「役に立っているかも」ヘルパーズハイ
以前も記事にしたように帰宅途中、道にゴミが落ちていると拾うようにしています。使い終わったマスク、空き缶、ペットボトル、お菓子の袋など毎日拾わなかったことがないほど道にゴミが落ちています。自転車通勤や車通勤では見えてこなかったこれらの様子を無視して歩くことはできませんね。特にゴミを捨てている当人はどのような気持ちなのか理解に苦しみます。この「目の前に落ちているゴミを必ず拾う」というルールを決めてから15年ほど経ちます。今では習慣になっているので苦に思うこともなく自然とできるようになり、地域のゴミを自分が拾うことで地域を1つずつ綺麗にしていると感じていますがこれを心理学では
ヘルパーズハイ
と言います。これは他人に対して親切なことをしたり、誰かの役に立てているという感覚があったりする時にドーパミングが出て、幸せを感じるというものです。これは僕が行っている帰宅時のゴミ拾いに限らず、「授業を行うことで生徒の進路実現に役立っている」や「高齢者やハンディがある方の荷物を運ぶ」など日常にその機会は溢れています。生徒たちにも気付いた時には実践してもらいたいと常々思っています。
Too much is as bad as too little.(『論語』の「過猶不及」)
しかし、注意も必要です。英語で書くと新鮮な感じがしますが「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という論語の言葉があります。意味は「足らないよりもやり過ぎるくらいの方が良いと考えがちだが、良い行いであっても度を超えてしまっては害になることもある。中庸が大切」というものです。つまり奉仕の気持ちがいくら強くてもやりすぎは良くないということです。
何でも「やってあげる」だけでは生徒は成長しません。教育業界でよく言う「魚を釣ってあげるのか、魚の釣り方を教えてあげるのか」は意味が大きく異なります。常にそのことを意識していないと生徒の為と思うと何でも手助けしたいと思うのが教師が抱く感情だと思います。また学校現場に限らず、様々な仕事現場で低賃金や処遇の悪さなどを感じても「誰かが喜ぶのであれば自分だけ我慢すれば…」という負のヘルパーズハイに陥ってしまう危険性もあります。まさに中庸、バランス感覚は大切ですね。
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