売るためにブランディングする。その間違いについて。
Voicy No.0271 2023年2月1日放送
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ビジネスを始めるときに、売れるものを売るのか、独自の哲学とセンスでブランドにするのか決めてください。「売ること」と「ブランディングすること」は、商売の展開方法が最初から違ってきます。
Voicyの質問にお答えします。
今日のテーマは「売るためにブランディングする。その間違いについて」です。
コテツのVoicy「見積もりビジネスはブランドにならない」にコメントを頂きました。皆さんにシェアしたら学びになると思ったので、そのコメントをお読みします。
こういう段階にいる方は多いと思います。
よういちさんのショップは、価格帯が2000円~1万円以内のレディース服を、フルライン戦略(アウター、トップス、スカートもある)で展開されています。品数はさほど多くなく、ぱっと見て10~20点だった気がします。
商売で先に決めるべきこと
これは正解がなく「どれを選ぶか」という話で、まず絶対に決めなければいけないのは「ブランドになる気でやるかどうか」で、ブランドはファンがいる状態です。
他者から見たときの評価基準を全部飛ばして、「これじゃなきゃダメ」「ここで買いたい」「私はこれに決めている」というものがある方が、ファンなのです。
宝塚はブランドで、ファンがいます。星組とか月組とか5組ありまして、宝塚ファンの方が、あるスターに似ているからと他のスターをオススメしたら、「私はAさんのファンで、一般の人が見たら似ているかもしれないけれどBさんじゃダメなんだ」と言うはずです。
宝塚のAさんファンの人に「相対比較でCさんのほうが身長も高くて顔も整っていて黄金比だし将来性もある」と言われても、Aさんファンの人はAさんが好き。
他の人の評価基準を示されても、「私はこれが好き」というファンがいる状態がブランドなのです。
ヴィトンとエルメスとディオールがあったら、ディオールで買いたい人はディオールで買うし、エルメスで買いたい人はエルメスで買います。
スタバとドトールとタリーズコーヒーが並んでいたら、「どこでもいいや」という人もいれるし、「3つ並んでいたらスタバに行きたい」なら、もうスタバのファンなのです。
安いから買う人は、すぐいなくなる
商売するときに「ファンをつくるのかどうか」という選択を先にしたほうがいいです。
商品を並べて売る自動販売機型のECショップは、買ってもらうことをゴールに置く限りはもうブランドにならないからです。
今日の題名は嫌なタイトルの付け方かと思いましたが、やっている商売に動かしがたいコンセプトや主張や哲学があって、それを元に商売を展開し品ぞろえし、それを元にコミュニケーションするというのがブランドです。
よういちさんの商売がそうなっているのではありませんよ。
わざと極論を言いますが、売れそうなものを並べて、まず買ってもらえばいいのです。
ファンが付いたりする必要はなく、「入れ替わっても買ってもらえればいい」というのも、商売のやり方です。
ある独自の価値基準とか独自のセンス、独自の哲学に基づいたビジネス展開をして、その独自の主張とセンスにファンが付いてきたときにブランドになるので、「まず、それをしたいかどうか」が大事です。
例えばジャニーズは、世の中で男性のヒゲが流行っても胸毛がはやっても、ヒゲと胸毛のアイドルは出しません。ジャニーズの哲学と主張とスタイルとセンスがあって、永遠の少年性があり、世の中の流れがどうだろうと自分たちのスタイルが好きな人が、ファンになっているところがあります。
購入してファンになってもらうのではなく、とにかく数多くの人が入れ違いでも買ってくれればいいというビジネスのやり方もあります。ですから、何もブランディングにこだわらなくてもいいのです。
よういちさんのサイトを見て思うのは、仮に価格で買っているお客様が多いなら価格訴求で乗ってくる方はすぐスイッチするので、価格のリーズナブルさを重視して推していくなら、ブランドにはなりにくいと思います。
じゃあダイソーはどうかというと、ダイソーは100円であることを売りにしているのではありません。
ダイソーに行って、ごちゃごちゃたくさん買い回りをする買い物の楽しさにファンを付けているので、価格が安いから問題というよりは、よーいちさんがされているECショップの独自のスタイルというか、ある切り口を元に品ぞろえされていることがもっと明確になれば、そこにファンが付くはずです。
でも、「他でも買えるけれども、安いから買っている」というお客様が多いようなら、ブランドになるのは結構難しいでしょう。
ちなみに自分がやっていたスーパーは、仕入れて棚に並べて売るところで差別化したのではありません。お総菜の展開と独自商品(プライベートブランド)を出していました。
よういちさんと奥様で考えたほうがいいのは「人を出すか出さないか」です。
人にファンは付いてくるので、そこが1つのポイントかなと思いました。
コテツでした。
久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
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