EP.31 革新サービスが認められた東京都経営革新 優秀賞!
いつもお読み頂きありがとうございます。
経営において、資金はとても重要な資源。2012年頃より金融機関対応も担うようになっていた私は、全くの無知、不勉強状態から銀行担当者と対峙。交渉役を行うことになっていました。と言うか、社長より「あとは頼む、よろしく」の一言だけ言われたので・・・。
今は財務まわりの様々な経験や知識を得ているので大概のことには動じませんが、当時はドキドキの交渉が次々とやってきたのをよく覚えています。今回は、そんな資金調達を主目的として経済産業省所管の【経営革新計画】の承認に動いたエピソードです。(馴染みがないと少し難しい話かもしれせんので、調べながら読んでみてください)
◆ドキドキの無知、未経験の金融機関交渉!
「いきいきらいふSPA」の拡大展開において資金調達は一丁目一番地のタスクです。まったくの未経験で交渉の場につくことなった私が一番初めに行ったのは、担当者と話をすることでした。すぐに取引のある銀行担当者に連絡し、来てもらうことにしました。
「これから融資について担当することになりました。よろしくお願いします。」
「そうなんですね、社長さんとは長い付き合いです。今日はどういったお話でしょうか?」
「私も創業からいますので御行がメインバンクであるのはよく存じています。今日は店舗の新規開設資金をお願いしたくて・・・」
「どのくらい必要ですか? 設備資金ですか? 運転資金ですか?」
「2000万を考えています。設備?、運転?、違いは何ですか?」
いや~、お恥ずかしい。本当にこんな感じのやり取りからスタートです。
銀行の担当者はおそらく「この人こんなことも知らないの?」位の訝し気な表情だったと思います。その後、「制度融資」「保証協会」など馴染みのないワードの連発。とりあえず言われるがまま、必要資料を揃えて提出していきました。
金利交渉なんかも全くせずに、保証協会付、代表者保証も入って、銀行にとって超有利な条件で借りていたことを後々知ることになります。完全に銀行の担当者にマウント取られてました・・・。
その後、複数の金融機関と取引するようになり、いろいろな担当者とのコミュニケーションと独自の勉強により、融資取引の背景や全体像を把握するようになってからは、私主導での交渉ができるようになりました。
銀行からの融資による資金調達が主だった方法であったので、今後の展開に備えてく中で「経営革新計画」の特別融資にチャレンジすることにしたのでした。
◆東京都初、デイサービスモデル経営革新計画の承認
前述の【様々な支援策】の中に、この革新計画に位置付けた特別融資制度に目をつけました。今後の展開の中で、通常融資の他にこの特別融資が使える状態にしておくことがいざとなった時の切り札になるはず、そう考えました。
東京都の指定様式に見よう見まねで計画をつくり、窓口である中小企業振興公社にてチェックと指導を受けます。
「う~ん、介護保険を使ったビジネスでしょ。自由度もないし、差別化も図りにくいからな・・・、介護はほとんど承認されないんですよね・・・」
「いや、そんな中でも私たちが行っていくサービスは、他とは違うんです。他がやらないからこそ、私たちがやる意味がある。まずは、話を聞いてください!!」
その後、複数回のやり取りの上、当社「いきいきらいふSPA」がなぜ生まれ(EP14 シニアマーケティングのきっかけ)、そしてどこに革新性があり、さらにはどんな生産性向上につながるのか、担当者に熱弁していきました!
なぜ、熱弁したのかと言うと、この「経営革新計画」の承認審査は、私が作成した申請書がチェックされるだけでなく目の前にいる担当者(中小企業診断士)さんが審査の場で私に代わりプレゼンテーションすると聞いたからです。
私の代わりであれば、この担当者が当社のファンとなり、応援してくれなければプレゼンテーションに熱量がこもりません。そう考えた私は、とにかくこの担当者さんが欲しい情報や資料をすべて提供していきました。そして
「この承認がとれれば、より多くの高齢者さんの生活を救うことができるんです!よろしくお願いします!!」
完成した申請書を提出し、1カ月後「承認通知」が届きました。
担当者さんにお礼の報告に行くと「本当に介護サービスは承認されないんですよ。多分2例目じゃないかな。デイサービスでははじめてのはず。頑張ってください!」
私たちの革新的なサービスが公的機関に認めてもらえた瞬間でした。
因みに、承認いただくのにとてつもない苦労があったのですが、社内メンバーにこのことを伝えると「えっ、なんですか?それ? なんかいいことあるんですか?」との冷めた反応とつれない言葉・・・。
一人でなんでもやってしまうと、喜びを分かち合うことができないんですよね。
しかし、この時の準備が、予想もしていなかった2年後の経営危機を救うことにつながっていくのです。
◆東京都経営革新 優秀賞受賞!
【経営革新計画】は、経営計画であることは、記載しました。計画である以上、実行した結果を報告することになります。
この計画の最終年に経営革新計画の実現状況、実現までの創意工夫や経営指標などを審査し優秀取組を表彰する制度の案内が届きました。
ここまで取り組んできたんだ。せっかくだから、応募してみよう!
当社では、メディアや雑誌に取り上げて頂くことは多かったですが公的な表彰をもらうような取組はしてこなかったので、活動自体には絶対的な自信もあり応募することにしました。
例によって、行政の独自フォーマットで付加価値や生産性指標を入力していく形式。あまり馴染みのない数値結果がでてきました。自動計算なので、間違いはないはず。そんな一抹の不安もありましたが、一式そろえて東京都に郵送しました。
しばらくして、東京都産業労働局の方から連絡があり、書類審査が通過し、次は直接のヒアリング(最終審査)をさせて欲しいとのことでした。
さらに都としても介護分野は応援していきたい。是非頑張って欲しいとの応援メッセージまで頂きました。
おっ、これは好感触!私のプレゼンテーション次第で、いけるかも!!
そんなことを思ったのを強く覚えています。
ヒアリングの場を「いきいきらいふSPA研修センター」に設定、ここはお店を半分のサイズで再現したトレーニング施設。東京都の担当者さんに実際に見てもらうことで、好印象を持ってもらおうと考えました。
もちろん、モデルの独自性や取り組み資料、さらにはニーズデータから検証結果まで準備万端でヒアリング審査を受けました。聞かれるであろう内容はすべて資料にして、プレゼンテーションを行ったので東京都の担当者3名は、興味深くずっと話を聞いてくださいました。私が話し続けてしまったのであまり質問がなかった記憶があります。
最後に「介護分野は都としても応援したいので、本当に興味深い内容でした。審査の結果は、追ってまたご連絡します。」と言われ、結果を待ちます。
これが届いた時は、心臓バクバクでした。
とにかく、メンバーとの活動に対してしっかり実績を見てもらえて賞を頂くことができたのは一つの成果です。5年計画の結果ですので、日頃から取り組んでくれたメンバーに感謝です。
経営革新優秀賞の表彰は、ビックサイトで行われる産業交流展のメイン会場で行われました。この時に紹介ブースも急遽出すことになり、突貫で準備しましたが、台東区長をはじめ多くの行政関係者、金融機関の方がお祝いに来てくれました。
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/chushou/shoko/keiei/kakushin/kigyourei/yuusyuu/h27/
銀行等の金融機関の反応もとてもよいものになりました。
この当時は、組織的にもメンバー的にもなかなかのPR下手でして・・・、ほとんど外部に発信できなかったのが悔やまれるところです(笑)。
その後、中小企業診断士の先生方へのセミナー講師や事例集に掲載されたりと結構広がりのある賞となりました。
余談ですがメダルは、江戸切子、大島紬、東京銀器、東京彫金という東京都の伝統工芸大集合の一品を副賞で頂きました。新オフィスのエントランスに飾っております!!
さて、今回のエピソードからはどんな気づきがありましたでしょうか?何事も本気で取組めばおもしろい!熱量高くいきましょう!!
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