学校をICT化するということ
一昨年5月の緊急事態宣言による学校一斉休校に伴って全国の教育現場のICT化の遅れの深刻さが明らかになりました。休校になって生徒に課題を渡す手段は「紙をたくさん刷って渡す」程度しか出来なかった学校が多かったはずです。本校もそうでした。
プロジェクト 澪-MiO-
本校のICT推進に向けての取り組みは、澪-MiO-という当初何もない状態の中でプロジェクトの名前をつける所から一昨年10月に始めました。中学校の教員向け説明会やオープンスクールで説明する際、キーワードとなるプロジェクト名を決めておいて本当に良かったです。元々国語の後輩教師が発案したこのプロジェクト名の「澪」は澪標(みおつくし)から引用し、さらにMiOは「Make innovation for our ICT(私たちのICTにイノベーションを起こそう)」 という意味を悩みながら皆で考え、この言葉を大切に取り組みを進めてきました。現在私が主任として受け持つ1年生全員が1人1台Chromebookを持ち、徐々に成果が出てきています。MiOのように自分たちの言葉で目指すべき目標を定めていくことで参加する教師や生徒の目線を合わせていくことができるはずです。もしこの言葉を使いたいという教育現場があればぜひ使ってもらいたいです。
ビジョンの大切さ
将来どのようになっていくべきかという目標であるビジョンがこの1年間を振り返って1番大切だと感じています。ICTを推進する部署を急ピッチで新設した学校も多いと思いますがその中でビジョンではなく短期的なミッションのみしか定めていないのであればいずれ行き詰まるかもしれません。「パソコンをノートのように使えるようにタイピングを頑張ろう」や「ネットリテラシーを身につけて安全にSNSを使おう」などのミッションはとても大切なことですがその先がきっとあるはずです。
MiOのその先
「澪、MiO、ミオ」1年前には無かったこの言葉が今では教務室や教室で飛び交っています。持ち運びルーターも「ミオちゃん」と名付け、「ミオちゃんルーター、貸してください」と先輩の先生方が声を掛けて下さるとどれほどこの言葉が定着したのかを感じ、想いが込み上げてきます。実はMiOという言葉は私が主任を務める1年生の学年目標にもなっています。最後のOur ICTの部分をOur selves と変え、【私たち自身にイノベーションを起こそう】という学年のビジョンを掲げています。このビジョン、学年目標であるMiOは3年間同じ言葉で行こうと最初から決めています。ただし、最後のOur selvesは2年生の時にOur school(私たちの学校を)、3年生の時にOur lives(私たちの人生を)にしていきたいと思います。
全国で様々なICT推進をしている仲間の教師がいます。澪標(みおつくし)は百人一首の歌の掛詞としても使われているように(身を尽くし)という意味があります。その苦労や苦悩は絶対に職場や保護者の皆さん、そして生徒に伝わるはずです。一緒に頑張っていきましょう!
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↓実践事例②