#84 笑顔で人は救われる
今日はとあるイベントのため、渋谷に行っていた。
見渡す限り、人、人、人……。
僕はあまり人混みが得意ではないので、ひとまずカフェで少し一息つくことにした。
しかし、一息つくどころか、緊張する出来事が起きてしまった。
店員さんが尋常ではないほど早口なのである。
「ご注文は何にされますか?」(シュバババッ)
「ええと、ジェノベーゼとアイスコ……」(アセアセ)
「店内、禁煙のお席と喫煙のお席がございます。禁煙は1階と2階、喫煙は3階になっております」(シュバババッ)
「え、え、えっと、じゃあ2階で……」(オロオロ)
さすがは渋谷。
人が多いから、なるべく早く人を回す必要があるのだろうか。
にしても、早い。
そして、店員さんがどことなく不愛想で怖い。
パスタとコーヒーで腹を満たし、ほっと一息。
都会は好きだけれど、渋谷はどことなく苦手意識がある。
街自体は好きなのだが、僕には刺激が強すぎるのかもしれない。
店員さんの早口は、渋谷の洗礼のように感じられた。
楽しみにしていたイベントを前に、すでに疲れていた僕を救ってくれたのは、先ほどとは別の店員さんだった。
「よろしければ、空いているお皿をお下げしましょうか?」
それはそれは煌びやかな笑顔だった。
思わず僕も笑みをこぼして、「ありがとうございます!」と全力で感謝をしてしまった。
その笑顔は、心の緊張をそっとほぐしてくれたのだった。
やっぱり笑顔だと心が和らぐ
過去に一度だけ、マッチングアプリを使っていたことがある。
マッチングの確率を上げるための情報は、検索すれば豊富に得られる。
その中でも必ず書かれているのは使う写真が笑顔であることだった。
上記の記事にも同様のことが書かれている。
それだけ、笑顔というのは人の印象を大きく左右するものなのだろう。
今日の一件で、人の笑顔で幾度も救われてきたことを思い出した。
上記の記事で書いた、僕の尊敬する教授も基本的には笑顔だった。
常に目じりに笑顔の皺があり、口角が上がっていた印象だ。
だからこそ、僕も多くの学生も相談しやすかったのだろうと思う。
一緒の図書館で働いていた先輩も同様で、会えば常に笑顔だった。
だからか、先輩の笑顔を見た瞬間から安心する。
笑顔は、人の心を安心させる効果が確実にあるのだと思う。
笑えば自分も明るくなれる(気がする)
かくいう僕も普段は図書館司書として接客する側の人間である。
個人的な経験で言えば、どんなにぎこちなくても、笑顔でいればどうにかなると思っている。
笑顔で対応するだけで、クレームのような問題発生を抑制できるのではないかとさえ思っている。
何より笑顔でいるだけでどことなく気持ちが明るくなるような気がする。
本を借りてくれる人、読みに来てくれる人に最大限の感謝をこめたくなる。そうなると、仕事も少し楽しくなってくるのである。
……まあ、これは僕が今の仕事が好きだからなのかもしれないが。
しかし、笑顔のポジティブな効果は科学的に実証されているようだ。
笑顔の効果、最強すぎないか。
「笑う門には福来る」とはよく言ったものである。
笑えるときに笑えばいい
そうは言っても、笑顔を作ることが苦手だったり、とても笑うような気持ちになれなかったりという人もいるとは思う。
僕も、最初は笑顔なんて得意ではなかったし、今でも得意とはいえない。
笑顔という仮面をつけ続けていたら、次第にそれが本当の自分の顔になっていった。
それまでに7年もかかってしまったわけだが……。
別に無理して笑う必要もないと思う。
だけど、少しでも落ち着いた気持ちになったとき、少しだけでも口角を上げてみるといいかもしれない。
それだけで、自分自身を救えるかもしれないから。
蛇足もいいとこな余談
今日、渋谷に行った理由は「MOTHER2のひみつ」という展覧会のため。
MOTHER2とは小生が最も好きなゲーム。
このイベントの最中、立竹落花は変質者と思えるほどに笑顔でした。
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