EP.21 変わり果てたNo.3。幹部に求められる資質とは⁉
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新卒1期生採用、侍プロジェクトを進行させている最中、またもや発生した組織内に不協和音・・・。その中心にいたのは、創業から頼りにしてきた組織内No.3の立場の人間でした。直営マネジメントを任せ、人事採用業務に主軸をおいて活動していた私の足元で何が起こっていたのか、今回はそんなエピソードです。
◆突然の古株管理者からの退職意向
それは、突然知らされました。
創業事業である訪問介護の女性管理者が退職を申し出たというのです。そして、その右腕とも呼べるサービス提供責任者(サ責)も同時に・・・。当社の創成期メンバーでサークルのノリで経営していた猪突猛進期、離職率7割の混沌期、立て直し後の傷の舐め合い仲良しクラブ期を共に乗り越えてきたので、まさに衝撃でした。
「〇〇管理者が辞めるって言ってます!」
「えっ!? 全然そんな相談なかったよ。何があったの?」
「〇〇サ責も一緒に辞めるようです!!」
「えぇっ??? どういうこと? 部長に確認するよ。」
私は、新卒採用をメインで活動する為、それまで担っていた直営事業のマネジメントを創業当時から一緒に活動している序列的にNo.3の男性部長に交代していました。もちろんこの部長も侍プロジェクトに関わってもらっていますので、ミーティングの含め定期的なコミュニケーションをとっていた為、〇〇管理者達の退職については、一切話が出てなかったのです。
無資格・未経験で起業した当時25歳の私たちにとって、15歳以上年上の社会経験豊富なこの方は、まさに兄貴分であり精神的な支えでもありました。その後も、苦楽を共にしいろいろな取り組みをしてきたメンバーであり、社内でも皆に慕われていると思い込んでいました。
「〇〇部長、〇〇管理者と〇〇サ責が辞めると言っているようですが、何か聞いてますか?」
「あぁ、聞いてますよ。」
「えっ? どういう理由なんですか??」
「なんか、新しいことについて来れないみたいです。しょうがないですよね。」
「彼女達が辞めてしまって、現場大丈夫なんですか?」
「う~ん、採用はするとして、なんとかしますよ・・・」
最後の言葉に歯切れの悪さを感じ、とてもなんとかなるようには思えなかったので直接話をすることにしました。
◆「日下部さんの話を素直に信用できません!」
マネジメントから外れて半年。久しぶりに訪問介護事業所のフロアに顔を出して〇〇管理者に声をかけました。
「〇〇さん、久しぶり。なんか辞めるって聞いたんだけど・・・、ちょっと時間もらえませんか?」
「えっ?聞かれたんですか? お話することは特にないですけど。」
「そんなこと言わずに、お願いしますよ。」
「ここでは、無理です。別の場所で・・・」
これは何かある、そう確信し、
「わかりました。メールしますね。」
「お願いします。出来れば、〇〇サ責も一緒でいいですか?」
「そうしてもらえると、私も有難いです。」
約束通り、メールで日程調整して誰にも伝えずに面談をすることにしました。場所は、オフィス近くの喫茶店。ランチ以外の時間はほとんど人がいないので込み入った話をするにはうってつけの場所です。
ドリンクを頼んで、重い空気の中、本題を切り出します。
「今、どうなってるんですか?退職の理由は?」
「えっ、何も聞いてないんですか?」
「いや、会社の動きについていけないって聞いてますが・・・」
彼女たちは2人で顔を見合わせて、答えてくれました。
「でた、でた、そんな風に伝えているんですね。違いますよ。〇〇部長が上司ではやっていけないと言う話です。」
「んっ⁉ どういうことですか?」
事の顛末は、単純でした。〇〇部長の横暴かつ横柄な態度が目に余り、さらには現場で発生している問題の対処どころか相談にも乗ってくれないということでした。このままいくとどんなに頑張っても報われるどころか、負えない責任を負わされそうだと感じて、退職することにしたとのこと。
〇〇部長を信頼してる私としては俄かに信じがたい話が次々と上がり、若干混乱気味でした。ただ、対話の大切さを身に染みてわかっているので、彼女達が嘘を言っているようにも感じず・・・。このまま行くと現場が崩壊するのは目に見えてわかりました。退職意向の再考をお願いすることに。
「話はわかりました。そんなことになっているのですね。気が付かず、申し訳ない。この件、私の方で対応するので退職については考え直してもらえませんか?」
「えー、そんなこと言われても・・・。日下部さんの話を素直に信用できません!」
強烈な一言でした。しかし、そう言われて引き下がるわけにもいかず、
「まず、〇〇部長には訪問介護を外れてもらいます。しばらく私が直接かかわります。素直に信用できないのはわかりますが、このあとの私の行動で信じてもらうしかありません。その上で、考え直してください。」
ここからは、やることは明確です。社長に状況報告をして(〇〇部長を大好きな社長は信じていませんでしたが・・・)許可を押し切り、自分のデスクを訪問介護のフロアへ移動。〇〇部長はデイサービスをメインにマネジメントしてもらうためにメインオフィスを移動してもらいました。
コミュニケーション不和の現場を立て直すのは、経験上得意ですので私の行動の早さから信頼を取り戻し、〇〇管理者と〇〇サ責ともに退職せずに活躍してくれました。
この出来事から11年経ちますが、現在も〇〇サ責は、一緒に活動してくれています。(社内で唯一、私にお酒のイッキを強要してくるメンバーです(笑))
◆変わり果てたNo.3。幹部に求められる資質とは?
新卒採用含め、バックオフィスを強化しないといけない状況かでしたので、No.3である〇〇部長の行動には注意が必要です。任せられるのか、変わってもらわないといけないのか・・・。
全体を統括していた時から信頼のおける管理者はいましたので、常駐先での〇〇部長の行動を報告してのらうように内々でお願いしました。
さて、結果は・・・・
これは、なかなかのものです。訪問介護メンバーから聞いていた話が正しかったことが確認されました。
創業当時は、誰よりも駈けずり周り、営業をして仕事をとってきて訪問介護の現場も率先して活動していた〇〇部長。報告を聞けば聞くほど、怒りより寂しさと虚しさがこみあげてきました。
知ってしまった以上、この問題を放置するわけはいきません。事実ベースの情報と証拠をまとめて、社長と協議です。ここではじめて社長も〇〇部長の実態を認識したようですが、創業から一緒にやってきたメンバーですので踏ん切りがつきません。
仕方がない!社長が動かないなら、やるしかない。
「〇〇部長の件、私の方で面談して改善の機会を与えます。そこで変わらなかったら・・・、その時は会社の為にも退職を考えてもらいます。」
そう社長に伝えて、本人と面談しました。役割に応じた半年の目標と改善プランを合意し、実践。1カ月ごとに面談して行きましたが、結果は変わらず・・・。本人から退職の申し出がありました。
どこからおかしくなったのか・・・、当時はそんなことをしばらく考え続けていた記憶があります。
ガムシャラに活躍していたメンバーが、正反対の行動に移る心理はどこにあるのでしょうか?
同じメンバーでずっと一緒に活動し続けられることは奇跡に近いのかもしれません。
ただ、組織運営していく上で幹部メンバーは、会社の掲げる理念や行動規範に対して誰よりも率先垂範できないといけないと感じてます。そして何よりも人間性や倫理観を持ち活動できないと成果をつくるチームを率いていくことはできない。
なかなか難しい問題です。人間完璧な人はいませんので。
出来れば自然体で在りたいものです。
さて、離職率7割の時も経験した時と同じようなことが起きてしまいました。個人の問題か?はたまた組織の問題か?
実はこの3年後にこの問題がパワーアップして再発します・・・。それはまた別のエピソードでご紹介します。
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