452.【WACK峮峮スピンオフ#26】変身!黄山君!
大家好。今回はWACK峮峮スピンオフの26回目、「WACK峮峮スピンオフ#25」の続きです。「WACK峮峮スピンオフ#25」は次のリンクをご覧ください。
🍒 🍒 🍒
「峮峮さん、あなた黄山君って言ってるよね」
峮峮は笑いながら答えた。
「よく知ってる~♡『峮』の字を分解して『山君』。これはあたしのあだ名、あだ名の一つね。そして黄色い服着たりしたとき、黄色い山君で『黄山君』と言ってる」
「黄山君という仙人は?」
「知ってる。それと引っかけてたの」
白さんは確信したように続けた。
「間違いない。黄山君がキーワードだな。黄山君は『神仙伝』に出てくる仙人で、彭祖の術を修め、『彭祖経』を書いたとある。彭祖は『列仙伝』にも出てくるが、『神仙伝』に詳しい。少し記事も書いてみたんだけどね」
「黄山という山は、仙境を彷彿とさせる山だ。黄山君も黄山と関係しているかもしれない。ここで大事なのは、彭祖の術。黄山君が修めた彭祖の術とは何ぞやという話だ」
峮峮は目をキラキラさせて聞き入った。
「その『神仙伝』によると、導引閉氣の養生法、金丹を服用、交接の法、服氣の法などという言葉が出てくる。まず、導引、服氣といった養生法だが、そう閉氣、服氣というのは呼吸法のこと。この養生法で急に大きな変化が生じるということはまずあり得ない。ゆったりとした健康法と考えてもいい内容だ」
「今やってるのは消去法ね。何が適切かを見つけるの」
ミーミーさんが付け加えた。白さんが続ける。
「次に、交接の法、つまり房中術だが、これは難しすぎる。実際、詳細な実践方法は秘技とされていて、興味本位で書かれたものばかりだ」
「昔も今も、みんなこういうの興味持つのよね」
そう言って、白さんとミーミーさんは苦笑する。
「残るは、外丹法と内丹法だ。そこで、峮峮さんが出してきたのがスカボローフェア」
「パセリ、セージ、ローズマリー、タイム、いずれもハーブでしょ」
「そうそう、外丹法について話さないとね。外丹法というのは、簡単に言えば、丹砂を主原料とする丹薬や、金を液状にした金液などを服用して修行するもの。しかし、これらは毒物であって、それで命を落とした例が多数存在する」
峮峮が少し顔を曇らせたので、白さんは言った。
「もちろんそれはわかっていたから、この外丹法を行うことについては、最初から疑問があった。それを完全に否定したのが、峮峮さんが言ったスカボローフェアだった」
「ハーブで死んだ例はないでしょ。安心して、峮峮さん」
ミーミーさんの言葉にホッとした表情をする峮峮。話は続く。
「すると、残ったのは内丹法。内丹法で代表的な修行法が、小周天と大周天。消去法でいくと大周天、これは難しすぎる修行法だ。そもそも小周天ができてないと大周天はできないし、陽神を作るのは至難の業だ。そうして残った修行が小周天だ」
白さんは一呼吸置いて続けた。
「小周天というのは、督脈と任脈を使って、エネルギーを回す修行。チャクラを開発するから、超能力が目覚める可能性がある」
「どう、峮峮さん、やってみる?」
「やってみる。新しいことって挑戦したくなる!」
峮峮は即答した。本当にワクワクしていたのだ。そして白さんは言った。
「それは素晴らしい! 実は、今回調べていたもう一つのことがあるんだ。それが地丹法だが、薬膳みたいな扱いではなく、小周天に必要なエネルギーを強めるために使う。鹿茸(ろくじょう)、牛黄(ごおう)、茯苓(ぶくりょう)、霊芝(れいし)などの生薬に、先ほどのパセリ、セージ、ローズマリー、タイムを加えて調合するのが良いと思っている。このあたりは、うさうさんの方でやってもらいたいんだが」
「面白そうね。やりましょう」
うさうさんが引き受けたのに満足して、白さんは言った。
「峮峮さんは、この地丹を食べながら修行するといい。地丹は苦いが、良薬口に苦し、効果はあるだろう」
それから何日経っただろうか。小周天の修行をした峮峮は、エネルギーに満ちあふれ、うさうさんの倉庫に向かった。うさうさんの倉庫に集まったのは、峮峮、うさうさん、ワディさん、白さん、ミーミーさん、そしてポンちゃんの6人。
峮峮がポイポイ変身機に乗り、座法を組んで座った。うさうさんがテスラコイルを稼働させ、峮峮が小周天を始めると、ランプの炎が現れた。電光が激しくなると、峮峮の姿が変化した。
「仙人……、黄山君?」
みんなが驚く中、峮峮は仙人の衣装を身にまとい、長い髭を生やしていた。しかし、胸の膨らみはそのままで、その姿は女性的だった。
「え?男性?女性?」
「両性具有……陰陽合一か!」
うさうさんがアプリを見て驚いた。
「レベル20?……また、飛躍的に上がってる」
🍒 🍒 🍒
レベル20までの変身が完了した峮峮。この時点で、しばらく第1部はお休みして、第2部の悪魔との対決編に移ります。ここで戸惑ってるのは、第2部をどんどん進めるとネタバレになってしまって、第1部の残りがどうなるんだという話・・・まぁいいかw
WACKの関連記事は次のマガジンから。
今までのWACK峮峮スピンオフは次のマガジンからどうぞ。
峮峮スピンオフは、のろのろと続きます。。