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読書記録『作詞入門』(阿久悠) 2 犠牲になっている『モンキー・ダンス』
前回に引き続き、阿久悠さんの『作詞入門』を読んでいます。
1965年の『モンキー・ダンス』
阿久悠さんの作詞家デビューは1965年、ザ・スパイダース『フリフリ』のB面『モンキーダンス』でした。
しかし、本格的なデビュー作は1967年のザ・モップス「朝まで待てない」だと言われることがあり、阿久悠さんも作品リストから外していました。
なぜ、記念すべきデビュー曲をそのように扱うのでしょうか。
「華々しいA面でなければ認めない」なんて理由ではないことは、次の一文に詰まっています。
わが子『モンキー・ダンス』を犠牲にしているのにすぎない
作品への愛情も、あえて犠牲にする強い意志も伝わってきます。
一文の重みが違うと申しましょうか、一文たりとも無駄がないですね。
『モンキーダンス』が記録から消されている理由を読むと「B面だったから」はある意味正しかったのですが、「犠牲」と表現されていることやネガティブだけで終わらずに音楽業界の未来を夢見る姿に阿久悠さんならではの深さを感じました。
文章は頭の中にあることを形にしたものなので、深い文章を書くには深い思考・発想が必要なんですよね。まだまだ磨かなくてはいけないものが山ほどあると痛感します。
救いがなければ
個人的に唸ったのは、次の一文です。
悲しい事件を歌っても、最後にどこかに救いがなければいけないのではないか
これは文章にも言えるのですよね。
歌と記事は違うので、どうしても難しいこともあるでしょう。
それでも、どこか救いになるような、希望の光が見えるような文章を書けるようになりたいと思うことがあります。
最近、好きなアーティストが活動を再開した影響もあるのかもしれません。
好きな音楽を聴いて、日常が少し明るくなる感覚を文章で実現できないものか……できるようになりたい。時折そんなことを考えています。
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