時代の流れや潮目が変わっているという話
Voicy No.0270 2023年1月27日放送
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購買行動を支えているのは売る側ではなく消費者です。消費者心理は日々変化しています。世の中の潮目を常に観察し、変化を捉えてネットやSNSを活用していきたいものです。
見方が変わる
今日は「時代の流れや潮目が変わっている」をテーマにお話しします。
日本でバブルが崩壊(2000年前後)した後に経済環境を振り返ってみると、初めて「あのときバブルだった」とわかります。ものの変化って、そういうものです。
渦中にいるときはそういう状況だったとは気付かず、時間がたって俯瞰して冷静に考えてみると、「あれは、ああだったね」ということがあります。
オレは学者として時代の流れを研究したいわけでもなく、世相の研究家でもありません。ただ自分が商売をしたりブランディングや経営アドバイスをする上で、消費者心理の変化に抵抗することは無理だと思っているのです。
購買行動は、売る側が0に対して、買う側が100の決定権を持っています。
売る側が「こんなに良いもので、こんなに意義があって一生懸命やっている」といっても買う側に100%決める権利があり、消費者の心の変化や消費者の欲求をつかんで、そこにマッチさせないとダメだというゲームになっているわけです。
オレ自身も消費者で生活者ですし、消費者・生活者の気持ちが今どう変わっているのか、日々いろいろなものを見て考えています。
そのときに町歩きもヒアリングもします。
ヒアリングというのは、自分が研究したいと思っているクラスター(集団)、ライフスタイルの人に、集中的に会ってお話を聞いてみることです。
そして、「こういう消費を見よう」と思ったら現場に行ってみます。
それに加えて、ネットやテレビなどのメディアで「こんなものが流行っているのかな」というのを趣味として見ている面もありますが、全体の流れが知りたくて仕事として見ている側面も、オレの場合はまあまああるわけです。
変化の手掛かりは何か
2022年後半に、YouTubeでブレイキングダウンという格闘コンテンツが流行りました。
これはスポーツや格闘技に興味がなくても、世の中の潮目が変わったという手掛かりになると思ってお話ししています。
ブレイキングダウンというのはリングの上でやるボクシングに、柔道みたいに組み付いたりして闘う総合格闘技です。スポーツのジャンルではマイナーですが、朝倉未来(みくる)という人が4~5年前からそこに登場します。
その人はもともと不良でしたが小さな大会に出て結果を出し、日本でメジャーなRIZINという大会に出場します。大晦日にフジテレビで放送していたような、何万人も入るような格闘技の大会で、成り上がってヒーローになりました。
YouTubeは、当時チャンネル登録者400万人以上。
その朝倉未来は、自分が闘うのではなくて、世の中の不良とかアウトローを集めてリングで闘わせ、1分間で格闘技の試合をさせるというコンテンツになります。
それがYouTubeで配信された週は、日本のYouTubeランニングでほとんど上位を独占するぐらい見られているのです。
話題になれるなら何でもあり?
時代の変化は、いくつかの「あれっ」という事象を見ていくのですが、それ以外だと、ビジネスインフルエンサーの存在があります。
ビジネスインフルエンサーの範囲は広くて、青汁王子、暴露系のガーシーもいます。
また「令和の虎」といって、起業やビジネスしている人がプレゼンをして、お金を持っている演出をした人が出資するという番組もあります。
ビジネスインフルエンサー界隈でも、2022年末にかけて、いろいろ問題を起こす人も出てきました。
2022年前半とか途中ぐらいまでは、ブレイキングダウンにはYouTubeのチャンネル登録者がたくさんいて、「見られてバズればいい」という尺度だったときがあったのですが、完全に時代の潮目が変わりました。
YouTubeのチャンネル登録者や「バズっている」自慢などは、「そんなものか」となっていくのは間違いないと思っています。
「バズったら正義」は恥ずかしい
目の前の「賑やかしで注目を浴びればいい」という考え方は、スマホ全盛の時代になってネットでのアピールが簡単になり、インスタやYouTubeやTikTokのおかげで簡単にできるようになりました。
どうやったらネットでSNSというツールを活用して広がるのだろうという熱狂が、ここ数年あると思います。
賑やかしや突拍子もないこと、人の迷惑になる気分を害することをやることでバズってしまうから、「バズったら正義」みたいな感じになっていますよね。
でも、それはめちゃくちゃ恥ずかしいことで、潮目が完全に変わったと思っているわけ。
Twitterでオレ自身もつぶやく気がなくなってきていて、2023年後半からつぶやかなくなっています。「実力をつけるよりも攻略法で乗り切れ」みたいなムードで、本当意味がないと思っているからです。
バズを狙うよりも、ご自身が伝えたい人にきちんと伝えることを重視していったらいい、というお話でした。
コテツでした。
久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
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