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EP.47【社史】 固定観念を覆す改善結果、寝たきりから回復⁉

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いつもお読み頂きありがとうございます。素材の研究者から異例の転身として介護事業の起業に参画して早20年。新しい取組を行っていく中で、中重度対応入浴特化型短時間デイサービス「リズム・リゾート」で現場上がりの私の固定観念を覆す事例が発生します。
 ※リズム・リゾート誕生の背景はこちら。

今回は、実際にこのリズム・リゾートをご利用されたお客様に起こった変化をご紹介します。この時は、本当に何が起こっているのかわかりませんでした!!



◆期待外れの閑古鳥⁉

「お客様の声を形に」をテーマにニーズ訴求型で介護ビジネスに向き合ってきた私は、先にご紹介した隠れニーズの存在を知っていました。実現のタイミングが来たので、業態モデルとしてトライアルとなりましたが、絶大なる自信をもってメンバーに取組させたのです。

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意気揚々と新モデル店舗として2016年11月、オープンを迎えます。これまで「いきいきらいふSPA」で培ってきた集客営業、運営のノウハウを駆使し最短で活気あふれる繁盛店になるはず・・・、

でした・・・。

結果は、閑古鳥・・・。過去最低の立ち上がりを記録。

 立ち上げメンバーからは、計画数値との乖離に対し集客苦戦についてそれっぽい理由を説明されました。それでは、と待ってみるものの

1カ月、2カ月、3カ月・・・。

まったく上がっていかない売上、膨らむ赤字。報告と実情の大幅な乖離に苦い記憶が甦ります。

3カ月目の見込数字が見えたところで、もう我慢できない!

「お客様が来ないはずはない!!」
「新業態モデルを任せるには、まだ早かったか・・・。」

頭の中を、いろいろな思考がグルグル回っていきます。
 これ以上は、他で頑張っているメンバーの活躍を無にしてしまうので直接指導を決めました。


◆集客営業のテコ入れ指導

現場のメンバーと上司である統括長を呼んで、即ミーティングを行いました。
 ①新業態モデルの取組背景
 ②新業態モデルの社内立ち位置(価値)
 ③私の関り方と指導方法の説明
 ④期待の合意

3カ月限定でテコ入れ指導に入ること、この期間で必ず上手くいくから一緒にやってほしいと期待を伝えました。そしてメンバーからは、

「私たちは、会社にとってとても大きな使命を渡されているのですね。がんばります。よろしくお願いします!」

 下地が出来たところで、そく分析。報告数字から見える実態確認として店長から様々なヒアリングを行っていきました。複数の要因が絡みあって、集客苦戦をしていましたが、起こっていたのは過去に経験していた出来事でした。

そして、中途メンバーによるパワー営業によりマーケティングから導き出していたターゲットに訴求できていないことが判明していきます。

 ほぼ、問題と課題は私の中で想定通り。
3カ月という時間軸の立て直しにも根拠があります。介護事業における営業は営業活動から契約、利用開始まで最短でも2週間程度かかり、標準で売上数字に反映されるのは1カ月~1カ月半後。営業の課題解決への準備時間と私の管理を離れ店長が自走できるようになるのを見届けるにはこの期間が最低でも必要でした。

そして問題は、営業活動のメインメンバーの店長が営業活動が苦手で、これまで既存店でもなかなか成果を上げてこられなかったという事実がありました。

 この実情から、乖離している収支改善に向けKPIの再設定、毎朝メールコーチング、日次報告、週次ヒアリングミーティングの特別メニューを組み実行。特に、毎朝メールとヒアリングミーティングは、営業への苦手意識を克服させる為に心理的なハードルを下げることに注力しました。

さらに、訪問のきっかけとなる武器となるツールを矢継ぎ早に提供して行動管理。

すると本人から「なんか、営業って面白いですね!」と言い始めて、効果的な営業活動に向けた自発的な提案が生まれていきました。

あわせて、結果もついてきます。問い合わせが徐々に増えていき、気が付けばマンパワー不足で契約が間に合わない状態に!!
目標額には、少し届きませんでしたがそれは時間の問題なので、約束通り3カ月で離れることにしました。その時に、店長から

「社長の期待に応えて見せます!」

と力強い言葉をもらい、見事この2カ月後に目標を達成してくれました。
※コンサルや研修メニューもありますので、気になる方はお問い合わせください。



◆寝たきりから杖歩行へ⁉

営業の武器ツールを作成することを目的に、お客様の利用状態についてヒアリングしていくと私の頭の中で「?????」となる事例を耳にします。

なんと、寝たきりの状態から利用が始まった方が、杖歩行が出来る状態になったと言うのです!

「んっ⁉ なんだって?」

「車いすで歩行が難しかった方が、機械浴から個浴に入れるようになりました。」

「どういうこと? 何か特別なことやってるの?」

「いや、看護師が機能訓練はしていますけど・・・」

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 私が関わったのはオープン3カ月目、この話を聞いたのは4カ月目。つまり3カ月で歩行が難しく、ほぼ寝たきりの方が短期間で状態改善していることになるのです。

お恥ずかしながら、永らく介護現場で仕事していながら車いすの高齢者が歩けるようになるなんて、考えたこともありませんでした。

 私がデイサービスの管理者としてトレーニングメニューを強化した時も残存機能を維持するためと考えており、実際に維持が大半、そのほかの方は年数と共に緩やかに機能低下していたのです。


これは新しい発見、新たな使命を確認した瞬間でした。

※今は、日本デイサービス協会の理事として様々な介護企業の経営者と交流を持っているので機能回復や自立事例に本格的に取り組む企業を知ることでデイサービスの社会的役割の重要性を強く認識しています。


◆廃用症候群から意欲的な生活へ

私が驚いた事例を簡単にご紹介します。

91歳 男性/ご家族様同居
アルコール中毒、難聴、昼夜逆転、筋力低下による寝たきり状態

【ご利用背景】
ご家族様のニーズ:在宅では寝ていることが多く歩行困難。長男様同居だが仕事をしている為、出来る限り一人でいる時間を少なくして欲しい。家での入浴が難しいので清潔を保ってほしい。

【利用時の取組と変化】
 生活のリズムがなく筋力の低下から歩行困難。常時車いす。

体力低下から活動全般の意欲が低く、入浴も拒否気味。長時間の利用は難しいことでリズム・リゾートに問い合わせを頂いた。清潔保持を目的に身体的負担が少なく安全に入浴できる機械ミスト浴からスタート。 

 姿勢の安定の為に座位にて軽負荷筋力トレーニングを行い、徐々に立ち上がり等の練習を加え、3ヶ月後には両手引き歩行にてフロア内の移動ができるようになった。看護師が居ないときでも座った状態で足の上げ下げや肩回しなどの運動を自発的に行うなど意欲の向上が見られるようになる。

 身体的機能の向上とともに、入浴への意欲も向上し生活リズムも正常化し昼夜逆転などの問題も改善。座位に加え、短時間立位が可能となり一般個浴槽での入浴が可能になる。

さらに、入浴動作訓練に加え、歩行訓練を行うことで短距離での杖歩行まで回復。

【ご家族様より】
ご長男様:入浴以外にも本人の意欲が戻ってきて、本当によかったです。以前は自宅で寝ていることが多くて本当に困っていたのですが、最近は座っていることが多く見られるようになりました。ありがとうございます。

 この事例のポイントは、廃用症候群だったのです。一時、病気で本当に動けない状態があり、ご家族様ももう寝たきりだと信じ込んでしまったそうです。そして、勝手に動かれて何か大きな怪我でもしたら大変と「寝かせ切り」にしてしまったことで筋力が著しく低下したことが原因でした。さらに日中もカーテンを閉め切って「寝かせ切り」にしたことで昼夜の感覚が狂い、生活のリズムを大きく崩してしまっていました。

 入浴をきっかけに当施設を使ってもらうことで、自分の体が回復し、動けるようになれる可能性に気が付いてくれました。スタッフのコミュニケーション等の関りにより運動への意欲も向上し、いろいろなことが好循環でまわっていきました。

 価値を評価する人事評価制度として取り組んでいるバリュー目標に関連する、お客様の可能性を信じ、寄り添うスタッフならではの好事例でした。

 在宅で生活されている要介護高齢者においては、決めつけやあきらめにより改善のチャンスが失われている可能性を知りました。重度の方の状態改善に向け、私たちの取組は新しいステージを迎えることになります。

さて、今回の話からはどんな気づきがありましたでしょうか?隠れたニーズ、気づいていたけど見過ごしていたニーズ、それらを発見し解決していくことが私たちの活動目的です!!

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