EP.4 運命の創業事業、訪問介護!時代を逆手に取った男性ヘルパー事業所の誕生。
介護無資格、未経験の元部品メーカー研究者の無謀な挑戦!上場企業の理系研究者からリスクしかない起業をしたナラティブです。
現在は、東京中心に全国に20事業所を展開していますが、創業当時は引くことを知らない猪突猛進型で活動。訪問介護事業の立ち上げから居宅介護支援事業、福祉用具貸与・販売と続き、通所介護事業まで礎事業として事業開始2年で一気に駒を進めました。
◆人当たりのみで乗り切った訪問介護
大学の同級生同士での起業ですので、もちろん資金なし。オフィス事情は、こちらを参照ください。
介護保険制度も導入初期で訪問介護全盛期、体だけあればなんとか事業が行え、そして、「最後に死ぬなら絶対!住み慣れた家で」と言う思いで在宅介護の訪問介護を立ち上げ。何せ背水の陣というか、進むしかない状態で何もわからないままおじいちゃん、おばあちゃんの元へ。
「今日はどうされました?お困りごとは何ですか?」
これがコミュニケーションの第一歩。最低限必要な資格は取ってきたものの、もちろん指導者なしのぶっつけ本番。いきなり応用編の現場では、資格取得の為の学校でならったことなど、ほぼ役に立たず。(基礎知識としては有効です)
が、驚いたことに困り事に対応できてしまった。なぜならば、私が通常の生活で行っていることができなくなるのが介護を必要とする高齢者。例えば、エレベーターなしの3階に住んでいる寝たきりの方が、通院の為に1Fまで移動したいと言われたら、お体の状態を確認して、「では、おんぶでおりましょうか?」と言うわけです。これならできる。
安全に降ろして、車いすへ移乗。そしたら「本当に助かった、ありがとう。お兄ちゃんまた頼むよ!!」と感謝の言葉を頂きました。これが介護にハマったきっかけです。なんら特別なことをしていないのに感謝される仕事。
私の前職は部品メーカーの研究職。さらに素材の研究者。ノートPC等のデジタル機器の中にある部品の素材の研究です。エンドユーザーの言葉を聞く機会など無縁。このギャップは働くうえで私にとって衝撃的でした。やればやる程、たくさんの方に喜ばれる面白さにどっぷりハマっていきました。
◆資格ではなく、人間力の高さが評価されるべき
失敗もたくさんしましたが、ほとんどの高齢者は温かくお許し頂き、私たちを育ててくれました。それに応えようとわからないことは調べ、できることはすべて行うといった感じで過ごしていると、お客様が増えて、売上は毎月倍々で右肩あがり。開業当初の心配は杞憂に終わり安定水準まで到達。
ここで、介護人材は資格で判断するものではないという基礎概念が出来上がりました。当社では、業界では当たり前にある資格手当を設けていません。なぜならば、資格がいい仕事をするわけではなくお客様にどれだけ真剣に向き合い真摯に期待に応えらる人を評価したいためです。
◆依頼が殺到する男性ヘルパー事業所⁉
この後は、マンパワーの問題です。マンツーマン介護が基本の訪問介護ですので、とにかくたくさん仲間が必要。求人募集をかけて仲間を募ります。今は、WEB求人が中心でしたが、当時は新聞の折込求人が最も効果が高く、なけなしのお金を求人広告に突っ込んでいきました。
反応はそれなりにあるので、求人応募者対応をしていると奇妙な問い合わせが・・・。
「あの~、折込チラシをみて電話したのですがヘルパー募集してますか?」
「はい、してますよ。」
「私、男性なのですが、面接して頂けますか?」
声を聴けばわかりますので、なんでそんなことを聞くのかと尋ねてみると、既に数件求人応募したものの男性を理由に面接すらさせてもらえなかったとのことです。
「うちは、男性ヘルパーの仕事も多数あるので気にせずに面接来てください」
「ほんとですか!!せっかく資格とりにいって働こうと思ったのに断られ続け、どうしようか悩んでいたんです。ぜひお願いします」
私たちも味わった業界の洗礼です。とその後、男性からの応募が殺到し、困っているならみんな採用してしまえ!と、気が付けば男性主体のヘルパー事業所になっていました。お引き受けするご依頼も力仕事から汚れ仕事、困難事例などなど。そしてケアマネさん達からは「男性仕事はいきいきらいふ」と言われるようになっていきました。
【男性ヘルパーの仕事がない = 男性ヘルパーは必要ない】
から
【男性ヘルパーの仕事は実はたくさんある = ◎男性ヘルパーが必要】
への思い込みの転換です。以降、逆に周囲の事業所に男性ヘルパーがいないことから依頼が集中することになりました。あきらめずに自分たちの強みを強烈にエッジを利かせていくことが突破になる経験です。
この後は、男性ヘルパーが敬遠される理由を一つずつ潰して、オールマイティケアのできる男性ヘルパー教育へ舵を切ることになりました。
思い込みや決めつけは、物事の本質をみることへの弊害になりますね。皆さんは、何を感じますか?
記事に共感頂けましたら是非♡「スキ」して下さると今後の執筆活動に喜愛が入ります♪
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