#3【新卒1年目】配属1カ月でまさかの社外出向辞令!?
いつもお読み頂きありがとうございます。私の新卒時代のエピソードを振り返ってどんなことが今に生きてきているのか、当時はわからなかった今だからこその内容をお伝えしようと思って始めたシリーズです。
前回は【#2「ご愁傷様」と言われた初配属】をご紹介しました。伝え方ってとても大事なことですよね。
最近は「配属ガチャ」なんて言葉も出てきていますが、企業側が適性や将来キャリアを加味して配属するのは当たり前の時代です。それでも、どこに配属されるかは新人にとって重要なポイントですね。
今回は、ようやく配属されたと思ったら、その直後に外部出向を命じられたエピソードです。
初仕事は競合調査と測定器製作
長期研修期間を経てようやく第3製品開発室に配属となった私に上司から一番初めに与えられた業務は、競合他社の製品比較調査表を作成することでした。当時は今のようなインターネット環境ではありませんでしたし、そもそも部品メーカーですので一般に公開されていない部品スペックの調査が中心になりました。
で、どうするかと言うと片っ端から超ぶ厚い他社のカタログから自社商品と類似する商品をピックアップ。前回記載した通り、私の部署は熱対策部品ですので冷却ファン、熱伝導パッド、グリス、ヒートシンク(放熱フィン)など。これをカテゴリ分けしてサイズ、性能、価格(わかる範囲)をエクセルにて表としてまとめていきました。情報が全く取れないものもあり、そこは先輩に相談しながら調べ方のアドバイスをもらう感じで進めました。
まぁ、この資料が何に使われて、どんな役に立ったのかはまったくの不明。おそらく研修の一環で私の基礎知識習得の為の課題だったようにも感じます。設定された期日まで提出し、軽く修正フィードバックをもらったところからもあまり重要な内容ではなかったと思います。
次に出された課題は、社内にない測定器を制作しろという指示です。熱対策製品としてCPU等のチップから出る熱を効率的に逃がす熱伝導パッド開発をしていたので、その製品性能評価の為の装置になります。
「えっ、測定器ですか? そんなの素人の私がつくって大丈夫なものですか?」
「ここに原理が書いてあるから、これを参考につくって!」
と渡された資料は英文・・・。英語が得意でない私はチーンって感じです。
辞書を片手に資料解読からスタート。大変だったのは専門用語も英語だったこと。最早、暗号でした。先輩に相談しながらいろいろ調べて測定機に必要な部材を一つずつ調達。金属加工が必要な部品は休み時間に工場の加工機を借りて自作です。
この後はラボに籠り、ひたすら試行錯誤。熱対策部品の性能評価装置ですので、ヒーターが必要になります。熱が上手く伝わらないと
「やべぇ、煙が出てる!!!!!!」
なんて、火災報知器がならないか、ヒヤヒヤしながら仕事していたのを覚えています。
今となっては、あの形が正解だったのかわかりませんが開発中の製品の他、競合他社の製品の評価実測をしたりしばらく活躍していました。あくまで参考値ですが、同条件での測定ですので比較評価として意味があったと思います。
配属直後の新人にこのような仕事を任せてもらえる環境はそんなにないのではないでしょうか?と今は思えますが、当時の私は取組むので精一杯。正解もわからないまま、暗中模索状態でしたね。
唯一、面倒みてくれた先輩がちょこちょこ様子見に顔出しに来てくれたのが嬉しかった記憶です。
配属1カ月でまさかの社外出向辞令
とまぁ、初仕事をこなす中、上司から会議室に呼ばれました。
「何か御用ですか?」
「ちょっと座って」
「はい・・・」※このタイミングでなんかやらかしたかと、心拍数上昇
「日下部くん、金属材料やってきたよね。」
「大学では材料工学部でしたので、金属も勉強してました。」
「実は、今度、産学官連携プロジェクトが採択されて国から3000万円の補助金が出ることになったんだよ。」
「そうなんですね、すごい金額ですね。おめでとうございます。」
「産学官連携プロジェクトってわかる?」
「いえ、わかりません」
「国の研究所と大学と民間企業での共同開発のことで、当社では初めての案件なんだよ。」
「すごいことなんですね。」
「でっ、日下部くんには来月から国の研究所に出向してもらうことにした。」
「!!!!!!!!!!!!!!」
「出向!?」
「えっ、ぼくですか???」
その時の私の心境は!?
まったくの想定外の出来事が発生しました。
新卒1年目、しかも配属1カ月のタイミングで社始まって以来の産学官連携プロジェクトという重要な共同研究を命じるこの会社は・・・。
私が入社した会社は、若手メンバーを早いうちに外部機関に出向させていろいろな研究に触れさせる風土をもっていることを後から知ることになります。それでも、入社2年目~3年目が中心。新卒1年目からの出向はあまりありませんでしたし、さらに言えば『会社初の産学官連携プロジェクト』ですから失敗は許されないはずです。
私の心境は・・・
「なんでこんな重要なことを何もできない新卒1年目にやらせるんだろう、大丈夫かこの会社・・・。」
今この記事を読んでいる方は、私がさぞ優秀な人材に映るかもしれませんが、まったくそんな事はなく、ちょっと手先が器用なだけのごくごく普通の人間です。
この人選は、
・私の上司がまとめ上げて採択された事案であること
・上司や先輩は会社の利益をつくる重要な仕事に従事していること
という背景がありました。
つまりは私が評価された、とか特別優秀だった、とか言うわけではなく手が空いているのは『私だけだった』と言うことです。
現に私の上司のさらに上の開発部長からは「お前が一番いらん」と後日いわれる始末でしたので(笑)
もちろん新卒1年目でまだなんの役にも立っていない私に【拒否権】なんてものはありませんので受諾します。この出向によるプロジェクト参加が新卒1年目~2年目にかけての激務として地獄の始まりになるのでした・・・。
《続く》
今では「チャンスはピンチの仮面を被ってやってくる」なんて言っておりますが、「ピンチはピンチ」なんですよ。その時は!乗り越えた後にチャンスだったと感じるものです。この出向経験が今はメチャクチャ活きています。いろいろやらかしてきた今だから言えることですけどね。
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