授業評価アンケートって年度末しかやらないの?〈後編〉
前回の続き 前編はコチラ▽
エンゲージメントサーベイを参考にした授業評価アンケートについてさらにまとめていきたいと思います。実際のアンケートはGoogleフォームで各classroomに配信して行っています。だいたい2分程度で回答できる内容になっています。良ければデモに回答してみてください。
前回も示した1年生の公共で行った授業評価アンケートの集計結果です。赤色が1学期、青色が2学期です。明らかにグラフの輪が外に広がっていて、授業改善が進んだことがわかります。
⑤正当な評価と将来についての質問項目の中で
この授業でさらに成績を伸ばす方法が明確にわかっている。
というものがあります。1学期のクラス平均が3.96だったものが2学期のクラス平均が4.82と約1ptほど上がっています。これは1学期に行った授業評価アンケートを受けて、授業の最初に前回の学習内容を振り返る〈公共クイズ〉を行うようにし、その内容をテストに出題するようにしました。実際の様子はコチラ▽
さらにテスト前に「日本国憲法の第9条、第14条の条文を覚えて空欄の穴埋めをするテストを20点分出題します」のように出題する分野や配点を丁寧に伝えるようにしました。それらの取り組みから改善したのだと感じています。
授業評価アンケートのそれぞれの項目の単純集計で満足しない
この授業評価アンケートはただそれぞれの項目の平均点を出すことが目的ではなくそれぞれの項目の相関をみることも行っています。それは【生徒が楽しいと感じる授業の定義】を明らかにしたいと考えているからです。この記事を読んで下さっている方々は【生徒が楽しいと感じる授業】に必要な要素は何だと感じていますか?
アンケートの質問項目15問×15問のそれぞれの相関係数を出して表にしたものです。このアンケート結果は僕が授業をしているクラスだけではなく他の先生方の協力もあり、744名の回答が集まっています。
まず簡単に相関係数について説明すると相関には「正の相関」と「負の相関」というものがあります。例えばわかりやすいのは両親の身長×子どもの身長は強い正の相関があります。両親の身長が高くなれば高くなるほど子どもの身長が高くなる傾向にあります。逆に負の相関の例は年齢×足の速さ、年齢が上がれば上がるほど足は速くなる傾向になるというものです。
さらに相関係数が0に近いほどほとんど相関が無いとされています。
表から相関係数0.7以上の強い相関を示している組み合わせで注目したいのが
この授業を受けることが楽しい
× 授業の内容は興味がわくように工夫されていた (0.73 強い相関)
授業の内容は興味がわくように工夫されていた
× ③学習環境の3項目 (0.72以上 強い相関)
先生はあなたの話しをよく聞き、大切にされていると感じる
× 先生はあなたの理解度を確認しながら授業を進めた(0.78 強い相関)
まとめると
このように【生徒が楽しいと感じる授業】を授業評価アンケートを用いて統計的に考えてみると少し改善のヒントが見えてきたように思います。統計学的には2000名以上の回答が必要なのでまだまだですが、これからも引き続き行っていきたいです。
最後に
授業評価アンケートについて記事にしてきましたがもしやってみようと思う方がいらっしゃったらコメントをください。その時「何のために」ということをまず考えていきましょう。学年末の授業評価アンケートは「今年度を反省して次年度の生徒のために」行うようなものです。しかし、目の前でより良い授業を必要としている生徒にとっては「過去の授業の評価」でしかありません。前編でも言いましたがダイエットをしようと思うのであれば毎日、最低でも週に1度は体重計に乗るはずです。ぜひ2学期末にこの2学期間の振り返りと生徒からの評価を確認して、3学期に向けて授業改善していきましょう👏
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