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読書記録『作詞入門』(阿久悠) 1 「キミにもできる」というのは
「誰でもできる」への警鐘
阿久悠さんの『作詞入門』を読み始めました。
「また逢う日まで」「北の宿から」「UFO」など数多くのヒット曲を作詞した阿久悠さんが作詞について書かれた本です。
読み始めたきっかけは、阿久悠さんの詞が好きだったから。
どんなことを考えて詞を作られたのか知りたかったからでした。
ところが「入門」とうたっておきながら、冒頭に容赦ない言葉が書かれていました。
「キミにもできる」というのは非常にまやかし
昨今、「誰でもできる」のうたい文句がもてはやされていますよね。
「未経験でも」「今日から」そんな言葉は、ひとたびSNSを見れば枚挙にいとまがありません。でも、阿久悠さんはばっさり切り捨てます。
誰にでも書ける程度の詞を書いたって、実際はなんにもならない
「詞」を「記事」に置き換えて考えるまで時間はかかりませんでした。
躊躇なく、みぞおちを殴りつけるような言葉に崩れ落ちそうになります。
webライターが量産されている昨今、耳が痛くなる人はどれほどいるのでしょう。
誰でもできる仕事なら値崩れを起こすのは当たり前。
その中で生き残るためにはライターとしての腕をまだまだ伸ばさなくてはいけない。
そう思っていたところにこの言葉は響きました。
なんとか持ち直して読み進めますが、2ページ先に掲載されている「作詞家になれるかどうかのテスト」で再び突き落とされます。
私も試してみたところ、100点満点中60点で不合格。
「キミにもできるというのはまやかしだ」と念を押された気持ちです。
(合格基準は本書をご覧いただければ幸いです)
不合格でも、諦めずに読み進めようと思います。
ご存命ではないため本心を知る由はありませんが、不合格でも諦めないかどうかで篩にかけられているのではないでしょうか。そんな気がします。
私は作詞家になりたいわけではありませんが、文章のプロである阿久悠さんから何か一つでも学びとりたい。
そんな気持ちで続きを読んでみます。
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