#22 健康診断で難病が発覚した話
今日は1年に1度の健康診断の日だった。
何がつらいって、朝食抜きなのが本当につらい。
朝食を摂らずふらふらの状態で病院へ出向くのも、
一つ一つの診断の前に待つのも、
めんどくさい!!!
と、自分のように思っている人もいるのではないだろうか。
けれど、僕は健康診断によって病気を見つけられたことがある。
今回は、恩恵を受けた一人として、経験談を書いていく。
3年ぶりの診断で異常発見
大学院に入ってから図書館司書になるまでの約3年間。
僕は健康診断を受けずにいた。
というのも、受けたところで特に異常がなかったからだ。
いや、過去は巨漢だったので、体脂肪率やらBMIやらは異常だった。
しかしダイエットをしたおかげで、その辺りも「軽度肥満」くらいには収まっていた。
なので「どうせ大丈夫やろ」と思い、「健康診断」という概念を頭から抜いていたのである。
しかし、僕の所属する図書館委託会社では診断を受診することを強く推奨されていた(今はどの企業もそうかもしれないが)。
そのため、3年ぶりにしぶしぶ健康診断を受けたのだった。
郵送で結果が届くも、「どうせ何もないだろ」と高を括っていた。
しかし……
まさかの「再検査通告」を言い渡されてしまったのである。
3年で、人の体というのは大きく変わるものなのだ。
最終診断結果:腎臓の難病
人生初の異常、人生初の再検査通告に僕は慌てふためいた。
10代の頃、友達の家で唐揚げ30個を10分足らずで食べたからか?
10代の頃、横浜で買った特大板チョコを一気に食べたからか?
10代の頃、名前をお店に掲げてほしいばっかりに、激辛ラーメン大盛りを凄まじい勢いで食べたからだろうか?
10代の頃、文化祭の早食い競争で優勝したのがよくなかったのか?
とにかく食に関しては、たいへん奔放な10代だったのである。
兎にも角にも、僕は「尿蛋白 異常 何科」でGoogle検索をかけた。
Google先生が導き出した答えは、腎臓内科だった。
その次の週には腎臓内科にかかり、再検査を受けたけれど、結果は同じだった。
同じだったどころか、さらに悪い結果が判明した。
尿潜血反応まで発覚したのである。
そこから紆余曲折あり、僕の病名は確定した。
IgA腎症、という難病だったのである。
えてして難病というのは、原因も明確な治療法もわからない。
だから難病なのである。
したがって、10代の頃の奔放な食生活が原因ではなかったのだ。それにほっと胸をなでおろした自分がいた。
この病気を見つけられたのは、3年ぶりに受けた健康診断がきっかけだったのは言うまでもない。
なので、めんどくさいと思いつつも毎年受診するようにしている。
繰り返し書くが、人の体は日々変わりゆくものだからだ。
ちなみに、僕は健康診断の後に、バーガーキングでたらふくワッパーを食べてもいいと自分と約束している。
それを楽しみに、僕は来年も健康診断を受診するのだ。
病気は見た目じゃわからない
とある縁で、僕とは別の難病を患っている人と出会ったことがある。
その人は生まれながらにして難病で、子どもの頃から通院するのが当たり前だったのだという。
しかし、見た目ではあまりわからない病気だったのだ。
それでも調子が悪く、仕事で早退が多くなってしまった時期があった。
すると、同僚がこんなことを言ったのを聞いてしまったのだという。
「あの人、早退多くない? サボり? こっちは大変だっていうのに」
これを聞いたとき、その人はとてもショックを受けたのだという。
それを聞いて僕は、人は視覚に頼りすぎている節がある、と思った。
目に見えなくても、苦しい思いをしている人がたくさんいるというのに。
かくいう僕の難病も、見た目では全く分からない。
なんなら、自覚症状すらもほとんどない。
ゆえに、僕も予想外のところで、その方が受けたような攻撃を受ける可能性がある。
だから、僕は人を見た目で判断するのはよそうと心に決めたのである。
そんな気持ちを与えてくれたのも、遠因ではあるが健康診断のおかげだ。
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