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EP.32 【社史】迫ってきた崩壊の序曲、急拡大の陰にコミュニケーションミスマッチ⁉

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いつもお読み頂きありがとうございます。今回はEP.24 異例の採用面接で強力な幹部メンバーを加え、全国展開へ大躍進!から続くエピソードです。こちらも確認ください。

 強力な幹部陣を揃え、一気に全国に「いきいきらいふSPA」の展開に動きました。勢いと言うか、ノリと言うか、社内(今振り返ると幹部メンバーだけかも)は熱量高く盛り上がりを魅せているように感じ、若手の店長育成(EP27EP28)にも力を入れながら、フランチャイズ(FC)加盟店、直営店舗の出店ラッシュ!その裏では・・・。
 今回もそんなぶっちゃけ話です。


◆更なる人材投資、本部人員強化、オフィス増床へ

 2011年秋~2013年秋にかけて、当社では驚くほど多くの人材を登用しました。
【本部人員の推移】
 2011年秋:4名
 2012年春:6名
 2012年秋:11名
 2013年春:13名
 2013年秋:15名

 創業より間接コストを増やさないために、本部人員をできるだけミニマム運営してきた9年間、そこから打破して優秀な幹部陣を採用したのを皮切りにその後の2年間で4倍にも人員が増えました。

 もちろん、店舗展開に向けた投資です。FCの加盟店開発担当、店舗開発担当、運営サポート担当、直営事業推進担当、財務・経理担当、人材採用担当、これらを取りまとめる管理本部長、事業本部長と!

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 各部門責任者は、元部下を自ら呼び寄せた結果の増員となり、自分のチーム形成やアクションプラン実行にまい進していきました。

 もちろんこの増員に本社オフィスに入りきるわけもなく、当時の社長は、先行投資といいながら、FC展開に向けた研修センターを開設。プロフィット部門である直営事業部とFC事業部はこの研修センターに移動することになりました。

 これらの組織構成と現象は、なんら特別なものではなくある程度の規模の企業であればごく普通の体制に思えることでしょう。しかしながら、この展開に私は大きな違和感を感じていたのです。副社長として、最高執行責任者(COO)を担いながら金融機関対応を行う立場として事業計画と照らし合わせると、資金繰りに一抹の不安を覚えていました。

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そこで当時の社長に、

「完全に過剰人員、幹部は次々とメンバーを連れてくるけど、直営出店の収益計画とFC加盟開発が進まないとまずい。増員はそこからでいいのでは?」

と進言・・・。が、しかし・・・。

「大丈夫、かなり優秀なメンバーだし、他の本部はもっと早く展開している。これは先行投資なんだ!!!」

との返答に、TOPが決めたことに反対はできない。やるしか・・・。


◆独自のモデル展開、借入総額:2億2000万⁉

 当時、お泊りデイサービスやリハビリ特化型デイサービスといった業態モデルを中心として全国にデイサービス旋風が巻き起こっていました。たくさんの本部が発足し、全国に次々とデイサービスがオープンしていったのです。

 「介護はFCに向かない」そんな総評はどこ吹く風、日経主催のビックサイトで毎年行われるフランチャイズショーには、飲食に負けじと介護FC本部のブースが並びました。私たちは、「お客様の声を形に」を合言葉に、他本部が敬遠して、手掛けない【入浴】という在宅生活に欠かせない重ニーズを担うつもりで活動していました。(シニアマーケティングのきっかけ EP14
 しかしながら、運営難易度、投資金額でいけば他の本部のモデルの方が数段低い・・・。出店スピードや開発スピードははるかに遅い結果となります。

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 さらに他本部が直営展開を抑え、FC展開に集中する中で、「本部が出店しないモデルは、加盟店に勧められない」と言うことで、直営店の出店も同時並行で進めて行ったのです。

 私はCOOとして全体統括の立場ではありますが、財務・管理側を中心に動いておりました。事業本部長、管理本部長と密なコミュニケーションをとり状況を把握(していたつもり・・・)し、出店に関わる資金調達を金融機関に交渉し、幹部の活躍を信じ、1店舗分:2200万を年間5店舗、これを2年続け調達しまくり、出店分だけでも借入金総額:2億2000万!!

自分でもよくやったと思います。が、しかし・・・、2013年に入り状況は一変していったのです。加速度的な直営出店、急な本部人員拡大による人材投資、1店舗開設と同等額の研修センターの開設・・・。
 社内の財務状況もほとんど把握していた私にとって、すべて行き過ぎた投資に映っていたのです。


◆収益計画未達と採用育成計画の進捗遅れの悪影響

 店舗出店に関しては、資金調達を順調に行っていたので多少の遅れはあるもののほぼ予定通りに進みました。

が、人材確保が間に合わない・・・。

 1店舗開設にあたり6名~7名、3カ月毎に1店舗のペースで開設(時に2店舗同時オープンも・・・)となれば、育成も採用もまったく追いつかない事態が発生しました。
 どうしても中途経験者の新規採用で間に合わせるしかありませんでした。しかし、新業態モデルの特殊性で、本来強みとなるはずの経験が邪魔をする結果に。(EP27参照)FC加盟店支援のように1店舗ずつ、じっくり関わっていけば問題なかったのですがこのハイペースに対応しきれていませんでした。
 となると、収支が計画通りに進まない。どころか、大幅な計画未達となっていきました。これに対して事業本部長達は、なぜか楽観的に「大丈夫ですよ、成果出しますから!」と強気の発言。

 会議の報告内容は、確かに悪い報告はほとんどなく若干の遅れはあるものの改善していくように見えていました。
 若干の違和感を感じつつも、優秀な幹部メンバーと信じていた私は、その言葉に安心感をもらい社長の判断もあって、疑うことなく過ごしていきました。

これが大きな間違いであることに気づきもせず・・・。

 2013年秋、一つのトラブル対応に奔走している傍ら一気に状況が判明していきます。
 毎月の幹部会議終了後に財務・経理担当から私と管理本部長が呼び止められました。

「お金がありません、副社長、どうするんですか???このままだと持ちません。😰」

 度重なる収支計画未達報告、過剰人員による間接コストの増大、負の連鎖が進んでいる中で、分かっていたことを言葉として突きつけられた瞬間でした。

一瞬、目の前が真っ白になり、「そんなことを私にだけ言われても・・・」とマイナス思考に陥ったことは周囲には話をしていませんが、本当の気持ちです。

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「なんとかする、なんとかするしかないでしょ!」

そう言い放ち、覚悟を決めて再建に動くことになります。リーダー研修等で自責、他責の話はよく聞きますがまさに真価が問われる状況に追い込まれました。私の中で創業1年目と同じくらい強烈に記憶に刻み込まれているメモリアルシーズンの始まりです・・・。

 さて、今回のエピソードからどんなことを感じて頂けましたでしょうか?

記事に共感頂けましたら是非♡「スキ」して下さると今後の執筆活動に喜愛が入ります♪

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