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コンセプトチェンジできる人できない人

Voicy No.0263 2023年1月13日放送
本文を音声で聴きたい方はこちらからどうぞ!

ブランドの中心は変えずにブランドコンセプトを変えると、新鮮さを保つこともできて、自分も相手も飽きさせずに変化していけます。


大学デビュー、いいじゃんという話


フレーズとして「大学デビュー」「社会人デビュー」という言葉があります。

高校時代まで校則とか親の言うことに従ってきた人が、大学に行って私服で髪を染めていいとなったとたん、あるいは東京に上京してきたとたんに派手になるというか、はっちゃけるというか、急にあか抜けてオシャレになることがあります。

つまり、「急に大学になって変わったね」という話です。

社会人になって多いのは、イケイケの会社に就職して、先輩たちにおいしい所に連れて行ってもらう機会が増えて、イケイケの人たちが集うようなところに顔を出すようになって、本人もイケイケになるのをいじる言葉として「大学デビュー」「社会人デビュー」という言葉があるじゃない?

すごくいいことじゃないかと思います。


誰が決めたコンセプトだったか


ブランディングで企業と接点をもって、商品をどうやって世に出すかの話をしているときに、日本人は得意、不得意以前に、コンセプトがよくわからないのでしょう。

コンセプトは無形のものです。
概念だから明確につかめたとは言いがたいものです。

だからブランドに何か言いたいことや大事にしていることがあっても、ブランドコンセプトという形にまとめきれず、ブランドになる第一歩で、煙みたいに拡散してしまうことが結構あるのです。

大学デビュー、社会人デビューというのは、コンセプトチェンジなわけでしょう?

例えば高校生が大学生になって、あか抜けたり急に色気づいたりするのはコンセプトチェンジだけど、高校生までのコンセプトメイキングやコンセプトプロデュースは、親や学校や地域が「あなたはこういう人だ」とやっていたものです。

子どもの頃から言われていた周りからの要請で守ってきたコンセプトではなく、自分が好きなものができて急にオシャレしたりすることが、コンセプトチェンジです。


コンセプトチェンジできる人、できない人


コンセプトがマンネリ化すると、その人に旬とか新鮮みがなくなって飽きてきます。

ご自身が位置付けやトータルコンセプトに飽きてきて惰性で来て、新鮮な気持ちが消え去ってしまっていて、ファンの方とかあなたの周りの方があなた自身のコンセプトに何の面白みも喜びも新鮮みも感じなくなると、ブランド力が下がっていきます。

今は人のことを言っていますが、企業や商品に関しても同じです。
企業とかブランドがあるところは、リブランディングをかけたりします。


百年続くブランドが古くならないワケ


このものすごい成功例というか、世の中にはっきり明示されている例を挙げます。ヴィトンとかグッチは100年以上前からあるブランドです。

セリーヌでもサンローランでもいいけれど、ブランドとして大事にして中心に据えている哲学、ポリシー、スタイル、センスは昔からあっても、デザイナーを2~5年で変えています。

前から大事にしてきたものを、ブランドコアを守りつつ、ブランドコンセプト自体はクリエーティブディレクターやデザイナーといわれる人を数年ごとに変えることで、リブランディングをかけて、コンセプトの一部を今風なところにピントを合わせ直しているのです。

これは人に対しても必要なことです。

自分自身のコンセプトが今のままで、実はあまり周りにはまっておらず、ファンとか周りの関係者が熱狂していないのであれば、コンセプトチェンジをお勧めします。


哲学は変えない


コンセプトは抽象的なものなので、それをこの短時間で伝えるのは難しいです。

しかし日本人は、X(Twitter)とかインスタに書くような職業とか子どもが何人いるとかをコンセプトだと思いがちですが、それはただのプロフィール紹介です。コンセプトではありません。

まず、今のご自身のトータル・ブランド・コンセプトがどういうものかという自覚が必要で、ご本人か周りの支持者がそれに飽きているのであれば、変えたほうがいいでしょう。

変えるのはスタイルだけで、思想や哲学は変わっていません。

それをビジュアライズ、トーク、メッセージ、コピーのどれかで活動を変えていくと、コンセプトチェンジがなされてブランドが復活します。
すると、周りがなおのこと支持してくれることがあります。


コテツもチェンジ中


ちなみにオレも、去年からコンセプトチェンジ中です。

種明かしになるから細かいことは言いたくないのですが、いくつか見直している点があるので、Voicyだけ聴くとか少し仕事で接点があるだけだと、つかみづらいかもしれません。

でも、自分の中では明確にコンセプトチェンジのタイミングが来ていると感じたので、それを2022年~2024年あたりで変えてしまおうかと思っております。

コンセプトチェンジするときに大事なことは、それがわかる人と取り組んだほうがいいということ。

ブランディングを含めたトータルコンセプトが話せそうな人に時間と場所をブロックしてもらって、お礼か食事をおごるかして、相談に乗ってもらいながら自分のコンセプトチェンジをしたほうがいいでしょう。


旬を長くしたい人は変化しよう


前はよくテレビでやっていた「あの人は今」といった番組で過去の有名人が扱われるときがあります。明らかなのは、いちばん売れているときの髪型から皆さんが変えたがらないことです。

つまり時代とズレていき過去のコンセプトに執着する形が、ああいうのを見ていると結構明らかです。

自分の旬を長く続けたいのであれば、コンセプトチェンジしたほうがいいよというお話でした。

以上、久々野智小哲津でした。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
本文を音声で聴きたい方はこちらからどうぞ!

久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
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