404.【WACK峮峮スピンオフ#7】峮峮(チュンチュン)ノートガルドの街へ
峮峮(チュンチュン)いよいよノートガルドの街へ。丸武群とポンちゃんと共に、街を歩く。
「結構大きな街ね。あ、バザーがある。行こう!」
「ちょっと待って。そうゆうのは用事を済ませてからね」
峮峮は口をとがらして、丸武の持ってる地図をのぞき込む。
「なんかレトロな地図。スマホでやればいいのに」
「そう言うなよ。なぜかなんて、こっちだってわかんない。情報はこれしかないんだし」
「仕方ないか」と思った峮峮、丸武に付いていく。幸いにして、丸武は方向音痴ではなく、地図を見ながらひょいひょいと進んでいった。
目的の場所は、メインストリートから外れ、裏通りのそのまた裏通りを行き、かなりさびれた路地だった。そこに建っている古びた洋館――、洋館といっても多くの人がイメージするものではなく、こぢんまりとした三階建ての建物。壁は年月を経て黒ずんでおり、以前生い茂っていたと思われる蔦はすでに枯れてしなびて垂れ下がる。
幽霊屋敷といった方がふさわしい風情だ。お約束と言ったように、カラスが2羽飛んできて、カァカァ鳴いた。
「ここみたいだな」
「えっ……」
峮峮はあまりに不気味な雰囲気に、自分がだまされてるんじゃないかと思って、一歩退いた。
「あぁごめん。どうやらここは倉庫みたいなんだ。今じゃ使われてないのかな」
そう言って、丸武は鍵を取り出すと、錆びついた鍵穴に差し込んで、しばらくガチャガチャ音を鳴らした。
中に入ると、埃っぽくカビ臭い室内だった。倉庫なので、天井は高く、一階から三階まで吹き抜けになっている。三階にある小さな天窓から差し込む明かりで、倉庫内がぼうっと浮かび上がった。
しばらく使われていなかったようで、そこには保管物らしきものは何もなかった。電気はないのかなと、壁にあるスイッチを入れると、近くの裸電球が薄暗く灯った。
峮峮はいらついて言った。
「もう説明してよ。わたしをこんなとこに連れてきて!」
「あぁごめん、ごめん。ついつい夢中になっちゃって。まずこれを見て」
丸武が取り出したのは、うさうさんからの手紙。
「やけに古びた手紙だなぁ」
「なんか、ぁゃιぃ……」
ポンちゃんの言葉に同調して、峮峮は言う。まだご機嫌ななめの様子だ。ポンちゃんはそんな空気を察して言う。
「このポイポイカプセルって、何?」
「うん、私がもらったのは、この手紙と地図、そして倉庫の鍵とこのカプセル」
そう言って、丸武はポイポイカプセルをリュックから取り出した。親指大の大きめの赤いカプセル……
「ちょっと貸して」
峮峮はそう言うと、カプセルを手に取り、じっくり観察したり、わずかな明かりに透かしたりしていたが、カプセルは厚いのか、何も見えない。
「赤いカプセルって、マトリックスみたい。でも、絶対に飲める大きさじゃないし、どうしたらいいの?」
「う~ん、そこまでは書いてない」
いろいろといじくる峮峮。ちょっと投げやりになって、Passion Sistersのダンスを踊りながら、カプセルを振ったり揺すったり……。そして、片隅の椅子に腰を下ろし、テーブルに肘をついた。
「そこ、埃だらけじゃん」
「うるさいなぁ。どうすればいいのよ!」
峮峮のイライラが募り、カプセルをテーブルの上でくるくる回した。すると……
「わっ、出た!」
「ひゃ~、びっくりしたぁ」
3人の驚きと共に飛び出してきたのは、結構大きなイラストの機械(上図)。こういうところってさ、小説家だったら絶対に細かく描写するよね。でも残念ながら、丸武にそんな描写力は存在しないのだったw
「なんだろう。結構アナログ……」
「アナログ好きなヤツが絶対いるはず」
そんな峮峮とポンちゃんのやり取りを聞いて、丸武は思わず吹き出す。「アナログの機械」をうさうさんに所望したのは、他ならぬ丸武なのだから。
「早速動かしてみよう!これがスイッチだよね」
峮峮は手前にある3つのボタンを押した。ところが反応なし。どれを押しても全く動かなかった。
「これ壊れてるのかな。全然動かないんだけど……」
どうしていいかわからない3人。そこで背後から声がした。
「ごめん。ごめん。待ったぁ?」
🍒 🍒 🍒
今回のWACK峮峮スピンオフは、うさうさんにご協力いただきました。うさうさん、お忙しい中ありがとうございます!
今回はノートガルドの街を「 #一度は行きたいあの場所 」にしてみましたw
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峮峮スピンオフは、のろのろと続きます。。