#76 一文一意
一文一意とは、文字通り、
「1つの文章に書くことは1つ」
という意味です。
以前、【私の仕事術:❸資料作成のコツ】の「#27 文字数制限ルール」で、一文は40文字以内に書くことを意識すると紹介しました。
プレゼンテーションをする時に、「文字が多いと読むのに疲れてしまいますので、文字数少なく、パッとみただけで言いたいことが相手に伝わるように簡潔にまとめましょう!」という内容でしたが、これも「一文一意」で無いと出来ません。
書きたい文章が40文字以内で、一文一意で書ける内容の場合、この話はここで終わりです。
でも、中には「これ、どのように書けばいいかな?」と悩んでしまうケースがありませんか?
そのような時、「一文一意」にする為にどうしたらいいか、私なりのやり方をご紹介します。
ケース❶:書きたい事があらかじめ決まっている場合
例えば、履歴書や職務経歴書で志望動機や自己PRを書くように、あらかじめ自分が言いたい事が決まっている、頭の中に構想がある場合のやり方です。
「自己PR」を題材にしてみましょう。
まず、思いつくままに書いてみましょう。例えばこんな感じです。
アピールしたい気持ちが出すぎて、一文が長くなってしまっていますね。
これまで数百名の採用面接で、たくさんの方の自己PRや志望動機を見てきましたが、このように一文が長い自己PRもよく目にしました。
面接官としては、このような長い文になっている時点で「文章作成能力がないな」「まとめる能力がないな」と、ちょっと残念な印象になりますので自己PRや志望動機こそ、読みやすい文章にする方がいいです。
さて、話を戻して、このように長い文章になってしまった場合はまず、読点(、)の部分で切る事が出来ないかチェックしましょう。
そして、読点の部分で文章を完結させても問題ないかを考えて、問題ない部分は文末を変えて区切ってしまいましょう。
上記文を修正するとこんな感じになります。
あとは「#72 同じものが3回出たら要注意」や「#73 文末の表現、同じになっていませんか?」でも紹介したように、重複する言葉を削り、文末を工夫するとこんな感じになります。
真ん中と最後の一文の文字数がちょっと多いですが、最初の文と比べるとすっきり読みやすい文章になったのではないでしょうか?
このように、最初は思いつくまま書いていいですが、その後、読点で区切れないかをチェックし、直していくと、自ずと「一文一意」に近づきます。
ケース❷:書きたい事を考えながら書く場合
書くテーマが決まっていて、それに対して何か書かないといけないのに、何を書いていいのか思い浮かばない事、ありませんか?
そのような時、どうしたらいいでしょうか?
私はまず文末を書きます。文末はいわゆるシメの言葉になるので自分が伝えたい事がそこに集約されます。
先ほどの自己PRを題材に見てみましょう。一番最後の一文をご覧ください。
この文章でいうと、まず「貢献したいと考えております。」というところから書きます。「最悪の最悪、この部分が伝われば、自分の考えや気持ちが伝わる」というところから書いていきます。
ここに装飾後を足していきましょう。
「貢献したいと考えております。」という文に対して、5W1Hのように自分に問いかけてください。
✅どうやって?
✅誰に?
✅何を?
✅いつ?
✅どこで?
この問いかけの答えを、先ほどの「貢献したいと考えております。」という文に足していきます。
例えば、こんな感じで足していき、文章を作っていく感じです。
最初は何を書いていいか思い浮かばない状況でも、このように書いていくと「一文一意」を守りつつ、自分が伝えたい事をうまく設計する事ができます。
この例でいうと、文字数が気になるなら「③貴社に入社した際は、お客様に喜んでもらえるようなサービスを提案し、貢献したいと考えております。」で止めてもよかったかもしれませんね。
いかがでしたか?
一文一意を守りつつ、文字数少なく文章を書くコツ、ぜひお試しください。