善に非常に有効なので、リーキーガットの改善につなごります。

・不足している栄養を補う

 必要な栄養が足りていないとリーキーガットになる可能性があるので、食事に次の食材を増やす事を考えてみると良いでしょう。
・亜鉛
牡蠣、レバー、牛肉(赤身)、豚肉(赤身)、鶏肉
・ケルセチン
玉ねぎ、りんご、柑橘系の果物、トマト、緑茶、ブロッコリー
・酪酸
根菜、緑黄色野菜、レジスタントスターチ
・インドール
キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー
・Lグルタミン
生キャベツ、刺身、カッテージチーズ

まとめ

 リーキーガットを予防するには、小麦粉を使わない和食を野菜多めで食べるというのが1番じゃないかと思います。
 リーキーガットは、脳にも影響を与える重大な状態なので、軽く考えずにある程度考慮した生活が必要だと思います。
 まだまだ必要な情報があると思うので、今後も随時更新していきます。

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